ライフスタイル
更新2017.07.31
なぜSNSを通じて知り合ったクルマ好きは、あなたから離れていくのか?
松村 透
https://www.gaisha-oh.com/soken/owners-mtg-crash/
今回は「なぜ、SNSを通じて知り合ったクルマ好きがあなたから離れていくのか?」と題して、自分のことは棚に上げつつ…(戒めをこめて)、以下にまとめてみました。
オーナーではなく、クルマが注目されていることだってある
珍しいクルマや貴重なクルマなどのオーナーは必然的に注目されます。高速道路のパーキングエリアに愛車を停めれば、たちまち周囲を取り囲まれ、スマートフォンやデジタルカメラなどで撮られます。それはまるで、超人気アイドルがスポーツ選手が成田や羽田空港に降り立った瞬間を待ち構える熱狂的なファンのようです。
でも、想像してみてください。あなたがランボルギーニ ミウラで日曜日早朝の大黒PAに現れたら、どれほどたくさんのクルマが集まっていたとしてもその日の主役を張れるでしょう。ここで勘違いしてはいけないのが、注目されているのはオーナーではなく、ランボルギーニ ミウラです。確かにオーナーは所有者ではあるけれど、あくまで運転手であり、黒子なんです。ドヤ顔で自慢するよりは、少し離れたところでコーヒーでも飲みながら愛車を見守っているくらいがちょうど良いのかもしれません。
見栄の張り合いはいつか破綻する
いわゆる「マウンティング」です。仲間内で集まってくると、なぜかかなりの確率で自分と拮抗するライバルが現れます。それが認め合えるような関係になれば問題ないのですが、あるクラブで、会長よりも新しくて高額なクルマに乗って現れたメンバーがいました。当然ながら、その日の主役はそのオーナーとニューマシンです。
会長はそのことが面白くなかったんでしょうか。メンバーよりもさらに新しくて高額なクルマに乗り換えました。それをメンバーの方も敏感に察知したのです。さすがにすぐに乗り替えるわけにはいかないから、マフラーを交換してエアロパーツで武装して…と、次第にお互いが「火花バチバチ状態」になっていったんです。案の定、そのクラブは空中分解を起こして2つに分裂しました。こうなると、何のために集まっているか分かりません。見栄の張り合いはいつか破綻します。数年後に振り返ってみると、あれは何だったんだろう?ということも多々ありますから…。
陰口はどこかで必ず本人の耳に入ると思った方がいい
これは一般社会と同じかもしれません。口頭はもちろんのこと、SNSやブログなどに(相手は特定できないとしても)人づてにいつか必ず本人の耳に入ります。これが1人ではなく、複数の人に「何だよアイツ、調子に乗りやがって」といっていたとしたら…。それは誰だって距離を置きたくなるはず。
ディスってるうちは欲しいものは手に入らない
例えば、若くしてスーパーカーに乗っている人がいるとします。ひょっとしたら親御さんが裕福なのかもしれませんし、起業して莫大な収入を得ている可能性もあります。心のどこかでディスってしまいたくなっても不思議ではありません。
仮に御曹司だとしたら、自分の理想の人生を犠牲にしてでも家業を継がなければならないかもしれませんし、本人に人望と能力がなかったら部下はついてきてくれません。また、起業して成功したということは、どこかのタイミングでとてつもない努力をしたからこそ運が味方して成功を掴んだことだってありえます。あなたが飲み屋でディスっている間も、猛烈に仕事をしているかもしれません。いずれにしても「楽をして手に入れている」可能性は限りなくゼロに近いはず。ディスっている時間があったら、欲しいものを手に入れるために労力を割いた方が1%でも確率があがります。もしかしたら、男の嫉妬が一番質が悪いのかも…。
自分と趣味嗜好が異なる仲間のことも受け容れる
分かりやすい例でいうと「オリジナル派」と「モディファイ派」でしょうか。お互いの考えはこれから先も平行線のまま。永遠に相容れない関係なんです。オリジナル派の方が、モディファイ派の方に「そんなの邪道だよ」と伝えたとしましょう。そんなの余計なお世話、ほっといてくれ、なんです。
仮にオリジナルコンディションを維持するのがベストだとしても、それを充分に理解したうえでモディファイを楽しんでいる方もいますし、実はガレージにコンクールコンディションのオリジナルを収めている可能性だってあります。皆さん、さまざまな経験をして現在に至っているわけです。自分と趣味嗜好が異なる仲間のことも受け容れることで見える世界があるはずです。
仲間のショップや主治医を批判しない
筆者も、グループというほどまとまっているわけではないのですが、あるクルマ好きが集まる会に参加させていただいています。皆さん走るよりも飲む方が好きなメンバーなので、集合場所は決まって居酒屋です(笑)。乗っているクルマは同じだけど、愛車を預けているショップや主治医はばらばらです。
誰も口には出さないけれど、暗黙のルールとして「仲間のショップや主治医を批判しない」があるように思います。心の奥底では、自分のクルマを託しているショップや主治医が最高だと信じています。だからこそ、今日まで乗り続けてこられたのですから。それは相手も同じなのです。この関係が構築できているからこそ、10数年に渡る付き合いができるのかもしれません。
カレントライフの記事は性善説に基づいていますが…
不思議とカレントライフのFacebookページのコメント欄が荒れることはほとんどありません。クルマ好きのなかでも「ヘンタイ度」が高いと紳士的な方が多いのでしょうか。でもやはり、ボロカスに書かれるとかなり凹みます。自分のブログなら消してしまいたいところですが、そういうわけにもいきません。あるモータージャーナリストの方が話していたのですが「凹むから某掲示板は見ないようにしている」そうです。
筆者が記事をまとめる際の原理原則のひとつに、性善説に基づくようにしています。これを性悪説にしてしまうと、あらゆることを否定・攻撃したり、ネガティブな方向に作用してしまうからです。もちろん「そんなのオマエの空虚な理想論だろ」と突っ込まれることも承知しています。しかし同時に、カレントライフ内のネガティブな空気が蔓延してしまうと、本来楽しんでいただいている方が離れていってしまうことも理解しているつもりです。
なぜSNSを通じて知り合ったクルマ好きが、あなたから離れていくのか?
クルマを手放したから、仕事が忙しくなったから…等々、相手側の事情で連絡が取れなくなってしまうこともあるでしょう。しかし、複数の仲間と連絡が取れなくなったような気がするとしたら、あなたから離れていってしまった可能性があります。それはなぜでしょうか?
上記のようなことが身に覚えがありませんか?あるいはそれ以外にも。どれほど希少で、貴重なクルマに乗っていたとしても、誰も声を掛けてくれない孤独な人になってしまっては、折角のカーライフが1ミリも楽しくないことに気づきませんか?喜びも悲しみもクルマ好きの仲間と共有するからこそ、倍増したり、気持ちが軽くなったりするものです。どうか、充実したカーライフを!
[ライター/江上透]