ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
おもちゃを選ぶのも迷う季節ですが…ドイツのクリスマスは「クリスマスマーケット」が人気
中込 健太郎
(編集部追記:当記事は過去配信した記事の改定版です)
ドイツのクリスマスでは「クリスマスマーケット」というのが人気
ドイツのクリスマスでは「クリスマスマーケット」というのが人気なようです。各地方で開催されており出店が並び、賑わいドイツ人はみな、このクリスマスマーケットをとても楽しみにしているようです。日本でも年末になると酉の市など風物詩的な縁起物を買うお祭りのような市場もありますし、お正月に向けて上野のアメ横はじめ、市場は大賑わいしますね。ああいった感じかもしれません。
クリスマスマーケットでは「グリューヴァイン」を飲まねばなりません。赤ワインにシナモンなどを入れて温めて飲むホットワインです。ドイツの冬はとても寒いのでぴったりな飲み物ではないでしょうか。写真のようなかわいいカップに入っていて、カップは持って帰れます。お店にカップを戻すと、カップ代が返金されるそうです。こんなところも一年を締めくくるイベントでもあるクリスマスらしい仕組み、ついつい集めてしまう人なども多いのではないでしょうか?
クリスマスツリーはもちろん「もみの木」
またクリスマスといえばクリスマスツリーは外せませんね。あちらドイツには「もみの木」は公園や、いろいろなところにたくさんある極めて身近な木だそうです。そのままクリスマスツリーになりそうですね。
そういえば、東京に「代々木」という地名があります。明治神宮も近い一帯ですがあの「代々木」とはもみの木だそうです。今の明治神宮はもともと井伊家の屋敷でそこに大きなもみの大木があったことから、一帯を代々木と呼ぶようになったという説が、由来の中にあるそうですよ。あのあたりといえば表参道のイルミネーションが有名ですし、明治神宮といえば初詣のイメージがありますが、そんなことよりも、「クリスマスにこそ明治神宮の杜」へ出かけ、その木々の息吹に耳を澄ますべきなのかもしれませんね。
ドイツのおもちゃ屋さん、おもちゃ売り場の様子とは
そしてクリスマスプレゼントといえば、おもちゃですね。ドイツからもこの時期のおもちゃ屋さんの様子が届きました。今でもおもちゃ屋さん、おもちゃ売り場に行くとついつい見入ってしまいます。可愛らしいフォルム、色。また何をモチーフにした商品か、などに思いを巡らせていると、昔とはまた別の感覚でおもちゃの楽しさ、奥深かさを感じます。お国が変われば同じような商品でも色使い、素材などもわれわれの慣れ親しんだものとは違うもの。子供向けの商品ではあるのですが、おもちゃというのも侮れないものを感じるのです。これからのシーズンを楽しみにしているのは子供も大人といっしょ。クリスマス、お正月、プレゼントに貰うもの、お年玉を握り締め、買いに行きたい欲しいもの。限られたお金で何を買うかは、子供たちにとっては大問題ではないでしょうか。
思えば、普段からおもちゃ屋さんをチェックしておいて、欲しいものを把握しておくことも大事だ、と「最新情報」の重要性を初めて実感したのは、この時期のおもちゃ屋さんの品揃えだったようにも思うほどです。(新製品も出ますし、古い情報で楽しみにしていて買いに行ったら、もっと新しいものが出ていたことや、新しいものに飛びついたら「ブレずに初志を貫くべきだった」と後悔したことも。おもちゃ屋さんはそんな「選択」や「後悔」といった人生の教訓を教えてくれたりもしたものです。)
色合いがユニークですね。国民性や気質、おもちゃって出るような気がしてなりません。大人が幼い子供たちのためにつくり、おもちゃ屋さんに並んでいるものを買ってくると、それで遊んで子供たちは成長します。箱のデザインからして、親御さん、子供たちのためにプレゼントする大人の共感を得られるデザインであることは重要だし、そうして与えられたおもちゃは、短くない時間、子供の成長とともに過ごす事になるのですから、色、形、材質・肌触り、いでたち、表情、音、五感に作用する全てのものは、子供たちの人間形成において果たす役割はかなり大きいと思うのです。
最近ではおもちゃ売り場での主流はテレビゲームやコンピュータゲームでしょうが、しかし、こうしたおもちゃは、それらに取って代わってしまうもの、ではないように思うのです。こんなのを見ていたらまたおもちゃ屋さんに行きたくなってしまいました。おもちゃ屋さんをウロウロしていると買いたくなってしまい、ついつい買ってしまって「これは甥と姪へのプレゼント!」と後から理由づけすることもしばしば。
もうすぐクリスマス。仕方ないですね、また選ぶのに迷う季節が来たようです。ドイツのクリスマスでも、こんな悩みを抱えた大人がたくさんいることを、ついつい期待してしまいました。
寒くなってまいります。それこそグリューヴァインでも飲みながら、晩秋を楽しみながら、健やかにお過ごしくださいませ。
[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]