更新2022.11.26
気づけば父親と同じクルマを愛車に・・・2018年式フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント TDI ハイライン
松村 透
20代のクルマ好きの方を取材すると、クルマが好きになったきっかけを伺うと「頭文字D」や「グランツーリスモ」、映画「ワイルド・スピード」が『3大原点』であることが多い印象です。
しかし最近は「父親の影響で」という回答も増えてきました。
その結果、1つ追加され『4大原点』にアップデートされつつあります。「父親の影響で」・・・は、良い傾向ですよね。
今回のオーナーさんも、お父さんの存在が原体験となっているようです。
── オーナー紹介&どんな仕事をされているのですか?
▲オーナーのRINさん(27才)と、愛車である2018年式フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント TDI ハイライン
自動車業界で仕事をしています。
── クルマが好きになったきっかけを教えてください
▲ゴルフ ヴァリアントよりも1まわり以上大きく見えるパサート ヴァリアント。サイドから観た伸びやかなフォルムが美しい
当時、祖父がクラウン ロイヤルサルーンに乗っていて、親もクルマが好きだったので、小さいころから家に絵本やミニカーがありました。
私も、小さな頃からずっとクルマ好きです。両親曰く、初めて話した言葉が「クラウン」だそうです(笑)。
幼少期にもまわりにクルマ好きの友人はいましたが、グランツーリスモや頭文字D、ワイルド・スピードなどの影響を受けた子が多く、スカイライン GT-Rやランサーエボリューションなどのモデルが人気でした。
グランツーリスモで思い出したんですが、ゲームにも登場するアストンマーティンDB7の絵を描いたことを覚えています。
▲メーターまわりはアクティブインフォディスプレイを採用。最高速度は260km/hまで目盛られる
私はというと・・・どちらかというと輸入車が好きで、ベントレーとかメルセデス・ベンツSクラス(W220)などに興味がありました。
当時、日本橋三越の車寄せにロールスロイス シルバースパーのリムジンや、センチュリーやセドリックのハイヤーなど、高級車が何台も停まってたんですね。その光景がカッコ良く映ったんです。
国産車でいうとセンチュリーが好きです。父が池袋にあったアムラックス東京とか、お台場のMEGA WEBに連れて行ってくれたんです。
間近でセンチュリーが観られる機会なんてあまりないですから、そこで魅力を知りましたね。センチュリーの魅力を知ったのも、この施設があったからこそだと思います。
── RINさんはセダンがお好きなんですね
▲愛車だけでなく、身につけるものもさりげなくお洒落で上質なものをセレクト。Paul Smithのクラッチバッグにはクラシックミニが
個人的にもっとも好きなのは輸入車のセダンです。メルセデスのAMGや、アウディのRSといったスポーツ系よりも、フォーマルなセダンがスイートスポットです。
── もしや、お父さまが読んでいた雑誌も輸入車がメインですか?
▲ウッドパネルとナッパレザーシート、メッキパーツで加飾された内装が、ゴルフよりも上級モデルであることをさりげなくアピール
当時、父はル・ボランは当時読んでいましたね。あとはウィズマンやFロードも家にありました。私もジャーマンカーズ買ってもらいましたし。いまでも実家に帰ったら父とクルマ談義をしています。
── RINさんのこれまでの愛車遍歴を聞かせてください
●ゴルフ5 GTI
▲RINさんにとって初の愛車である、フォルクスワーゲン ゴルフ 5GTI
●ゴルフ7 R
▲フォルクスワーゲン ゴルフ 7R。現在はお父様の愛車に
●パサート CC(父が所有していたクルマと交換)
●アウディ A8
▲アウディA8は、まさにRINさんにとってのストライクゾーン?
●BMW ミニ ジョンクーパーワークス
▲ジョンクーパーワークス仕様のBMW ミニを所有していた時期もあるとか
●ジャガーXJ
▲ジャガーXJ(X351)もRINさんにとってのストライクゾーンといえる1台
●現在のパサート ヴァリアント TDI ハイライン
▲そして現在の愛車であるフォルクスワーゲン パサート ヴァリアント TDI ハイライン
── 現在の愛車を手に入れるきっかけを聞かせてください
▲RINさんのドイツ旅行の相棒であったフォード モンデオワゴン
以前、父が1999年式フォルクスワーゲン パサート 2.8シンクロというモデルに乗っていたんです。V6 2.8Lエンジンを搭載した4MOTION(4輪駆動)のパサートでした。その後、2006年式フォルクスワーゲン パサートセダン 3. 4MOTIONを経て、パサート CC 3.6に乗り換えたんですね。
輸入車のセダン好きからすると、なんでこんな中途半端なクルマを買うんだろうと、はじめは思っていたんです。しかし、私も20代後半に差し掛かり・・・。輸入車のフォーマルなセダンを何台か乗り継いでみて、ステーションワゴンもいいかなって思うようになりました。
▲ゴルフ7 ハイラインのアルミホイールと同じ?かと思いきや、実はワンサイズ大きい18インチ仕様
それと、大学生のときにアウトシュタットでベルリンからフォルクスブルグまでアウトバーンを使って走ったことがあったんです。当時、私が所有しているB8型のパサートがばかり。日本でいうと、あちこちでプリウスを見掛けるのと同じ感覚です。あの光景が忘れられなくて・・・。
現地ではディーゼルのパサートがたくさん走っているけれど、当時、日本市場はガソリン車のみ。ドイツで見たパサートのリアエンブレムにあった「2.0TDI」のエンブレムが記憶に残ったんです。日本にも正規導入されたら手に入れようと思っていました。
── 手に入れるまでどれくらい掛かりましたか?
▲メーカーオプションであるスライディング・ルーフ。広大な開口部により、圧倒的な開放感が魅力ながら、装着車両はわずか・・・
それまで所有していたジャガーXJを手放してから2週間後に見つけました。実はレアな組み合わせの個体なので、見つかったのは本当に幸運だったと思います。
まずB8型のパサート ヴァリアントであること、TDIであること、グレードはハイライン、オプション装備のサンルーフ付きだったら理想的というところまで条件を決めたんです。
ただ、こんな仕様はなかなか出てこないだろうと予想できたので、自分にとってのストライクゾーンであるフォーマルなセダンのなかでアウディ A8ロング W12、ロールスロイス シルバースパー(後期モデル)も候補に挙げていました。
▲広大なラゲッジスペースはヴァリアントモデルならでは。イージークローズ機能も標準装備
妻がフォルクスワーゲン ポロに乗っているので、ロールスを手に入れたとしても、これがあるから普段の足は何とかなるという目論みはありました。ただ、いざというときに妻がロールスを運転するのはさすがに厳しいんですよね。しかし、パサートであれば、サイズ感も含めて何とかなるし、希望の仕様が早い段階で見つかったので購入を決めました。
── 手に入れて良かった点・苦労している点
●良かった点
▲上質な走りをもたらせてくれる2.0L TDIエンジン
燃費の良さですね。
街乗りで12km/L〜13km/L、高速に乗ると18km/L〜19km/Lまで伸びます。燃料満タンにして、街乗りだけでも850kmは走ってくれますよ。
あとは装備が充実しているところです。ナッパレザーシートにはシートヒーターだけでなく、シートベンチレーションも装備されています。運転席にはマッサージ機能まであるんです。
かつて所有していた、ゴルフ5GTIやゴルフ7Rのようなスポーティさとはまた異なった走りの楽しさも魅力です。先日、タイヤを交換したのですが、ミシュランパイロットスポーツ5を履かせています。
▲RINさんのこだわりで、タイヤはミシュランパイロットスポーツ5をチョイス
●苦労している点
特にないんです。ノントラブルですし。
▲実は2.0 TDIエンブレムは後付け。BLUEMOTIONエンブレムと並べてもまったく違和感なし
── 予算抜きで、欲しいクルマBEST3は何ですか?
・3位.デイムラーのDS420リムジン:クラシックカーでしたらこれですね
・2位.レンジローバー:1世代前のモデルで、オートバイオグラフィが理想です
・1位.ベントレー アルナージ
・アガリの1台:ベントレー アズール
ポルシェ911とかフェラーリF355のようなスポーツモデルも好きなんですが、欲しいクルマに順位をつけるとなると、フォーマルなセダンに惹かれますね。
── あなたにとって、愛車はどんな存在ですか?
「結果として親父の背中を追い掛けることになった存在」でしょうか。
ドイツ旅行で観たたくさんのパサートが記憶として残っていることもありますが、父がパサートを所有していた影響は大きいと思います。
小さなことかもしれないけれど、ドイツで観たあのパサート ヴァリアントを手に入れたわけですし、自分の夢の実現ができたかなって。
── 取材後記
原体験の大切さと重要さを改めて認識した今回のオーナーインタビュー。
お父さんが所有するクルマ、読んでいた自動車雑誌、買ってもらったミニカーが、お子さんのカーライフに色濃く影響するようです。
RINさんがお父さんになったら、お子さんにどのような英才教育を施すのでしょうか。
そのうち、親子三代でツーリングなんて日が現実となるかもしれません。
── オーナープロフィール
・お名前:RINさん
・ご年齢:27才
・ご職業:会社員
・現在の愛車:2018年式フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント TDI ハイライン
[ライター・撮影/松村透]