ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
ヴィースマンは、ドイツの町で誕生したスポーツカーメーカー
中込 健太郎
かつて会社に勤めていたころ、社の内外でもクルマ好きで通っていた筆者のもとには、しばしばクルマの写真や、いろんな情報を送ってきては「中込さん、このクルマなんだっけ?」とメッセージが来たものでした。社の内外の至る所から(笑)あるとき、しばしば通っていたバーのご常連の方からだったと思いますが、ヴィースマンの写真が送られてきたことがあって、いつものように「このクルマなんて言うんですか」と聞かれたので、「それはヴィースマンです」とほどなくしてメッセージをお返ししたので「何でも知ってるんですね」とか言われたのを思い出した次第です。
ヴィースマンは1988年にデュレムというドイツの町で、2人のヴィースマン兄弟が設立したスポーツカーメーカーです。エンツォ・フェラーリなどにもかなり触発されたとのこと。そんなヴィースマンの写真がドイツから送られてきました。
とはいえどこかクラシックなフォルム。そのボンネットに収まるのはBMWのエンジンです。一見するとちょっとモーガンの様。すなわちどことなく英国車の香りがするのに、BMWのエンジンが、となると、それだけでれっきとしたドイツ車の雰囲気。そんな風になりますから不思議なものですね。切り株に腰を下ろし大きく深呼吸。このクルマにはそんな雰囲気があります。
ネジをはじめ、小さなパーツ一つ一つからハンドメイドされ、細部にまでこだわりのクラフトマンシップは宿ります。量産に執着することなくこういうこだわりに根強いファンもいるようですね。ボンネットに輝くエンブレムはゲコー(やもり)だそうです。壁にはりついてよじ登る守り神の様を、ヴィースマンが路面にはりついて走るイメージに重ねているのだとか。
何にも似ていない価値。今こそ市場に求められる価値なのかもしれませんね。しかしながら残念ながらヴィースマン、メーカーとしての稼働はすでに幕を下ろし、2014年に会社の清算を完了してしまっているのだとか。結局20年少々の歴史だったことになりますね。後の祭りではあるのですが、このはかないブランドの命にも何か惹かれるものを感じます。時々カレントライフでも紹介する筆者のあこがれのブランド、フランスの「ファセル・ヴェガ」にも通じる一瞬のきらめきのようなものを感じずにはいられませんね。
日本にもそれほど多くはないようですが、生息している模様。ご縁があったら、お目にかかりたい。そんな密かな名車といってもいいでしょうね。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ現地スタッフ]
ヴィースマンは1988年にデュレムというドイツの町で、2人のヴィースマン兄弟が設立したスポーツカーメーカーです。エンツォ・フェラーリなどにもかなり触発されたとのこと。そんなヴィースマンの写真がドイツから送られてきました。
とはいえどこかクラシックなフォルム。そのボンネットに収まるのはBMWのエンジンです。一見するとちょっとモーガンの様。すなわちどことなく英国車の香りがするのに、BMWのエンジンが、となると、それだけでれっきとしたドイツ車の雰囲気。そんな風になりますから不思議なものですね。切り株に腰を下ろし大きく深呼吸。このクルマにはそんな雰囲気があります。
ネジをはじめ、小さなパーツ一つ一つからハンドメイドされ、細部にまでこだわりのクラフトマンシップは宿ります。量産に執着することなくこういうこだわりに根強いファンもいるようですね。ボンネットに輝くエンブレムはゲコー(やもり)だそうです。壁にはりついてよじ登る守り神の様を、ヴィースマンが路面にはりついて走るイメージに重ねているのだとか。
何にも似ていない価値。今こそ市場に求められる価値なのかもしれませんね。しかしながら残念ながらヴィースマン、メーカーとしての稼働はすでに幕を下ろし、2014年に会社の清算を完了してしまっているのだとか。結局20年少々の歴史だったことになりますね。後の祭りではあるのですが、このはかないブランドの命にも何か惹かれるものを感じます。時々カレントライフでも紹介する筆者のあこがれのブランド、フランスの「ファセル・ヴェガ」にも通じる一瞬のきらめきのようなものを感じずにはいられませんね。
日本にもそれほど多くはないようですが、生息している模様。ご縁があったら、お目にかかりたい。そんな密かな名車といってもいいでしょうね。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ現地スタッフ]