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コラム

更新2017.02.08

国産旧車一筋のクルマ好きから、輸入車好きオーナーに伝えたいこと

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鈴木 修一郎

初めまして、ふとしたご縁でカレントライフにて執筆の機会を頂いた鈴木と申します。

とはいっても、私は免許取得以来20年間所有した事のある車両は、スバル360とセリカLB2000GTという国産旧車一筋で、輸入車は全く縁がないものと思っていました。ところがある日、友人とのたわいのない会話から「鈴木さんが求める、高い実用性と優れたドライバビリティ・長距離ドライブでも疲れない、堅牢で飽きが来ない、補修部品が豊富で長く愛用できる、という要望を満たすクルマはむしろドイツ車、それもメルセデスではないか?」という話になり、そこからメルセデスへの関心が湧いてきました。

実は私自身、高校生の時には五木寛之著「雨の日には車をみがいて」や島田荘司著「ポルシェ911の誘惑」を愛読し、子供の頃はむしろ空冷のVWタイプ1やメルセデスのカブリオレに乗ることを夢見ていたこともあり、ドイツ車、中でも世界最古の自動車ブランドでもあるメルセデス・ベンツは、その後国産旧車にどれだけ入れ込んでも、どこか心の隅で私をとらえて離さない存在でもありました。

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当然、私が惹かれたのは「最善か無か」を地で行くW124以前のオールドメルセデス、中でもW114/115やW108/109以前のいわゆる「縦目」や、戦前型の170VやSSKやグロッサーといったヴィンテージモデルのメルセデスでした。そこから私の関心は、オールドメルセデスを入手しメンテンスをするにはどうすればいいのかという事を調べることから始まり、そのメルセデスがどんな経緯で世に送り出され、今日に至る名声を築き上げたのか、やがてはそもそもメルセデス・ベンツというブランドを生み出したドイツとはどんな国なのかという事を調べるまで至りました。

今では、年式・グレードを問わず町を行くメルセデスを見れば目で追い、雑誌やWebでメルセデスの特集があれば必ず目を通すのは勿論、ドイツの政治経済、社会問題のニュース、ドイツの食文化、風習、風土、歴史、ドイツに関する記述を見つければどんな些細な事でも食い入るように読み漁り、テレビでドイツの特集番組があれば必ず視聴し、ついにはドイツを知るためにはドイツ語の習得は必須であるとドイツ語のテキストを買い、NHKのドイツ語講座を視聴する等、ドイツを知るためにドイツ語の習得に労を費やす事も厭わなくなりました。

今、この文章を書きながら聴いてるBGMは、シュツットガルト市のFM放送局「BIG FM」のWeb配信です。そうです、私はメルセデス・ベンツだけに留まらず、気づけばドイツという国そのものが好きになっていたのです。

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工業化が進んだ今日において、自動車はただの機械ではなく現代社会の文化の象徴そのものと言われるようになって久しくなりました。当然、自動車にはその自動車を作った国に根差した文化や風習、風土を色濃く反映していることは想像に難くありません。あえて外国で作られた自動車を日常的に使用する行為、それ自体がまさに異文化交流と言っても過言ではないでしょう。

私が日本の自動車が海外の風景の一部になっているのを見て嬉しく思う時、ふと海外の人も自国の自動車が日本の風景の一部になっているのを見れば嬉しく思ってくれてるのだろうかと思うことがあります。輸入車に乗る行為は、まさに自動車を介した国際交流や外交活動といえ、輸入車好きの皆さまは輸入車好きという名の外交官ではないでしょうか。

どうか輸入車好きの皆様、誇りと敬意をもって輸入車と接してあげてください。そしてその自動車を作った国もまた好きになってください。きっとその自動車を作った国の人も喜んでくれると思います。そしてその国の人もまた、日本の自動車とそして日本の事を好きになってくれると信じています。

[ライター/鈴木修一郎]

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