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ライフスタイル

更新2020.10.08

クルマ好きである25歳の筆者が「好きなことで生きていく」を実践して思うこと

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長尾孟大

「好きなことで生きていく」。

…という言葉が巷で囁かれるようになってから久しい。自分の好きな物事を仕事にして、それで収入を得る生き方のことだ。

そもそも「仕事」に対するこれまでの一般的な世間の見方は、
「好きではないが、仕事として割り切ってやるもの」
「プライベートとは別の、我慢をする時間」
というものだった。

そんななか、自分の好きなことを仕事にするという働き方が注目されるようになった。その結果、脱サラしてフリーランスやYouTuberになったり、自ら起業するなど「会社に依存しない働き方」が徐々に浸透しつつある。

筆者自身「好きなこと」が高じて起業している。その結果、好きなことに関わる事業で生きている。これはとても楽しく、ハッピーなことばかりのように聞こえるかもしれない。しかし「好きなことで生きていく」とは、そう簡単なことばかりではない。

今回は「好きなことで起業する」について、楽しい側面ばかりではなくそうではない部分にも触れてみたいと思う。

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▲大好きなクルマを運転することが仕事になった筆者

そもそも、筆者は何をやっているのか?知らない方が大半だと思うので、簡単に自己紹介をしたい。

筆者は「クルマ好きを増やしたい」という思いで、意気投合した仲間と一緒に「株式会社Carkichi(カーキチ)」という会社を起業した。「カーキチ」という社名は、クルマに興味がない人にクルマを好きなってもらうための「クルマの基地」を作りたいという想いに由来している。

事業内容は、クルマを中心に映像制作を行う事業や、楽しさを伝えるイベントを開催する事業などである。映像で扱うテーマはクルマだけではなく、企業の採用や商品PRの映像を制作したり、YouTubeチャンネルの運用を行うこともある。

実は筆者自身、学生時代にも起業を経験している。群馬県東吾妻町に古民家をリノベーションした民泊を開業し、現在では年間に町の人口の10%近いお客様が宿泊している。古民家事業も含めると、私はこれまでに新規事業の立ち上げを5つ経験してきたことになる。

そんな生い立ちのなかで自分で感じたこと、周りで戦う戦友たちをみて感じたことをまとめたいと思う。

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▲クルマ好きを増やすことミッションに掲げるCarkichi

■好きなことを仕事にしないと、勝つことはできない

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学生時代から起業にチャレンジしてきた経験を振り返って強く感じることは、「起業は熱量の勝負」ということに尽きる。
事業を立ち上げや会社作りには、「働く」の枠を超えた膨大な量の時間と情熱を長期にわたって注ぎ続ける必要がある。寝てる時間以外はすべて起業に費やすこともあるし、徹夜をすることもある。「好きなこと」ではないと継続するのは難しいだろう。

また、起業をすると、どの事業領域であっても少なからずライバル・競合は存在する。

そうなると「好きではないことを嫌々やっています」という人は、仕事に時間を割くことまではできたとしても、熱量で勝つことは難しい。筆者は好きなことにもっともモチベーションが沸いて、自然と情熱を注ぐことができるタイプの人間である。だから、好きなことを仕事にするのが自身の勝ちパターンだと認識している。

とはいえ、もちろんすべての人がそうではないだろう。
これまでに見てきた軌道にのる起業家の多くは、以下のパターンに当てはまることがほとんどだ。
1.非常に強い使命感を持つ人間
2.起業以外に仕事の選択肢がない人間
3.金欲か自己顕示欲が極めて高い人間

筆者自身「クルマ好きを増やしたい」という課題をもっているので、どちらかというと1の属性が強いように思う。1で突き進む人間は、宗教と思えるくらいもっと狂信している場合が多い。1~3に当てはまらない以上、好きなことをエネルギー源にして起業するのが起業を成功させるために必要だと思う。
だから筆者は、クルマに関わる事業領域を選択しているのだ。

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▲学生時代から経営する田舎暮らし体験型古民家「MAYUDAMAHOUSE」

■一瞬の喜びを楽しむ


ここまで起業の大変な側面を紹介したが、もちろん辛いことばかりではない。

筆者の場合、仕事の移動で自分の愛車をドライブすることも楽しみのひとつだ。また、すべてではないが、仕事によってはスーパーカーの撮影をしたり、フェラーリに試乗してインプレッションを行うこともある。前述の通り、経営にはさまざまなリスクや考えごとが多い。だからこそ自分の好きなことに関わるこの瞬間を意識的に楽しみ、幸福を感じる努力も必要だと思う。

もちろん、運転には事故やトラブルなどの危険性も伴うので、運転時は十分に注意を払う必要がある。それでも、仕事としてクルマに触れる機会に恵まれているのは「好きなことを仕事にする」魅力の1つといえるのではないだろうか。

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▲フェラーリ360モデナの試乗インプレッションをする筆者

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■若くして起業するメリット・デメリットとは?


そもそも仕事の本質は「信用」である。

初対面では、学歴・社歴・一社目の就職先といった肩書で判断されることが非常に多いと感じている。それは肩書が信用を担保するものだからではないだろうか。その組織がこれまで作り上げてきた功績や信用を、属することで借りることができるのだ。

しかし若くして独立すると、往々にしてこの信用がない状態になる。肩書も実績がない人間が、信用を得て仕事を請け負うことは難易度が高い。そのため、ビジネス経験が豊富で太いバックボーンを持つビジネスマンと比較すると、若い人が起業をするのは簡単ではないことを実感する。

だが若いうちに起業することにも意味があると考えている。それは、事業を興すことでしか学べないことも非常に多くあるからだ。それは「考え方」や「覚悟」や「人間の性質」など、どれもビジネスに不可欠なものだが、これらは会社に所属して学ぶビジネススキルとは異なったものである。例えば、会社に所属していても組織内の人間関係を円満にすることと、事業の代表者として社外の経営者と関係を作ることとでは、コミュニケーションの質が異なってくる。

こればかりは起業しないと体得することは難しい。いつか必ず起業をしたいと志す若い人は、早めに実行するのも手だろう。これは起業のデメリットを上回る大きなメリットである。

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▲お客様の事業相談を伺う筆者

■まとめ


ここまで語ってきたように「好きを仕事にして生きていく行為」は、楽しさだけなく大変なことも多い。しかし、好きなことをより追求していきたい・好きなことで価値を提供したいと思っている人にはぴったりの選択肢ではないだろうか。そして、好きなことだからこそ辛い時も、情熱で乗り切ることもできるのだ。

仕事と人生は切っても切り離せないものである。つまり、多くの人にとって、仕事に使う時間が人生の大半を占める場合がほとんどだろう。そんな仕事の時間をより輝かしいものにしたいと思うのであれば、「好きなことで生きていく」にチャレンジすることで、もっと人生が面白くなるかもしれない。

また、チャレンジした人間でないと実現できないカーライフが存在するのも事実だ。クルマ好きなら誰でも一度は憧れるスーパーカーは、生まれながらにして経済的に恵まれた一部の人間を除いては、普通の会社員が所有することは難しい。仮に所有しようと思えば、清水寺の舞台から飛び降りるほどの覚悟が必要だ。

だが、起業には会社員として働くことよりもさらに大きな可能性を秘めている。事業が拡大して収入を増やすことができれば、夢に見たスーパーカーを手にすることも不可能ではないのだ。

筆者は、今までに乗ったことのあるスーパーカーの中でもダントツにフィーリングの完成度が高かったマクラーレンをいつか所有したいと思っている。また、愛車であるメルセデス・ベンツE55 AMGも、チューニングとメンテナンスを重ねながら、富士スピードウェイを攻めるマシンとして生涯大切にしていきたいと考えている。

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▲Carkichiメンバー3人で将来の夢を語る

そしていずれは、S耐やGT300といったレースでプロレーサーと戦いたいという想いがある。

好きなことを突き詰めながら、大きな夢を抱いて人生を歩めることが、起業の一番の醍醐味ではないだろうか。そう思えてならない。

[ライター・カメラ/長尾 孟大]

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