
コラム
更新2019.05.08
様々な事情から好きなメーカー以外のクルマを購入する人も多い。それでも私は大満足だった理由

田中 秀雄
止むを得ず買い替えとなった理由は普通にあることかもしれない

それまで乗っていたワゴンRの故障が治りきらず、さらに東京の実家へ月一で帰郷する必要があるためやむなく買い替えることになったのが購入するきっかけとなりました。現在住んでいるのが兵庫県の山間部(これも好きで移住したわけではなくやむをえず)ということもあり、クルマがないともよりのコンビニへも行けないなど、クルマは生活必需品でもあります。
軽自動車は便利でしたが長距離はさすがにきついのと、勾配がきつい坂道では、ドライブレンジでは30キロあたりまで落ち込んでから唐突にシフトダウンすることが繰り返されるなど、パワー不足に悩まされていました。田舎道はパワーのあるクルマが必要であることを思い知らされました。
さて、新しいクルマの購入についてですが、それぞれのライフスタイルや事情によって優先項目は異なります。多人数乗車が条件であったり、燃費性能や安全性能、そして大きさなどが優先されると、好きなメーカーや車種などは二の次になるはずです。
私の場合は購入資金。つまりできるだけ安いことが最大の条件になり、メーカーも車種もとりあえずは考えないことにしました。当然中古であり、年式が古いのは当然のことで、グレードや装備、ボディカラーも関係なくWEBで検索しました。これまでの経験から、年式よりも走行距離を重視し、購入する店舗は自宅になるべく近いところで探しました。
安ければなんでもオーケーという条件だった

結果探し当てたのが、最初に書いたとおりのアクセラスポーツです。価格的にはデミオが安いことに気が付き、デミオを中心に探していたところなぜかアクセラスポーツがヒット。価格は車検が寝ん半付いて総額で35万円。グレードは20Sという上級グレードで走行距離は7万キロ台。色はオーロラブルーという鮮やかな青。他の販売店で1.5L車が似たような価格ででていましたが、2.0Lということとボディーカラーに惚れ込んで早速来店予約を入れました。
で、即決。実車を見たらどうしても欲しくなりました。走行距離が7万キロ台というと多いと思われるかも知れませんが、これまでも10年10万キロ以上は問題ないことは経験済みです。
参考記事:10万キロ超えの中古車を購入しても大丈夫?
モータージャーナリストさんの評価はボロクソでも良いものは良い

納車されてからの印象はまさに目からうろこ状態。良い、非常に良い。試しにモータージャーナリストさんの試乗レポートを調べてみたらボロクソ言われていました。変速ショックの大きい5速オートマ、硬いだけのサスでコーナリングなどでは不安定、重すぎるステアリングと厳しい評価でした。
実際の生活では、床までアクセルを踏み込むこともせず山道も慎重に走り、速度制限を守って乗る限りは何の不足も感じられません。しかも変速ショックなど感じず、勾配のある峠も快適なのですから。重いとされるステアリングもマツダ車に乗りなれているので問題なです。
クルマの評価は何と比べるか、何を基準にするかで決まるということを知っておくことが大切なのではないでしょうか。私の基準は2004年式で10万キロ超えのワゴンRです。もし、最新の車種に乗っていたら別の評価となり、10年落ちのアクセラスポーツは我慢を強いらせるクルマにしか思わなかったでしょう。
自分が買うとは思いもしなかったクルマに惚れ込むことに

10年物のアクセラですが、私がマツダのディーラーで営業マンだった時には、カペラやランティス、そしてファミリアがマツダの主力であった時代ですから、このクルマはまだデビューしていませんでした。したがって、懐かしいという気持ちはありません。
ただ、現役の営業マンの時にこのクルマがあったらもっと販売成績が良かったのにとは思いました。それほど良くできたクルマなのです。5速オートマ、ステアリングシフト、オートエアコン、そして2.0Lエンジンと装備も性能も十分であり、これ以上何が必要なのかわからないほどです。ワゴンRでトロトロ走っていた急こう配も、その勾配も感じなく走行でき、片道600キロほどの高速道路もスピードの出しすぎに気を付けなければいけないくらいで、合流もスムーズで運転が楽しくなります。
やはりクルマ選びは中古車が面白い
長く付き合ことになりそうな私の愛車アクセラスポーツですが、次に乗り換えるのは何になるのか。次こそ自分の好きな車種に乗りたいと思うのですが、今回の件で感じたのは、繰り返しになりますが何と比べるかでクルマの評価はまったく異なることでした。営業マン時代に学んだことのひとつに、商談よりまず試乗を必ず勧めることがありました。どんな車種であれ、買い替えを考えている以上、新車は絶対に「良いね」となるからです。
中古車ではあっても自分でそれを感じることになりましたが、まったく異なる車種に挑戦するのは実に面白い経験です。ミニバンからスポーツカー、高級セダンから軽自動車であっても感動するかもしれないのです。それが比較的やりやすいのが中古車。今度は輸入車のSUVにしようかとひそかに思うのであります。
[ライター・カメラ/田中 秀雄]