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更新2023.11.25

「続・悪口が似合わない」日本で愛され続ける輸入車 VWゴルフ&フィアット500

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柴太郎

極端にいえば「日本人、みんな大好き!」。そういう感覚で「悪口・酷評が似合わない」輸入車がある。VWゴルフとフィアット500だ。俳優・浜辺美波は美しい! いや、そうでもないでしょ……という感じで「とらえ方」は人によりさまざまだが、筆者はVWゴルフとフィアット500は悪口が似合わないクルマだと思う。


細部を見れば「ここがイマイチ」という部分はあるが、日本の生活に見事に浸透したゴルフの歴代モデルたち。同じ型が16年間も日本で一定数売れ続ける現行フィアット500(3代目)。「いいクルマだ」。そんな言葉が似合う2台だと思う。



「日本で愛され続ける輸入車」シリーズの2回目は、VWゴルフの歴代モデルをメインに何世代か取り上げ、3代目フィアット500は「その特有感」を紹介。


「なぜ日本で愛されるのか」「悪口が似合わない理由」を探っていくことにしよう。


■メルセデス・ベンツやBMWにはない「親しみを感じるドイツ車」。それが心に刺さった!


▲初代のスタイルとパッケージングが息づく3代目ゴルフ


「この走り、3気筒、1Lターボとは思えないッ!」。筆者が思わず声に出したのは、現行8代目ゴルフに乗ったとき。4気筒、1.5Lターボも用意されるが、この1Lターボでも充分走りの楽しさを味わえる(ちなみに、どちらもマイルドハイブリッドモデル)。改めて、自動車大国ドイツが生み出すエンジンの凄みを体感した次第。


そのゴルフ、VW(ドイツ語で「大衆のクルマ」)社が生み出した、大衆車のまさにど真ん中に位置づけされたモデルとして、初代モデルは1974年に誕生。デザインとパッケージングを担当したのは、かのジウジアーロ。直線の美しさが表現されているデザインは、現行8代目にも受け継がれているといえよう。


そして、横置きエンジン、FFというシステムと、見た目以上に広い室内のパッケージングが「コンパクトカーの理想形」と評され、世界中で大ヒット。上写真の3代目ゴルフ(1991年登場)にも、初代のスタイルとパッケージングはしっかりと息づいている。


全長は4020mm。初代比較で295mmも長くなったが、3代目となってもゴルフらしいコンパクトなハッチバックスタイルは健在。日本の道路事情に合うサイズ感ながら、ラゲッジスペースは意外と広い、ということもあり、バルブ期だった日本でも売れまくった。
何より、メルセデス・ベンツやBMWにはない「親しみを感じるドイツ車」という佇まい。これが我々日本人の心に刺さったといえそうだ。もちろん、輸入車としてのコスパのよさも加味して!


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■あのTTクーペと共通のプラットフォーム。高品質化に進化した4代目ゴルフ


▲ゴルフ史上初の3ナンバーサイズボディになった4代目


見た目だけでは3代目モデルと同様の雰囲気があるが、「高品質化」をテーマに中身が飛躍的に進化したのが、上写真の4代目ゴルフ(1997年)だ。


なにせプラットフォームはアウディA3やTTクーペなどと共通で、初の3ナンバーサイズボディに。全体に高張力鋼板を多用したり、ボディパネルの継ぎ目に高品質な処理を施すなど、「高い質感」を漂わせる世代だった。


パワートレーンは直4、2Lエンジンなどがラインナップされていたが、Rラインとして設定されたR32モデルが追加されたのがトピック。狭角V6、3.2L SOHCを搭載し、特有の速さは乗った者(操った者)にしかわからないもの……だったという。そんな特別感を、時として見せるのもゴルフの魅力だろう。


■飾り気のないフツーのハッチバックなのに「速い」。それもゴルフの一面だ


▲丸みのあるヘッドライトでやわらかい雰囲気になった5代目


2004年登場の5代目は、直線のなかにも丸みを感じられるスタイルとなった。ほら、上写真のとおり。その印象は、ヘッドライトやリアコンビランプの丸みのあるデザインからくるものだろう。


どこか柔らかい雰囲気になり、女性にも人気のモデルとなった。この世代のあたりですでに、コスパを含めて「悪い部分が見当たらない」「ゴルフなら間違いないね!」と安定した人気を獲得した輸入車となっていた。


それもそのはず、4代目から居住性が改善され、ボディ剛性もアップ。さらに全車に直噴エンジンが搭載され、燃費が向上。こうなると、「酷評という言葉がまったく似合いませんね~」と笑うしかない。


加えて、モデルライフ半ばの頃、ATがより効率化となるデュアルクラッチトランスミッション(DSG)となり、エンジンもダウンサイジングターボを採用するモデルも登場。これがクルマ好きの心をつかんだ。直4、1.4Lターボで最高出力170psを発揮したほどだから、ザワつくはずである。


飾り気のないフツーのコンパクトハッチバックなのに「速い!」。そんなインパクトをサラリと与えるのも、ゴルフというクルマの成せるワザといったところ。


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■実用的な5ドアでサイズ感も手頃、走りもいい。それが「ゴルフ」だ!


 


▲2ペダルでも走りを楽しめる! こちらは6代目GTI 3ドアモデル


スタイル的に先代の正常進化となった6代目(2009年登場)。中身の大きな変化として、日本仕様はすべてのグレードでトランスミッションがDSGに統一されたこと。ゴルフ史上初めてMTモデルが日本導入されなかったことは、クルマ好きにとってはひとつの「事件」だったといえる。


しかし、ゴルフには歴代からの系譜で、ホットハッチ仕様のGTIがある。筆者の知り合いで、この2009年頃に国産スポーツモデル(MT)から6代目ゴルフGTIに乗り換えた人がいる。その理由は「家族に子どもが加わったので、室内がある程度広くて走りが楽しいクルマにしよう、と。それでいて奥さんも運転したいので手頃サイズで、2ペダル仕様を探していたら……ゴルフGTIがピッタリなんだよ」と。


そう、GTIが代表格だが、MTでなくても走りにも満足がいく。それもゴルフの魅力の一面といえそうだ。こんなクルマに、やはり悪口は似合わないですね! ちなみに上写真は6代目GTIの3ドアハッチバックモデル。こちらも格好いい~。


■輸入車初の日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞! 日本になくてはならない存在となったゴルフ


 


▲走行性能がひとつ上のステージへ昇った7代目。こちらはGTI 5ドアモデル


そして7代目は2013年の登場(下写真)。輸入車初の日本カー・オブ・ザ・イヤーの「イヤーカー」を受賞したのが最大のトピックだ。


▲輸入車初となる日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したゴルフ7


先代までのプラットフォームを一新し、モジュールプラットフォームを採用したことで車体骨格に深みが加わり、上質化。走行性能や安全性がひとつ上のステージへ昇った仕立てに変貌した感覚。日本カー・オブ・ザ・イヤーの「イヤーカー」受賞も納得といったこのモデルは、日本市場でも変わらず安定して売れた。


それでいて全長が4265mm。3代目比較ではプラス245mm と着実にサイズアップしているが、日常使いにちょうどいいサイズ感。積む・乗る・走るのにもちょうどよく、コストパフォーマンスも悪くないハッチバックなのだ!


VWゴルフは我々日本人が親しみをもって使える輸入車だ。こんなドイツ車、ほかにないですよね……!


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■日本で愛され続け、可愛がられている……といえばこのクルマ。フィアット500、3代目モデル


▲2代目のDNAが注入されつつ32年ぶりに登場した3代目フィアット500


ここからはもう1台、「日本で愛され続ける輸入車」に登場いただこう。3代目フィアット500だ。


初代BMW MINIとNEWビートル。伝統ある先代モデルのクルマの雰囲気や佇まいを壊すことなく、時代に合ったものに進化したクルマの代表格といえるだろう。


そして、2007年登場の3代目フィアット500。このモデルもそれらと同様に、伝統の500(チンクエチェント)の血流を受け継ぎ、2007年当時の空気感に見合って誕生した「レトロスタイル」の1台である。


2代目フィアット500(1957年誕生。日本ではルパン三世の愛車としておなじみ!)の発売から50周年を迎えた年に登場した3代目モデル。


2代目モデルの発売最終年から実に32年経過しての誕生だっただけに、そのときの衝撃は今でも忘れない。「伝統を活かした新たな風とはこういうことなのだろう」と。生まれたばかりの赤ちゃんが、気がつけば32歳の青年になっている衝撃とほぼ同じことである(←少し例えが違いますかね……)。


そして、2007年の登場から16年経った今でも販売され、定番的な人気モデルとなっている。「愛され続けている」ことの証といえよう。


■超コンパクトサイズで丸いデザイン。女性ドライバーに人気なのも納得!


▲日本車コンパクトカーでは見ないカブリオレモデルも!


2代目フィアット500の雰囲気や佇まいを壊すことなく……と前項で述べたが、もちろんサイズ感やデザインは一新された3代目フィアット500。2代目より全長が575mm伸びたという事実だけで、サイズ感がかなり大きくなったことがわかる(3代目の全長は3545mm)。


全体に丸みを帯びたハッチバックスタイルは2代目の流れを汲み、丸目のヘッドライトも2代目のそれを踏襲。日本車コンパクトですらどんどん大きくなっていく現代。全長3545×全幅1625mmという小さなサイズ感と独特の丸いデザインが、「特有の存在」を築き上げたといっていい。女性ドライバーに人気なのも納得といったところ。


さらに、インパネデザインやメーターまわりの雰囲気も2代目を彷彿させるものに仕上げている。「古き良き」を今風に活かすスタイルは欧州車の得意分野。「うまいね~」とため息をつくしかない。


プラットフォームをはじめとするメカニズム部分は、フォード提携後に開発されたので2代目とは別もの。乗り心地に進化を感じ、しっかり感が伝わる構造となっている。


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■日本で16年間もずっと売られ続けているクルマに「悪口」は似合わない


▲アバルト595、軽めの車重だけに速さは格別!


エンジンは直4、1.2Lを軸に1.3Lディーゼルターボなどもラインナップされていたが、2011年に追加された新開発の直2、0.9Lターボ「ツインエア」は、誰もが「楽しい~。音がいいね!」と口を揃えるパワートレーン。筆者も、実燃費がいいダウンサイジングターボの実力を、運転席から感じたことを記憶する。


見た目もいいが、走らせても「いいね!」と思わせる部分。やはり「悪口が似合わない」モデルである。


さらに「いいね!」という思いは、超コンパクトなのにカブリオレ、500Cがあること! 超コンパクトなのにカブリオレ。今の日本車では考えられない仕様だ(昔はデミオ・キャンバストップなどありましたね!)。


そして、「あら? キャラ変したの?」と思ってしまう、アバルト500という熱く過激なモデルまでも誕生。直4、1.4Lターボ搭載で最高出力は135ps。今ではよりパワフルな「695」シリーズもあるが、「小粒でピリリと速い!」アバルト500の投入はクルマ好きをワクワクさせたものだった。


そうそう。その「695」シリーズにはマセラティやフェラーリとのコラボモデルもあったし、ボディカラーをピンクにした「500 PINK!」など特別仕様車が次々と投入されるのも、3代目フィアット500の特色。常に飽きさせない仕掛けがある、という感覚だ。


最後にもう一度。16年間も売られ続けているクルマに「悪口なんて似合いません」よね!


[ライター・柴太郎/画像・VolksWagen,Fiat]


 


 


 


 

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