更新2022.05.01
絵描き屋の独り言「カーイラスト旅日記」vol.17:YOKOSUKA Historic Car Day2022
きもだこよし
桜の季節も終わり、新緑が目にまぶしい横須賀に絵描きはまいりました。去る4月23日にここ「くりはま花の国」の正門前にて、その向こうにすでにたくさんのクラシックカーが並ぶ姿を確認しておりました。
■横須賀ヒストリックカーデイとは?
横須賀ヒストリックカーデイは今回で7回目となります。横須賀市の後援の下、開催されるヒストリックカーのイベントです。参加資格は1981年までに製造された車両で国産外車は問いません。この3年ほどは周知の事実によりご多分に漏れず感染拡大の防止という観点から、自粛という形で開催は見送られてきました。今年も様子を見ながらぎりぎりまで主催者も悩まれていたそうです。
そのため、告知も本当にギリギリで開催を決めてから1ヶ月もない状態からここまで来たとのこと。
「会場の関係で参加車両は50台までの〆切ですが、募集を始めた最初の1週間は集まらなかったらどうしようと思っていました」と話します。
それでも開催日までには予定台数を超える希望者が来てくださったそうです。
ノンジャンルのクラシックカーイベントらしく、国産、英車、ドイツ車、イタ車と台数もいい具合にそろっていました。
主催者の方によると、実はこのイベントでは思いのほかフランス車の方のエントリーが少なく、できるだけ多くの参加を求めていたそうです。この日はアルピーヌA110をはじめ、オールドシトロエンが2台参加、本当はプジョーの504も参加予定だったのですが、修理中で来られなかったのです。
オーナーの方から足で良ければと参加されたのがルノー5、それもベーシックモデルのファイブでの参加でした。またアメ車は唯一C3コルベットが参加していたことも忘れてはいけません。
■100万本のポピーの園
会場である「くりはま花の国」は、JR久里浜駅および京浜久里浜駅から徒歩15分にある自然とのふれあいと花をテーマにした横須賀市の施設です。
イベント当日はポピーとネモフィラ祭りとして100万本のポピー園で様々な種類のポピーが次々と開花し、山頂付近ではネモフィラが満開で訪れる方を迎えてくれます(開催時期4/9~5/29)。緑豊かな公園でありピクニックや散策も楽しめるレストラン等もある施設です。
午前と午後の2回に分けて展示車両たちがエンジンを回し始めます。
展示会場は入ってすぐの駐車場なのですが、撮影を兼ねたパレードランが行われます。そこで山頂付近まで行き季節の花をバックに撮影し再び戻ります。
満開のポピーの花畑を進む車両もどこか楽しげに見えたのは絵描きだけではなかったと思います。
ゆっくりと進むクルマたちには会場に訪れた一般の方や子供たちが手を振り声をかけてくれます。
主催の有山氏は「クルマは整備の仕方にもよりますが、自分たちよりも長く生きることのできるものです。だからこそこうして今、彼ら(クラシックカー)を見ている子供たちがこの先も引き継いでまたこうしたイベントを開催していってほしいものです」と話します。
■今日の1枚
毎回会場で描かせていただくようにしている今日の1枚はこちらのモーリス・オックスフォード。
こちらはシリーズⅥと言われるミドルサルーンの最終型でオースチンA60ケンブリッジとは兄弟車、設計はピニンファリーナの手によるものです。
基本的に、その前のシリーズVとはフロントグリルと排気量以外は大きな変更点はありません。
年式相応の枯れ具合(失礼)と風合いが良く、シリーズVから数えて20年近くも英国人に最後まで愛された1台として描かせていただきました。
しかし、こちらを描かせていただいて驚きの一言が。
いつものように額に入れて会場本部へオーナーの方にお知らせしてくださいと持っていくと「えーと、これボクのクルマです」と主催者の有山氏。図らずも渡したご本人の車両という偶然。これは絵描きも驚きました。
■クラシックカーと花畑はとてもの相性がいいのかも
100万本のポピーの花に囲まれた会場で開催されたヒストリックカーデイ。
いつも思うのですが、クラシックカーと花畑の相性はとても良いものに思えます。
それはおたがいがとても穏やかに思えるからではないでしょうか?
動乱の時代にも花は咲きます。たとえ現役だった当時は激動の時代だったとしても年月を経て今がある。
さて、絵描きはいつになったら穏やかな時間がとれるやら。花に囲まれたクルマたちを後に絵描きは次の旅へと向かいます。
■横須賀ヒストリックカーデイHP
https://khhcd.jimdofree.com
■くりはま花の国HP
https://www.kanagawaparks.com/kurihama/
■きもだ こよし プロフィール
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[ライター・撮影/きもだ こよし]