ライフスタイル
更新2017.10.03
新車登録から13年以上経過したクルマは、自動車税を15%へ増税…に思うこと。
松村 透
カレントライフをご覧いただいている方も、帰宅すると自動車税の納付書が届いていた・・・そんな時期かもしれません。 *追記:私の自宅にも、8日に投函されました。
平成26年度税制改正により、環境性能の良い自動車の軽減割合を拡充する一方で、新車新規登録後一定年数を経過した自動車の重課割合が引き上げられました。これまでの10%から15%への重課割合が変更されたことはご存知の通りです。
1台の自動車がオーナーの元に届けられるまで、どれだけの人の手が掛かり、時間を費やし、文字通り命を削りながら世に送り出されているに違いありません。
ご存知のように、クルマの性能は日々、加速度的に進化しています。今や、大半の車種は故障しないことが当たり前となりました。例えば、真夏の高速道路の大渋滞に巻き込まれても、エアコンが効かない!などという故障は(よほど古いクルマでない限り)、もはや皆無といえるでしょう。…とはいえ、バッテリー上がりにはご注意ください!
その一方で、クルマ1台あたりの使用年数および平均使用年数も確実に延びてきています。
●車種別の平均車齢
・昭和51年(1976年)・・・3.50年
・平成元年(1989年)・・・4.75年
・平成26年(2014年)・・・8.13年
※平均車齢とは、国内でナンバープレートを付けている自動車が初度登録されてからの経過年数の平均で、人間の平均年齢に相当する。
出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会 / https://www.airia.or.jp
●車種別の平均使用年数
・昭和51年 (1976年)・・・6.90年
・平成元年 (1989年)・・・9.09年
・平成26年 (2014年)・・・12.64年
※平均使用年数とは、初度登録年度ごとに1年前の保有台数と比較し、減少した車両を1年間に抹消された車両とみなして、国内で新規(新車) 登録されてから抹消登録されるまでの平均年数。ただし、減少台数には一時抹消も含まれるため、自動車が完全にスクラップされるまでの年数とは若干異なる。
出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会 / https://www.airia.or.jp
あらゆる状況でも故障することなく、安全かつ快適に目的地まで運んでくれるわけですから、大半のユーザーがわざわざ買い換える必要がないと考えることは、至極当然かもしれません。
しかし、自動車メーカーとって、ユーザーがなかなかクルマを買い換えてくれないことは由々しき問題です。そこで、淘汰の対象として矛先が向けられるのが古いクルマたちとなります。
後継者がいないという理由で「職人の10人に7,8人が、自分の代でおそらく最後だろうと覚悟している」という話しをある建具職人さんから伺ったことがあります。後継者不足はもちろんですが、商いとして成立しないというケースもあるそうです。そこで、職人さん同士で手を組み、地域も巻き込んで技術の伝承を始めています。
先人たちの知恵と努力の積み重ねでいまの生活があるように、このままでは、自動車にも同じことがいえるのではないでしょうか?単に「古いから」という理由で(実際には様々な要素が絡んでいるとは思いますが)、この国からまだまだ実用に耐えうるクルマたちを排除していくようでは、日本国内における自動車の文化は永遠に根付いていかないかもしれません。
カレントライフ上でも、ドイツの「Hナンバー」関連の情報は人気記事となっています。「Hナンバー」は、自動車先進国のドイツならではの制度といえそうです。
世界的に有名なオークションに出品されるような古いクルマたちは、もはや絵画などと同じ「文化財」の領域に足を踏みいれているので、本来はサーキットを全開で走るために造られたクルマであっても、観賞用もしくは投機の対象となっています。そのなかには、トヨタ2000GTやハコスカ/ケンメリGT-Rをはじめ、日本車も含まれています。つまり、文化財としての価値が認められつつあることを意味します。
これは極端な例としても、休日の早朝、家族サービスの前に、ホンの数時間だけ大事な愛車を走らせるのが至福のひととき…という方もいらっしゃるのです。愛車のエンジンの機嫌を伺いながら火を入れ、交通量の少ない道路を駆け抜ける時間を待ちわびながら、日々の激務をこなしているに違いありません。
カレントライフのオーナーインタビューで取材させていただいたクルマの多くが、平成26年度税制改正の対象車となります。皆さん一様に、いかに大事に乗られているかを、時間の経過を忘れ、少年のような眼差しで語ってくださった方々ばかりです。(失礼を承知でお話しすると)インタビューに答えてくださった方々の大半が、何らかの支出を削ってでも愛車の維持費に充てています。
そういった方々とのご縁はもちろん、「輸入車・外車への愛をカタチにするWEBマガジン」を標榜するカレントライフだからこそ、敢えて声を挙げさせていただきました。
さまざまなお考え・ご意見があって良いかと思います。ぜひ、この記事をご覧いただいている方のご意見をお聞かせいただければ幸いです。
[ライター /江上透]
平成26年度税制改正により、環境性能の良い自動車の軽減割合を拡充する一方で、新車新規登録後一定年数を経過した自動車の重課割合が引き上げられました。これまでの10%から15%への重課割合が変更されたことはご存知の通りです。
1台の自動車がオーナーの元に届けられるまで、どれだけの人の手が掛かり、時間を費やし、文字通り命を削りながら世に送り出されているに違いありません。
ご存知のように、クルマの性能は日々、加速度的に進化しています。今や、大半の車種は故障しないことが当たり前となりました。例えば、真夏の高速道路の大渋滞に巻き込まれても、エアコンが効かない!などという故障は(よほど古いクルマでない限り)、もはや皆無といえるでしょう。…とはいえ、バッテリー上がりにはご注意ください!
その一方で、クルマ1台あたりの使用年数および平均使用年数も確実に延びてきています。
●車種別の平均車齢
・昭和51年(1976年)・・・3.50年
・平成元年(1989年)・・・4.75年
・平成26年(2014年)・・・8.13年
※平均車齢とは、国内でナンバープレートを付けている自動車が初度登録されてからの経過年数の平均で、人間の平均年齢に相当する。
出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会 / https://www.airia.or.jp
●車種別の平均使用年数
・昭和51年 (1976年)・・・6.90年
・平成元年 (1989年)・・・9.09年
・平成26年 (2014年)・・・12.64年
※平均使用年数とは、初度登録年度ごとに1年前の保有台数と比較し、減少した車両を1年間に抹消された車両とみなして、国内で新規(新車) 登録されてから抹消登録されるまでの平均年数。ただし、減少台数には一時抹消も含まれるため、自動車が完全にスクラップされるまでの年数とは若干異なる。
出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会 / https://www.airia.or.jp
あらゆる状況でも故障することなく、安全かつ快適に目的地まで運んでくれるわけですから、大半のユーザーがわざわざ買い換える必要がないと考えることは、至極当然かもしれません。
しかし、自動車メーカーとって、ユーザーがなかなかクルマを買い換えてくれないことは由々しき問題です。そこで、淘汰の対象として矛先が向けられるのが古いクルマたちとなります。
後継者がいないという理由で「職人の10人に7,8人が、自分の代でおそらく最後だろうと覚悟している」という話しをある建具職人さんから伺ったことがあります。後継者不足はもちろんですが、商いとして成立しないというケースもあるそうです。そこで、職人さん同士で手を組み、地域も巻き込んで技術の伝承を始めています。
先人たちの知恵と努力の積み重ねでいまの生活があるように、このままでは、自動車にも同じことがいえるのではないでしょうか?単に「古いから」という理由で(実際には様々な要素が絡んでいるとは思いますが)、この国からまだまだ実用に耐えうるクルマたちを排除していくようでは、日本国内における自動車の文化は永遠に根付いていかないかもしれません。
カレントライフ上でも、ドイツの「Hナンバー」関連の情報は人気記事となっています。「Hナンバー」は、自動車先進国のドイツならではの制度といえそうです。
ドイツは古いクルマを大切に乗る文化が根付いています。ドイツの「Hナンバー」という制度は、製造から30年以上経った車両で、かつ大幅な改造がなされていない車両に特別なHナンバーをつけるというものです。H=ヒストリーナンバー/H=Historischの意味で、このナンバーが付与されるとなんと、自動車税や自動車保険が優遇されるのです。
ドイツの「Hナンバー」を背負ったクルマ達@ドイツ現地レポ より
https://www.gaisha-oh.com/soken/h-number-important/
世界的に有名なオークションに出品されるような古いクルマたちは、もはや絵画などと同じ「文化財」の領域に足を踏みいれているので、本来はサーキットを全開で走るために造られたクルマであっても、観賞用もしくは投機の対象となっています。そのなかには、トヨタ2000GTやハコスカ/ケンメリGT-Rをはじめ、日本車も含まれています。つまり、文化財としての価値が認められつつあることを意味します。
これは極端な例としても、休日の早朝、家族サービスの前に、ホンの数時間だけ大事な愛車を走らせるのが至福のひととき…という方もいらっしゃるのです。愛車のエンジンの機嫌を伺いながら火を入れ、交通量の少ない道路を駆け抜ける時間を待ちわびながら、日々の激務をこなしているに違いありません。
カレントライフのオーナーインタビューで取材させていただいたクルマの多くが、平成26年度税制改正の対象車となります。皆さん一様に、いかに大事に乗られているかを、時間の経過を忘れ、少年のような眼差しで語ってくださった方々ばかりです。(失礼を承知でお話しすると)インタビューに答えてくださった方々の大半が、何らかの支出を削ってでも愛車の維持費に充てています。
そういった方々とのご縁はもちろん、「輸入車・外車への愛をカタチにするWEBマガジン」を標榜するカレントライフだからこそ、敢えて声を挙げさせていただきました。
さまざまなお考え・ご意見があって良いかと思います。ぜひ、この記事をご覧いただいている方のご意見をお聞かせいただければ幸いです。
[ライター /江上透]