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更新2017.03.17

天国には乗っていけない愛車を、今後も末永く乗り続けていけるようにしてほしい

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松村 透

先日、70代半ばになるという、ある旧車にお乗りの男性を取材させていただく機会がありました。「オレも今年で後期高齢者だよ」と仰る姿は本当に素敵で、自分もこの方のように年を重ねていきたいと感じました。パワステもなく、エアコンもまともに効かないような旧車を嬉々として乗られる姿は本当にカッコイイ。まだまだお元気で乗り続けていただきたいです。

その一方で、昨年のちょうど今ごろ、70代後半の方が運転するクルマに側面衝突され、筆者の愛車の左ドア2枚が損傷しました。相手が一時停止を無視して突っ込んできたので、こちらはとっさに緊急回避。それでも停車せずに接触。よくよく話しを伺うと、相手の方は老々介護の身だということでした。この事実を知ってしまった以上、これもう怒るに怒れません。その代わり、保険会社とはモメにモメましたが・・・。お陰で修理の目処が立たず、1ヶ月半の代車生活を余儀なくされました。

お2人が仰っていたのは「クルマに乗れるのもあと数年だし・・・」でした。しかし今回は、高齢者ドライバー云々の話しではありません。あれほど大切に扱ってきた自分の愛車も、天国には乗っていけません。筆者の周囲で、そのことを痛感するできごとが最近相次いでいます。また、日々さまざまなオーナーさんを取材させていただいていますが、自分がいなくなった後に愛車はどうなるのか・・・。少なからず気に掛けている方が多いことも分かってきました。そこで、これらの体験談を基に、記事にまとめてみようと思い立ちました。

ケース1:自分の子どもがクルマ好きの場合


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これはあくまで確率論ですが、かなりの割合で親がいかに大切に乗っているかを理解してくれています。黙っていても、親の意思は子どもたちの誰かが引き継いでくれる可能性は高いとみてよさそうです。幼少期のから父の愛車が家にあれば、子どもにとってももはや家族の一員のような存在です。しかし、兄弟がいたりすると、誰が引き継ぐのかモメることもあります。遺言書などに記して、親の愛車を家族の誰が引き継ぐのか、早い段階で明確にしておくことをオススメします(まだ若いお父さんでもそれは同様です!先送りにしがちですが、書面に残しておくことを強くオススメします!)。

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ケース2:自分の子どもがクルマ好きでない場合


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この場合、ある程度覚悟はしていても、売却されてしまう可能性が高いように思います(周囲にもそのような例がいくつかあります・・・)。日常の足として使えるようなクルマであればまだ何とかなるかもしれませんが、維持費の掛かる高級車だったり、趣味性の高いクルマだった場合・・・。いくら実の親が大切に乗っていたクルマでも、興味がない子どもたちからすれば荷が重すぎることにもなりかねません。それに、高級車や趣味性が高いクルマは、いい値段で売れることも少なくありません。この際、道楽親父が遺した財産分与として割り切るのもあり・・・とは、当事者の立場からすればなかなか思えないですよね。

ケース3:子どもがいない、または独身の場合


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日ごろから、親しい友人や愛車をメンテナンスしてくれている主治医に「オレに何かあったときはよろしく」と話しておくといいかもしれません。そこで忘れがちなのが、親族げの連絡。幸か不幸か、オーナーが所有していたクルマが価値があると知っている(知ってしまった)場合、かなりの確率でモメると予想されます。これが一財産になりそうな場合はなおさらです。あくまでも他人が引き取ろうとしているのですから、本来の権利は親族にあります。遺言書に誰に愛車を託すか明記しておくことはもちろん、ことあるたびに親族に話しておくといいかもしれません(とはいえ、このあたりの判断はデリケートさが求められそうですが・・・)。

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結論:乗れなくなりそうな気がした時点で手放す(生前贈与?)するのもあり


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自分がいなくなった後にトラブルが予想されるとしたら・・・?健在なときに手塩に掛けた愛車を誰かに託すのがいいかもしれません。昨年、学生時代のアルバイト先の社長さんが急逝してしまい、ご本人が大変なクルマ好きだったので、10数年間で1.2万キロしか走っていないポルシェ911カレラS(997)がいまもガレージに眠っています。愛車は常にコンクールコンディションでした。ディーラーのスタッフに「社長のクルマはキレイすぎて怖くて触れない」といわしめるほど、隅々まで磨き上げられた個体なのです。

社長さんには跡取りとなるご子息(アラサー独身)がいますが、クルマにはまったく興味がなく、維持するも大変なので、近々売却を考えているそうです。そこで筆者が「オレが大切に乗るから譲って!」と啖呵を切れたらいいのですが・・・。せめてもの形見分けで、事務所で社長さんがいつも楽しそうに眺めていたポルシェのカタログを譲ってもらいました。これも、引き取り手がいなかったら処分するつもりだったそうです。

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繰り返しますが、手塩に掛けた愛車は天国には乗っていけません。家族や親族の誰かが引き取るのか、愛車を大切に想ってくれる他人が譲り受けるのか。結果はどうであれ、オーナーとそのクルマにとって幸せな決断を、できるだけ円滑に、淡々と進められるようにいますぐ手を打っておくことを強くオススメします。誰も明日のことは分からないのですから・・・。

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