イベント
更新2019.06.08
レースとオフミを同時に満喫!360ccのクルマたちの祭典「360meet(サブロクミート)」
野鶴 美和
「今から20年以上前には360ccクラスだけのレースも行われていましたが、時代が変わるにつれて660ccクラスとの混走レースしかなくなってしまいました。同じクラスで競いあう楽しさが失われてしまっていたんです。そこで、360ccクラスだけのレースもある、このイベントを立ち上げることになりました」
イベントの見どころは、小さなクルマたちが全開走行するレースや、貴重なクルマたちが集結するオフミーティング、フィナーレは参加者全員でのパレードランもあります。観て参加できる、旧車ファンにはたまらないイベントです。迫力あるレースの様子やオフミに参加した名車たちをご覧ください。
時代を超えて疾走する、小さなクルマたち
レースは、3部門に分かれています。ATやCVTを含む軽自動車が参戦できる「2ペダルスプリント」、360ccクラスによる「60分サブロク耐久」、660ccクラスと混走する「90分ロングラン耐久」で構成されています。50年前の可愛らしいクルマたちが、快音とともに全開走行する様子は迫力満点。時代を超えて走る勇姿に、胸が熱くなります。部門によっては、排気量の異なるマシンも混走します。なかには二輪のエンジン(450cc)に載せ換えているマシンもあります。乾いたサウンドがするはずなので、聴き分けてみるのも楽しいです。(2019年より、純粋に360ccクラスのみの開催となるそうです)
会場の中山サーキットは「峠道」に似た、アップダウンのあるレイアウト。スピードをキープしながら上り坂に備える、各マシンの戦略に注目です。アウトインアウトを駆使し、スピードをキープするマシンがいれば、ほぼアクセルコントロールのみでコースラインを曲がっていくマシンも。
▲中山サーキットのホームストレートは上り坂に
予選では、マシンのデータ収集が行なわれます。各チームがマシンの挙動を把握し、決勝の間に、どのような「学習」をしようとしているかに注目して観戦すると、よりレースの奥深さを楽しめます。
▲観戦場所は(立入禁止場所に注意)。なるべくマシンの調子やドライバーの動きが見える場所がおすすめ。面白さも倍増です
ピットも選手の邪魔にならない範囲で見学可能です。もしマシンが不調になった場合は、メカニカルな不調か燃料の不調なのかを判断しながら調整を行い、決勝に備えます。
▲キャブレターを取り外して作業中。キャブレターはオーバーフロー(ガソリン漏れ)を起こすこともあり、その場合は早急な対応が求められます
オフミは、貴重なクルマたちが集結
駐車場では、オフミーティングが行われていました。参加していた名車たちを、一部ですがご紹介します。
マツダ・R360クーペ
「量産乗用車」として、日本初のATモデルをラインナップした1台。360ccのV型2気筒強制空冷エンジンは、レーシングエンジンにも採用されているドライサンプ※式が採用されています。かわいらしい宇宙船を思わせるデザインは、工業デザイナー・小杉二郎氏によるもの。こちらの個体は後期型だそうです。
※空冷エンジンはエンジンオイルの湯温が上がりやすいため、オイルタンクを別に取り付け、オイルポンプで冷却するシステム
三菱・ミニカスキッパー
「スペシャリティな軽自動車」として人気を博した名車です。ファストバックスタイルが美しい!オーナーはもう1台、4サイクルのモデルを所有していらっしゃるそうです。こちらの個体は1969年式。「スキッパーのGT仕様を再現したい」と仕上げられた自慢の1台。ボディカラーはイエローに全塗装されています。
ツインキャブの代用としてソレックスのものをチョイス。メーターとステアリングの移植は、オーナー自身が行ったそうです。
バークレー・スポーツSE328
日本に何台生息しているのでしょうか。偶然、英国のオークションで発見して一目惚れしてしまったそうです。
「シーケンシャルシフトの操作は結構難しいですが、おもちゃのような手作り感がたまりません。バイクのようなクルマですね」とオーナー。イベントへ出かけるときは、積載車の日産・クリッパーに載せて行くそうです。このクリッパーは、このクルマを載せるために購入したとのこと。「2台で1台」の存在になっているそうです。
▲クライマックスは、参加者全員でサーキットをパレードラン
同じ会場で、レースと展示が同時に行われる珍しいイベント「360meet(サブロクミート)」。旧車の魅力をさまざまな角度から楽しめる、ファンにはたまらないイベントです。カレントライフ読者のみなさんも、クルマ成分を補給しにこちらへ出かけてみませんか?
開催情報
今秋の開催が決まっています。愛知県・モーターランド三河で、朝8時半のスタート。ぜひ、お出かけください。
開催日時:2019年10月14日(月祝)
開催地:モーターランド三河
〒441-1411 愛知県 新城市作手岩波字長ノ山60-6
TEL:0536-37-5501
主催:COKECLUB
〒567-0868 大阪府茨木市沢良宜西4-5-13
公式ホームページ
https://360meet.themedia.jp/
参加費:80分耐久レース 2万5500円(要・事前エントリー)
サブロクオフミ、パレードラン、一般見学無料
(要:サーキット入場料 1人1000円/前売800円)
問合せ:TEL&FAX 072-628-4406
MAIL info@cokeclub.jp
[ライター・撮影/野鶴美和 取材協力/COKE CLUB 吉備旧車倶楽部 中山サーキット]