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ドイツ現地レポ

更新2023.11.22

「スマート(smart)」はヨーロッパの小型車のエッセンス

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中込 健太郎

日本でも割とよく見るようになりましたね、スマート(smart)。元々道もさほど広くないですし、近場での利用が多い日本では案外使い勝手がいいものですね。ドイツでも人気、そんなスマートのレポートが届きました。

「スマート(smart)」はヨーロッパの小型車のエッセンス
スマートは、2人乗りのマイクロカーを生産・販売することを目的に、スイスの時計会社スウォッチが発案、当時のダイムラー・ベンツとパートナーとしてのタッグを組みスタートした自動車事業です。当初、小型車を得意とするフォルクスワーゲンとの提携を企図したスウォッチでしたが、あまり小型車の販売は手がけてこなかったダイムラー・ベンツという組み合わせでの企画となりました。1994年、MCC(Micro Car Corporation)が設立され、フランスに製造工場を建設。1998年にオリジナルモデルである「シティクーペ」(後の「フォーツークーペ」)が発売されました。

設立から12年に渡ってスマートの事業は赤字が続き、創始者であったスウォッチは完全に撤退することになります。それでも2007年春には「フォーツー」がモデルチェンジし第2世代へと移行しました。他方、消費者の間でガソリン価格の高騰と地球環境への配慮から低燃費車志向が高まり、小型車の需要が集まるようになると、2007年度にスマート事業はようやく黒字へ転換することになります。

「スマート(smart)」はヨーロッパの小型車のエッセンス

「スマート(smart)」はヨーロッパの小型車のエッセンス
小さいながら、安全基準は他のメルセデスの車種と同水準のものが適用され、小型車でありながら大型車と同様の衝突安全性を誇る点は注目を集めました。スイスの企業が企画、内燃機関の雄ドイツのメルセデス・ベンツが開発、小型車の目の肥えたフランスで生産されたスマート、個性的なアピアランスではあるものの、きわめてまじめで、ヨーロッパの小型車の「エッセンス」のようなクルマということができるのではないでしょうか。

そんなスマートですので、もちろんディーゼルエンジンのモデルも存在します。実際ヨーロッパでは走っているスマートのほとんどがCDI(ディーゼル)モデルです。小粒ながら、窮屈さもない2シーターのための「人道的なスペース」と、高い剛性が生み出す、角の取れた大人びた乗り心地は、外観を見ただけではおよそ想像もつかないもの。そんな風に言っても過言ではないのではないでしょうか。そんなスマート、エンジンが回りだせばたちまち大きなトルクを発生し始めるディーゼルモデルは、まるでGT。大船に乗った気持ちでどこまでもどこまでも、長いたびに出たくなる、そんなクルマです。

「スマート(smart)」はヨーロッパの小型車のエッセンス

日本には正規輸入されませんでしたが、大変珍しいディーゼルモデル、現在ガレージカレントに入庫中です。大変珍しく、しかし、おそらくこのクルマの本質を秘めたモデル。小さなグランツーリズモCDIのスマート、ご興味のある方はぜひ問い合わせてみていただきたい。そんな一台と言えるのではないでしょうか。

■ガレージカレント販売車両はこちら
http://www.garagecurrent.com/smart/smart/638/

[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]

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