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更新2020.08.22

水冷ポルシェ各モデルの価格も値上がり?高値になる理由をプロに聞く

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松村 透

カレントライフでも、たびたび空冷ポルシェ911の価格高騰に関連する記事をお伝えしてきました。先日は、スカイラインGT-R(R32)等の価格高騰を伝える記事が、Yahoo!Japanのトップページにあるニュース枠で紹介されていました。おそらく、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

翻って、空冷ポルシェ911高騰に関連する情報は増えてきたけれど、同時期に発売されていた当時の水冷ポルシェ(および914)はどうなのだろう…。そんな疑問を抱くようになりました。そこで今回も、日々、輸入車の相場をチェックしているカレント自動車のA氏に水冷ポルシェ各モデル(および914)の状況を伺ってみました。

ポルシェ914:250万〜ASK。国内は意外と売り物がある?


 



改造されたり、ギリギリのところで維持された個体が多く、同年代の911と比べてもコンディションの良い個体はかなり少ない模様。売りに出ているモデルもASKが大半です。需要があるか?と聞かれると正直微妙なところです。914マニアの方同士でクルマが回っているのかもしれません。6気筒エンジンを搭載した914/6は海外のオークションにも出品されており、コレクターズアイテムの域に達しています。
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ポルシェ924:売り物件皆無。動きが静かないまが狙い目な水冷ポルシェ?


わずかですが、オークションなどでも流通はしています。しかし、現時点(2016年2月末現在)では国内外ともに需要はあまりないようです。若いときにポルシェ924憧れていて、いまは少し余裕ができた。でも、もう売り物がないともう諦めかけていた…そんな方にとっては朗報かもしれません。時間を掛けてじっくり探していただき、大切に乗られてきた個体と巡り会ってください。

ポルシェ944:150万〜350万前後。最終/限定モデルに人気が集中な水冷ポルシェ


当時ポルシェに憧れ、944からスタートした方も多かったようです。全体的に水冷ポルシェは、同世代の911よりも現存する個体が少なく、914と同様に、程度の良い個体を海外勢がオークションで落札。そのまま国外へ流しているようです。店頭に並ぶ前に、海外勢が「横からかっさらっていく」ような感じです。特に、最終モデルにあたる944 S2やターボ、限定モデルのターボSを狙っている方は、気になる個体があったら早めに動いてください。個人の方では限界があると思うので、水冷ポルシェを取り扱ったことがある専門店に相談するのもお勧めです。
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ポルシェ928:100万〜ASK。意外にもMT車が人気。ただし超レアな水冷ポルシェ


水冷ポルシェの代表モデルである928の個体数も激減しています。当時からAT車の比率が高く、MT車の方が高値です。また、最終モデルのGTSや、S4の最上級モデルにあたるエクスクルーシブモデルも人気が高いようです。走行距離が少ない個体が多く、歴代のオーナーが大切に扱い、さらに車検制度のお陰である程度のコンディションが維持されている日本市場の928は、海外勢にとって狙い目のようなのです。

ポルシェ968:売り物件皆無?968CS(クラブスポーツ)に人気が集中な水冷ポルシェ


空冷911に近い需要といえる水冷ポルシェが968です。人気なのは、当時もっとも安く購入できた「968CS(クラブスポーツ)」。右ハンドル+ティプトロニックの968よりも倍近い相場になることもあります。オリジナルのカップホイールやレカロ製バケットシートの状態が良く、交換されることなくそのまま装着されている個体ほど海外に流れていってしまっている現状です。944も同様ですが、カブリオレモデルはほとんど見掛けなくなりました。日本におけるボクスター登場以前の水冷ポルシェのオープンモデルは数が少ないだけに、もはや絶滅危惧種といえるでしょう。
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空冷ポルシェの多くは里帰りしてしまうのか


ドイツ・ツッフェンハウゼンから、遠く離れた極東の日本にやってきた水冷ポルシェたち(914は空冷ですね)。その個体の何割かが、里帰りまたは新天地へと旅立っている現状が浮き彫りになりつつあります。海外の方に「日本の水冷ポルシェは程度がいいみたいだぜ」という認識を持ってもらえることは喜ばしいのですが、その数が減りつつあることには複雑な思いです。それでも、人里離れた草むらやスクラップ工場の片隅で土に還ろうとしている水冷ポルシェたちよりは幸せなのかもしれません。

そして、A氏曰く「今回の水冷ポルシェ924/928/944/968(および914)は、911ほど状態に左右されず一定の金額がつけられる」そうです。その安定感や根強い人気も、ポルシェならでは…なのかもしれません。

[ライター/江上透]

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