更新2022.10.30
隼のエンジンの咆哮轟く!ハンドメイドの6輪F1タイレルP34取材レポート
松村 透
8月下旬に1976年仕様にペイントされたカウルを身に纏ったタイレルP34を取材してからおよそ1ヶ月半後。
前回は静止した状態でのお披露目でしたが、今回はエンジンを掛けてサーキットを走らせるとのことで、再びオートランドテクノ(茨城県石岡市)のサーキットまで行ってきました。
■オートランドテクノでの実走行を取材!
テストラン当日は雨の予報。
さすがにレインコンディションでの走行は厳しい・・・とのことでしたが、何と現地は曇り!
聞けば綿引さん曰く「晴れ男」なんだとか。
道中では雨に降られたようで、タイレルP34のボディには水滴が…。
サーキット走行時に雨に降られなくてよかったです。
実は、撮影終了後、数時間ののちには雨が降り出し、まさに晴れ男の面目躍如といったところです。
積載車からタイレルP34を地上に降ろし、しずしずとピットロードまで移動。
ここでレーシングスーツに身を包んだ綿引さんがコクピットに乗り込みエンジンスタート!
しかし、どこかエンジンの吹き上がりが今ひとつ。
いったんピットインして各部の様子を観つつ、周回を重ねて行くことに。
トータルで1時間ほどコースを周回した結果、動力を駆動させるチェーンが走行距離を重ねるにつれて暴れてしまうことが判明。
また、バキュームホース(負圧ホース)の配線の接続がうまくいっていない可能性もあるようです。
今回のテストランで不具合箇所を洗い出し、妙高ヒルクライムに備えるのです。
このときの動画がこちらです。
■Handmade F-1 in Japan Tyrrell P34 with 1976 Japanese GP Model
https://www.youtube.com/watch?v=6r5s_f7jQMY
■妙高ヒルクライムにエントリー
去る10月15日・16日に新潟県妙高市で開催された「妙高ヒルクライム」にタイレルP34を持ち込み、コースとなった一般道へ放たれたマシン。
しかし、エンジンが吹き上がらない…。
点火コイルのひとつに不具合が見つかり、1気筒火花が出ていない(つまり3気筒で)走っていたことが判明。
このイベントに隼のエンジンを積んだフォーミュラーカーでエントリーしていた(有)上条自動車商会のスタッフの方たちが、点火コイルの予備部品を譲ってくださったり、タイレルP34のトラブルシューティングのサポートを名乗り出てくれたのです。
綿引さんや(有)上条自動車商会の皆さんと検証した結果、自作の燃料タンクに網状のフィルターを装着していなかったため、インジェクターに金属粉が混入していたことが判明。除去することでエンジンが復活!無事、イベント初日の無事フリー走行に間に合ったのです!
そして2日目のタイムアタック。
あわせて6つのレグ(A地点からB地点までの区切られたタイムを競う競技)でタイムアタックを行い、それぞれのタイムの合計で順位を競い、順位が決まります。
綿引氏のタイレルP34は「クラスC(全12台)」にエントリー。
ギャラリーを魅了する走りを見せるタイレルP34。しかし、先日のテストランよりも高負荷の走行を行ったことでマシントラブルが発生したのです。しかも走行中に複数のマシントラブルが発生!
果たして無事に完走できたのか?
タイレルP34の圧巻の走り、そしてはトラブルシューティングについてはぜひこちらのYouTubeにアップロードされた動画をご覧ください!!
●フリー走行(妙高ヒルクライム1日目)
[Chapter-1] Tyrrell P34 FLAT-OUT on Japanese Public Road | TOUGE BATTLE
https://www.youtube.com/watch?v=4RRZZfAQ7qA
●タイムアタック(妙高ヒルクライム2日目)
Over 200km/h On Public Road in Japan | F1 Tyrrell P34
https://www.youtube.com/watch?v=V1blVF4SKIY
●妙高ヒルクライム2022タイレル≪Leg5.Leg6≫4K画質!
https://www.youtube.com/watch?v=zzAKL9zzkpU
●妙高ヒルクライムフロントサス動き確認動画!
https://www.youtube.com/watch?v=4oYrq-ubobE
●妙高ヒルクライムLeg1~2~3~4チェーンテンショナーの動き!
https://www.youtube.com/watch?v=SIRFCIVBusk
■改めて「手作りで造られたタイレルP34」であることを誇りたい
メディアとして周知していかなければ・・・と思うのは、このタイレルP34が「手作りのフォーミュラカー」であるということです。
カウルが塗装される前の状態、つまりアルミ地がむき出しの頃までは手作りのマシンだということがひと目で分かる状態でした。
しかし、カウルが塗装され、エンジンに火が入り…マシンに魂が吹き込まれた瞬間から、当時のタイレルP34が動体保存のフォーミュラカーのように錯覚してしまうのです。
取材で何度も現車を観ている筆者ですらそう思うほどの完成度ですから、初見の方が手作りだとすぐに信じられないのも無理はありません。
そのあたりも啓蒙活動も大切なミッションのひとつであると心に留めて、これからもこのタイレルP34を追い続けたいと思っています。
■ハンドメイドによる「アルミのイオタ」の生みの親が「6輪F1マシン製作」に掛ける想いとは 記事一覧
●ついに76年日本GP仕様が完成!ハンドメイドの6輪F1タイレルP34取材レポート
https://www.gaisha-oh.com/soken/watahiki-tyrrell-p34-ep6/
●百貨店に6輪F1タイレルP34など懐かしいクルマを展示!【リアルヴィンテージカー&ミニカー雑貨フェア】イベントレポート
https://www.gaisha-oh.com/soken/watahiki-tyrrell-p34-ep5/
●ハンドメイドによる「アルミのイオタ」の生みの親が「6輪F1マシン・タイレルP34」を公開!
https://www.gaisha-oh.com/soken/watahiki-tyrrell-p34-ep4/
●ハンドメイドによる「アルミのイオタ」の生みの親が「6輪F1マシン製作」に掛ける想いとは[vol.3]
https://www.gaisha-oh.com/soken/watahiki-tyrrell-p34-ep-3/
●ハンドメイドによる「アルミのイオタ」の生みの親が「6輪F1マシン製作」に掛ける想いとは[vol.2]
https://www.gaisha-oh.com/soken/watahiki-tyrrell-p34-ep2/
●ハンドメイドによる「アルミのイオタ」の生みの親が「6輪F1マシン製作」に掛ける想いとは
https://www.gaisha-oh.com/soken/watahiki-tyrrell-p34-ep1/
■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報
住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2
TEL:TEL/FAX 029-243-0133
URL:http://cbr-watahiki.com
お問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html
●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki"
※「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されています
https://www.youtube.com/user/cbrwatahiki/featured
※YouTubeで動画を配信している「ぺーさんxyz」さんがイオタの製作過程を詳細にまとめた動画。手作業で造られていったことが分かる構成となっています。
[10月30日追記]
●板金職人の技炸裂!アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=hvAf5PfcSJg&t=8s
アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【後編】
https://www.youtube.com/watch?v=WidFHqbp4QA
■Special Thanks!
オートランドテクノ
●営業時間9:00~18:00(12時〜13時はお昼休み)
*ナイター営業は貸切のみとなります。
●住所:〒315-0028 茨城県石岡市半の木11210-1
●TEL/FAX:0299-23-4548
●E-Mail:autoland81@techno-as.com
●URL:http://www.techno-as.com
●Twitter:https://twitter.com/autolandtechno
●Facebookページ:https://www.facebook.com/autolandtechno/
*レンタルカートあり!
http://www.techno-as.com/charge.html
有限会社 上條自動車商会
●住所:〒390-1131 長野県松本市大字今井松本道7010
●TEL:0263-58-0026
●FAX:0263-86-6393
●E-Mail:kgs-sp@sea.plala.or.jp
●事業内容:廃車手続き、自動車解体、中古パーツ・中古タイヤ・バッテリー等の販売
●営業時間:8:30〜18:00
●定休日:日曜・祝日
●URL:https://www.kamijyou-jidousha.com
[ライター・カメラ/松村 透・画像提供 綿引雄司氏 & I氏]