更新2021.07.04
絵描き屋の独り言「カーイラスト旅日記」vol.8:THE銀座RUN2021
きもだこよし
去る6月6日、東京プリンスホテルの駐車場には朝早くからクラシックカーが集結していました。その理由は、ひと月遅れのパレードランイベント「THE銀座RUN2021春」のスタートを待つ車両とそのオーナーが勢ぞろいしていたことによります。8時少し前からじわりじわりと1台、また1台と往年の名車が会場入りしてくる。そんな都心の真ん中ともいえる場所へ絵描きも足を運んでおりました。
■銀座RUNとは?
銀座RUNとは年2回、春と秋に開催されるイベントで都心の名所ともいえるコースをぐるりと回るパレードランイベントです。とはいえ基本交通法規にのっとり、道路事情に則した速度で走るイベントですから、普通ならツーリングとかそうした名称になるのかもしれません。ですがあえてパレードランと言わせていただきたいのは、その目的がクルマの持ち主だけではなくその沿道にいる人たちをも楽しませるといった部分も含んでいることからそういわせていただきたいと思っております。
主にラリーの曲がる交差点を図案化したコマ地図を使用し、コース全体図と照らし合わせながら走ります。春はかれこれ5年続くイベントであり、都心でも認知されていると思われるイベントです。また、全コースが1枚の地図で記載されています。そうした話を確認したわけではありませんが、コース上にいくつかある撮影ポイントに子供たちがカメラを構える姿を見ることができたり…といったことからも、事前に情報を得るようにしている人がいるということだと思います。
■コロナ禍の銀座RUNの開催には多くの苦労があった模様
昨年今年と多くのイベントが断念せざる得ない状況もあり、今期の開催もまた困難が多々あったと主催の根本 純 氏は教えてくれました。氏はラリー歴51年、日本人初のParis Dakar Rally参戦などのレジェンドであり、このほかにも同秋イベントをはじめ、いくつものカーイベントを主催あるいは共催している方です。この銀座RUNの前にも2つほど開催予定があったのですが、いずれも中止せざる得なかったようです。そして、この銀座RUN「春」も、ひと月遅れの開催とはいえ、ようやく開催にこぎつけられたと話されていました。
■参加資格は2000年以前に製造販売されたモデルであること。日本車・輸入車は不問
東京プリンスホテルを出発したクラシックカーは皇居周辺から京橋を周り銀座を目指します。その後、東京国立近代美術館、国道20号を経由して聖徳記念絵画館のある神宮外苑や渋谷の公園通りを回ったのちに再び東京プリンスホテルへ戻ってきます。参加資格は20世紀、つまり2000年以前に製造販売されたモデルであること。日本車・輸入車は問いません。
例年、先着順で60台前後受けているのですが、今年は直前で断念される参加者もおられ、集まった車両は40台強でした。また沿道もいつもは人でにぎわっている銀座界隈もおそろしく人の少ないなかを走るといった状況、それでも道行く人からは「おっ」といった声が上がるなど往年の車両が走る姿を見送る人の姿がありました。
■絵描き屋こと、きもだが選んだ今回の1台は・・・?
絵描きこと私・きもだは、都心を廻るパレードを見守る役目であり、各地の撮影ポイントで先回りをしておりました。もちろん集合したプリンスホテルにはクルマはいなくなりますので、描くことはできません。それでも今日の1枚として帰宅後に仕上げさせていただきました。
それがこちらの1枚。ランチア・フルヴィアクーペです。
フルヴィアを見ることはクラシックカーイベントでは珍しい事ではないかもしれません。ですが、こちらのクーペはラリーで活躍したHFではなく、本来の姿である高級クーペとしてのフルヴィアでした。それ故シートなどもまるで違ったゆったりとした座り心地のよさそうなものが奢られています。戦闘的なオーバーフェンダー等はもちろんありません。エレガントなモデルとしての1台をご家族でさらりと乗られておりました。
■静かな都内。次回はきっと・・・
都心を廻る銀座RUN。しかし、例年と違い街中の人の姿は多くはありませんでした。それでもときおりスマホを向ける人がいたり、カメラを構える少年の姿もありました。規制や自粛で開催できなかったイベントも少しづつですが、またあちこちで開催されはじめています。帰路につくクラシックカーのエキゾーストを耳にしながら絵描きは次の旅へと向かいます。