イベント
更新2019.12.23
日本最古の自動車倶楽部!ACJ主催『第11回 谷保天満宮旧車祭』の熱量がハンパない!
細谷明日葉
会場となった神社は、主催のオートモビル・クラブ・ジャパン(通称ACJ)発祥の地でもあり、なんとその歴史は明治41年にもさかのぼります!
詳細はのちほどとして…。
まずは境内とレア車が並ぶ、おどろきとワクワクの光景をご覧いただきたいと思います!
じ…神社がとてつもないことに…!!
国道20号に面した参道から、すでにただものならぬオーラがあふれかえっていたこの日の谷保天満宮。霊験あらたかな地に並ぶありがたいクルマたちが、参拝者?カーキチ?のみなさまをお出迎え。
▲ACJ会長が最近納車したとウワサの、マツダ ポーターバン。背景でおわかりいただけるかと思いますが神社です!
▲三輪で味のあるダイハツ ミゼットは『車のお医者さん』号でした。イベントの救護係だったのでしょうか?
▲ダイハツ コンパーノスパイダー。イタリアのヴィニャーレを起用しただけあって、日本車らしからぬスタイリング
▲直6エンジン搭載のオースチン・ヒーレー 100-6
▲MG TD2
▲アルファロメオ 1750GTV
▲ルノー キャトルGTL
▲にぎやかでその名がふさわしいモーリス ミニトラベラーMK2
▲いすゞ ベレット1600GT
▲クラシックBMWの中でもかなり斬新なマスクを持つノイエクラッセ、2000C!
▲ポルシェ 928 S4と、その奥に見えるのがメルセデス・ベンツ 220SEのカブリオレ。参道に並んだ姿が非常に優美です
▲シボレー コルベットスティングレイ(C2)
▲きらびやかな2台。真っ赤なMG TDと、和の伝統色にも例えられそうなメルセデス・ベンツ280。場所が神社なだけに、お神輿に通ずる雰囲気を彷彿とさせる気が…?
▲英国車なのに鳥居の前がやたらと似合うロータス ヨーロッパ
▲フォード グラントリノ
▲ワンオーナーと思しきダットサン ブルーバード
▲TWIN CAMのロゴが80年代の力強さを彷彿とさせる、トヨタ セリカXX
▲こちらはダルマセリカの愛称で親しまれる、トヨタ セリカ1600GT
▲アルファロメオ アルファスッド・スプリント
▲手水舎の横にはアルファロメオ 916スパイダー
▲改めて振り返ると、やっぱり神社にいるのは間違いないらしい…
参道だけでもすでにおなかいっぱい状態ですが、まだまだこれからもすごいんです!
社殿の前にもぎっしりと並べられたクルマたちを見て、ぜひ腰を抜かしてください。
(搬入の苦労も相当なものだったでしょう…この日はさすがの谷保天満宮も狭く感じられるほどでした)
▲女性客にも人気でみんなに可愛がられていたBMW イセッタ
▲フィアット 124クーペ。社務所前には、御守や御朱印を求める人々の姿も
▲強烈な3ショット!!左から、アリタリアカラーのランチア(C.A.Eレプリカ) ストラトス、ポルシェ 356C、そしてジャガー MK2でしょうか
▲フォルクスワーゲン カルマンギア。ベージュのボディに茶色い幌の組み合わせがオシャレ
▲英国車のディープな世界を思い知らされる、パンサー カリスタは、シンプルすぎてクラシカルな雰囲気満載ですが、れっきとした80年代のクルマです
▲こちらも「これだからイギリスは…(誉め言葉)」と思わせる、モーガン 4/4。この個体は1977年式ですが、1936年から現行車種として販売され続けている、とんでもロングセラースポーツ!
▲トライアンフ TR4。ボンネットにはサン〇オキャラのシナモロールちゃん。なかなかおちゃめなオーナーさんですね(笑)
▲レーシーなダットサン ブルーバード1600SSS
▲笑顔がまぶしいオースチン ヒーレースプライト。背景に見えるのが本殿
▲メルセデス・ベンツ 170S。オーナーさんとは22歳のころからのお付き合い!!パネル展示もされており、納車時と現在のお写真が飾られていました。車両そのものもヒストリックですが、オーナーさんとの長い歴史が詰まっているところにも非常に大きな価値がありますね
▲メルセデス・ベンツ 190SL
▲メルセデス・ベンツ 380SL
▲ノックダウン生産で日野自動車から発売されたルノー4CV
▲シトロエン 11CVレジェール。フロントグリルのバッジからもたくさんの愛が感じられる1台!
▲こちらのスバル 360はコンバーチブルモデルでした
▲フォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)がベースとなった、コンバチ仕様のタイプ15
▲なんと1937年式のダットサン 16型。戦前の国産車が今ココにある(!)という事実に驚きです…
▲アストンマーティン DB2
▲がっちりとロールバーが仕込まれたロータス エラン
▲筆者が今最も気になっているルノー 5ターボ!!私情満載で、なんと運転席にも座らせていただいちゃいました!オーナーY様、ありがとうございます…ヨダレを垂らすまいと必死でした(笑)
▲ランチア モンテカルロまで拝めてしまうとは…
▲オレンジボディにゴールドホイールがベストマッチなアルピーヌ A110(先日プライベートでお邪魔した別のイベントにもいらっしゃったような…?)
▲A110はこのカラーというイメージが強いかもしれません
▲ケーターハム スーパー7
▲こちらのトライアンフ TR4は鮮やかなイエローボディ
▲BMWアルピナ B9 3.5。アルピナを象徴するデコライン、そしてヘラーのフォグカバーにホレボレします
▲グリルのインパクトも相まって、全く違和感なしに神社に鎮座するベントレー S3
▲かなりのモディファイが施されたクールなオースチン ミニバン
▲アウトビアンキ A112 アバルト
▲MG ミジェットMK3
▲ランチア フルヴィア スポルト1.3ザガート
▲ランチア ストラトス(ホークリッジ製キットカーHF2000)
▲スバル FF-1
▲最近見掛ける機会がめっきり減った気がするマセラティ 3200GT
▲日産 フェアレディZ 432R。オレンジと艶消しブラックの対比がカッコいい!
これぞ町興し!市街地を駆け抜けるクラシック&スーパーカー
ここまで境内の様子をご覧いただきましたが、このイベント、まだまだこれだけでは終わりません。
なんと参加車両の一部がタクシーとなって見物客のみなさまを同乗させ、谷保~国立駅前・大学通りを走ってくれるという出血大サービスもおこなわれていたのです!
同乗会の出発地点は、天満宮からは徒歩10分ほどのところにある谷保第三公園。
まずは境内から公園まで車両を移動させる様子をカメラにおさめ、その後は街中を走るクラシック&スーパーカーを追いかけました!(人力で!)
▲移動車両と人だかりでごった返す境内駐車場。もうこの時点で気迫が…
▲日本で初めてのガソリン車『タクリー号』のレプリカ。後ほど詳しく記述しますが、オートモビル・クラブ・ジャパン及び谷保天満宮と言えばコレ!という存在なのです
▲ランボルギーニ カウンタックまで…!!!
▲フィアット 500F
▲アルファロメオ 4Cとランボルギーニ ガヤルド
▲今のフィアットにはないスパルタンなX1/9
▲出発を見送る大勢のギャラリーたち
▲…この光景、信じられます?(笑)
▲カスタムバイクショップであるBALLY HOOが製作した四輪コンセプトのマンタレー。圧巻なルックスですが、ベース車両はなんだと思いますか?と、ちょっとクイズ形式にしてみます。答えは当項一番最後にて!【※】
▲ジャガー Eタイプ
▲そして谷保の街はこうなります!もちろん通行人はあぜん…
▲颯爽と駆け抜けるフェラーリ 512BB
▲そのうしろに続くのはトヨタ 2000GT
▲はいどんどん来ますよー!フェラーリ 328GTS
▲ロールスロイス コーニッシュ
▲メルセデス・ベンツSSの意匠をアメリカのコーチビルダー、エクスキャリバーが蘇らせたSSロードスター
▲フィアット 500の中でもかなりのレア!ジャンニーニバージョン
▲とってもキュートなスバル ヤングSS。同乗会パパラッチ、結構がんばったのですが、走るクルマと日光をカメラでコントロールするのがド下手な筆者。国立駅前大学通りでは、ほぼ失敗に終わりました…(泣)
▲見切れてしまいましたがフェラーリ 308GTS
▲駐車場を後にするヨーロッパ、ヨーロッパ、FIAT X1/9…来場客さんたちの愛車も必見の価値アリ!
いやはや、ノリと意気込みだけで街中をせかせかと歩き回り、時にはマイカーでルートを追いかけてみたりもしましたが…。動体撮影、練習しないといけませんね…(泣)。
写真はおそまつでしたが、この日の谷保界隈がどんなにスゴイことになっていたかだけは、お伝えできたでしょうか。
珍しいクルマが展示されているだけでなく、同乗体験や走行シーンを見ることができるのも、このイベントの魅力です!
【※クイズ回答】BALLY HOO マンタレーのベース車は、なんとルノー スポールスピダーでした!!あまりの変貌ぶりで、車内を見ないと気付かないかもしれません。
なぜ、舞台が神社なのか。そしてACJとはいったい…?!
▲谷保天満宮の絵馬。クルマ好きなら持ち帰ってしまいたくなるイラスト入り
今回の舞台であった谷保天満宮は、絵馬にも記載されているように、交通安全祈願発祥の地として知られている神社です。
このいきさつは明治の時代にさかのぼり、1908年(明治41年)に有栖川宮威仁親王殿下が、日本で初めてのドライブツアーこと『遠乗会』を開催し、その目的地を天満宮とされたため。
そして境内の梅林でおこなわれた昼食会にて“日本の自動車の将来”が語り合われ、そこで結成されたのが、日本で初めての自動車倶楽部『オートモビル・クラブ・ジャパン』だったのです。
絵馬に描かれている『タクリー号』は、この遠乗会に参加した車両のうちの1つであり、これまた日本で初めてのガソリン車。名前の由来は、ガタクリガタクリと音をたてながら走るからなのだそう(でも『ガタクリ号』ではないという不思議)。
すごいです…“日本で初めて”を3連発してしまいました(笑)。
そんな『オートモビル・クラブ・ジャパン』、2011年に現在の会長さんのもとリスタートされ、以降『谷保天満宮旧車祭』をはじめ、年間を通してさまざまな活動をおこすアグレッシブな自動車倶楽部として絶賛活動中なのだそう。
▲くにたちマルシェの様子
▲子供たちによるキレッキレなダンスパフォーマンス
▲キルトをまとったバグパイプ奏者さん。筆者が立ち会った際には、アメイジンググレイスの演奏中でした。神社で讃美歌を聴く機会があるとは…(笑)
そして谷保天満宮のある国立市は、もともと農家さんが多い地域。
全国各地でも話題になっている“地産地消”をモットーに、国立産の農産物が入手できる『くにたちマルシェ』も同時開催。
また、地域の子供たちがダンスをお披露目したりと、ステージ演出も楽しめます。
タイミングがよければご当地キャラにも会えたかも…!
クルマのイベントというと、近隣の方にとってはどうしても騒音問題などのネガティブな点に目が行きがち。
ですが、地域の社寺にも縁(ゆかり)があり、町興しとしても一躍買うことができる…今の時代にピッタリなイベント形態なのではないでしょうか。
参加車両は、最新型のクルマと比較すれば決して静かとは言いがたいクルマたち。それでも同乗会で街中を走行している最中は、沿道に老若男女たくさんの人が集まって歓喜の声をあげておりました!
みんながクルマで笑顔になっている光景を目の当たりにすると、筆者まで嬉しくなってしまうもの。
会場全体としては天満宮も含めて4か所ですが、JR国立駅から一部会場へは無料シャトルバス『銀河鉄道』(日野RC700)での行き来も可能。健脚ならば徒歩でも歩ける範囲ではありますが、あえてレトロバスに乗ってみるというのも面白いかもしれません(これまた撮影失敗したので掲載ならず…)。
大盛況に終わった『谷保天満宮旧車祭』、ぜひとも来年の開催にも期待したいです!
鉄道およびマイカー、どちらでもアクセスしやすい立地なので、パワースポット巡りとして、カーライフ発祥の地・谷保天満宮を訪れてみるのもオススメですよ。
(ちなみに現在は「やほ」と発音される谷保ですが、もともとは「やぼ」と呼ばれていたらしく、谷保天満宮も「やぼてんまんぐう」が正式名称。なんでも、JR谷保駅が設立された際、よみがなを「やほ」にしてからすっかりそちらが定着したようです)
[ライター・カメラ/細谷 明日葉]