更新2022.04.02
絵描き屋の独り言「カーイラスト旅日記」vol.16:幸田deミッドナイターズZERO
きもだこよし
絵描き屋きもだです。皆さん、キャンプはお好きですか?
絵かき屋も以前は一人でも出かけるくらいには好きでしたが、昨今はなかなかキャンプ場まで足を運べておりません。最近耳にする言葉でソロキャン、ゆる△キャン(これは違うか?)などといわれるほどにキャンプがレジャーとして活気づいております。
また近年のSUVブームもあり、よりキャンプレジャーに適した車両が後押しをしているともいえます。
自宅ガレージや駐車場にそうした車両が控えている方はあまり問題がないのかもしれませんが、自宅にスポーツカーしかない。あるいはセダンでもハッチバックでも車高や最低地上高が低い車両などはお世辞にもアウトドアには向いていないともいえます。
それではそうした車両では行くことはできないのか?そんなことはもちろんありませんが、やはり道中の路面などを考えるとクルマにはよろしくないと思えてしまいます。
そんな問題を解決する企画があるとしたら、そんなクルマで参加できるキャンプがあったら。今回の旅はそんな前代未聞のイベントが舞台です。
■キャンプ場はどこ?謎の指定場所
キャンプをするので来てもらえませんか?絵描き屋きもだ、少し前にこのような誘いを受けて一路愛知を目指します。
ですが指定された先は奇妙な住所でした。愛知県額田郡幸田町桐山立岩・・・幸田サーキット。はたしてそれはどういうことなのか?現地に着くとそこには夕闇に包まれ、ライトに照らされた幸田サーキットの全貌がありました。
どう見ても普通にサーキットなのですが?そう思いつつ、本コースに誘導されるとエスケープゾーンに展開されるテントと野営設備が幾重にもありました。
それこそサーキットイベントでも外周部にてテントやピクニックテーブルを広げる方々はたしかにいましたし、そこでお茶会等があることも珍しくはありませんでした。
しかし、目の前に広がる光景は明らかな野営。それも直火でこそないものの薪を使い火をおこし暖を取る、山の中腹や海辺の公園などの指定キャンプ場で見るようなキャンプ。それがサーキットの本コースのど真ん中で設営されていました。
■幸田deミッドナイターズとは?
このとんでもない企画は新舞子サンデーの発起人をはじめとした愛知県のクルマ好きおやじ達が始めたお話です。
夜が好き、クルマが好き、楽しいことが好き、サーキットが、キャンプが好きといった皆でワイワイと楽しむことが大好きなメンバーが普通じゃないことがやりたいと始めたものでした。
奇しくも幸田サーキットの職員でもある宮下氏がちょうど次の企画を考えていたときに、この話が持ち込まれ一気に具体化が始まりました。
同氏は過去にもカートレース24th耐久や様々な企画をしてきましたが、土曜日の夜間を遊ばせておくのはもったいないと考えていたそうです。
そこで持ち込まれたこの話を二つ返事で承諾、本コース内のキャンプというおそらくは前代未聞のイベントが開催されました。
とはいえZEROの言葉通りこれは試験的に行ったプレイベントです。ここで不都合や不具合を出しこんなイベントをもうじき開催いたしますよ、という宣伝を兼ねたモノです。
開場はサーキットのスケジュールが終了する18時から朝7時半(完全撤収は8時)までの夜の時間であり、本当のイベントとしてはGWの5月3日~5月4日にかけてのイベントですので、これから順次予約を開始するとのこと。詳しくは下記HPにてお問い合わせを。
■幸田サーキットyrp桐山について
幸田サーキットは愛知県にあるサーキットで本コースが1週1㎞強という規模です。
施設は4輪コースのほか2輪、カートコースもあり現在はクロスカントリーコースも新設を検討中としております。
サーキットにありがちな人里離れた森林等の場所ではなく、山間部とはいえ市街地からものの10分くらいの所にあるサーキットです。
サーキットというととかく騒音問題等が取りざたされますが、こちらはそうしたお話はあまりないとのこと。その理由はこちらのサーキットの成り立ちにありました。幸田サーキットは元々は採石場でした。その後採石場としての役目を終えた後いかに活用していくべきかで出来上がったのが現在の幸田サーキット場です。そのためコースはおおむねフラットなコースでありながら周囲を山に囲まれているため、音や光ががほとんど外部に漏れないという構造になっています。
外部から見えにくいという利点を生かして現在では新車のお披露目式(一般やプレスに出す前に各ディーラー等に実際に乗ってもらう試乗会)やシークレットテストでも使用されています。今後はその特性を生かして野外ライブの開場としても活用できないかを考えているとか。まだまだ発展を期待させてくれそうな施設です。
■サーキットの真ん中で
開場にはプレイベントとはいえ30台以上の車両が参加していました。夜遅くまで宴は車談義の笑い声とともに続きます。
キャンプのために何か食べるモノを持ってこなければ行けないのか?
安心してください。手ぶらでも参加できるようにケータリングカーも参加していました。この日は唐揚げ専門店やホットドッグの車両が参加。次回の本ベントではさらに増えると思われます。
実際には野営をしていたのは20台ほど、それ以外の車両はゲートの閉じる24時には開場を後にします。
絵描きはもちろんそのまま車中泊。小さな車内ですが最新のアウトドアグッズの快適さに驚きながらもゆっくりと眠れました。
■今日の1枚
いつもの1枚ですが、今日はこれといった車両を決めずに全体を見せるようにしてみました。
会場のサーキットは入口から、すり鉢を降りていくように下るエントランスで夜間照明の明かりも手伝ってきれいにライトアップされていました。
これもひとつの夜景といえるかと思います。
サーキットコースのキャンプは想像以上にクルマ好きの気持ちを昂らせました。それは興奮するということではなく、非日常をことさらに非日常にするともいえるものです。
キャンプ場へは大抵はスポーツカーで赴くには不向きです。しかし、これは普通にいかなるクーペやスポーツカーであっても可能たらしめるキャンプ場でした。
あとはいかにして装備のパッケージングを行うかのみの話だと思います。想像してみてください。ロータスのようなおよそキャンプと無縁なクルマでテントを持ち込み、火をおこし、月明かりの下照らされた愛車を愛でながら仲間と語り合う時間を。
起床して荷物をまとめたらそのまま軽くコースを半周ほど走ってゲートから日常や近隣のカーイベントへ向かう喜びを。
今回、事実そうしたグループの姿もありました。いつものイベントと違い夕日ではなく朝日を浴びて会場を去る、なんとも不思議な清々しさに包まれながら絵描きは旅を続けます。
■幸田deミッドナイターズ公式
https://carcle.jp/club/kotademidnighters/
■幸田サーキットyrp桐山
http://www.yrp-net.com/
■きもだ こよし プロフィール
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[ライター・撮影/きもだ こよし]