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更新2020.08.24

バブル期のクルマたちはどこへ行った?求められた「人とは違うクルマ」

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松村 透

早いもので、バブルというひとつの時代が終わってから四半世紀を迎えました。筆者の先輩は学校を卒業するなり、アルバイトで貯めたお金をすべてつぎ込みつつ、60回ローンを組んで中古のスカイラインGT-R(R32)を購入していました。一番安いグレードとはいえ、新車のユーノス・ロードスター(NA)を購入した先輩もいました。

当時、発売されたばかりのNSXや初代セルシオは、納車まで2年待ち。さすがにそこまで待ちきれない方がプレミア価格を支払い、左ハンドルの逆輸入車を手に入れていたりしました(最近はというと、ある国産車のディーラー認定中古車店の店長さんと雑談したとき「いまどき60回ローン組んででも買うなんて若い子は皆無。通勤で使うから仕方なく買うくらいだよ」と仰っていました)。

輸入車でも、人気のある車種は正規輸入車の新車価格を大幅に上回る相場で取引されていました。例えばフェラーリ テスタロッサは、新車価格のほぼ倍にあたる5,000万円。限定モデルのF40にいたっては、4倍以上となる2億円を超える価格で取引されていたことは記憶にある方も多いはずです。さらに、新車で納車されても、初回点検までに転売してしまうことが珍しくない…そんな時代でした。クルマはステータスシンボルだったのです。



もはや、普通のクルマでは飽き足らない、他の人より目立ちたい…。そんな方が求めたのは「人とは違うクルマ」でした。高級で、希少価値があって、絶大なインパクトさを誇る外観…。ごく少数ながら、海外のチューニングメーカーにより製作されたコンプリートカーが、日本の(主に繁華街?)を駆け抜けていきました。

そのなかで、気になるメーカーをいくつかピックアップしてみました。

▲KOEING(ケーニッヒ)

▲ABC Exclusive(ABCエクスクルーシブ)

▲CARAT(キャラット)

▲ABT(アプト)

▲AC SCHNITZER(シュニッツァー)

▲HARTGE(ハルトゲ)

▲ARDEN(アーデン)

▲STROSEK(シュトロゼック)

▲GEMBALLA(ゲンバラ)

当時から気になっていたコンプリートカーが、記憶の片隅からふっとよみがえる…そんな一助になれば幸いです。

バブルが崩壊以降、最近は、あれほど街を賑わしていたこの種のクルマたちを見かける機会が少なくなりました。しかし、熱狂的なユーザーが大切に動態保存しているようで、イベントやオフ会などでその姿を見かけることがあります。きっと、オーナーさんたちにとっては一生つきあえるの宝物ですね。

[ライター/江上透]

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