オーナーインタビュー
更新2023.11.22
愛車、コーヒー、釣りの「絶妙なセッション」〜ROLLINSマスターの近藤優さんへインタビュー
中込 健太郎
坂はその街に風格を与える。
実は常々、そんな風に思っています。駅から続く長く広い坂道を一歩ずつ歩いてAndante、木漏れ日降り注ぐ並木を抜けて来る日も来る日も、暮らす街。下るほど、上るほどに、なんだか「読書」でもしたかのような「上質な深み」をそこで暮らす人たちにもたらしてくれるような気がするのです。新興住宅地というには少し年季が入りすぎた東京のベッドタウン、横浜の郊外にある街が「たまプラーザ」です。
どこか和やかでマイルドなイメージのあるこの街を「とてもエネルギッシュな街」と評するのは、オープンして3年、この街でJAZZ BAR&JAZZ喫茶「ROLLINS」のマスター近藤優さんです。
店名は自身、初めて出かけて聴いたのがジャズ・サックス奏者ソニー・ロリンズだったことによるもの。このお店もまた、たまプラーザの駅から坂を少しだけあがったあたりにあります。本格的なJAZZを聴きながら、うまいものが食べられて、おいしいお酒を飲み、最後のコーヒーまで抜かりなくおいしいもので締めくくれるお店が目指すものは、いわば近藤さんにとってのアウトプットの集大成なのだとか。
メディアなどでもよく取り上げられるたまプラーザは、ともするとどこか「カッコつけている」イメージすら見え隠れするのですが、そんな街にはいろいろな思いを持った人たちがたくさんいて、みんな夢や志に向けて精力的に動こうとするパワーの持ち主がたくさんいて、「ROLLINS」はそんな人たちの集う場所にもなっているのだそうです。ただ単に街の色に染まって「エネルギーをもらえるところ」というより、いろんなエネルギッシュな人たちがいるからそういう人たちから受ける刺激があるのは、他の街ではなくこの街でお店を始めてよかったことの一つだと近藤さんは語ります。
いつもそばにいるもの、そしてそれに集う場所。
人生の節目で近藤さんのそばにあった音楽がJAZZだったという。そしてJAZZ BAR「ROLLINS」で働くようになるうちに、ある種の使命感のようなものが芽生えてきたのだと言います。またお店を始めた3年ほど前から、海釣りにも出るようになり、とことん突き詰める近藤さん、海で釣った魚もお店で出すといいます。一見意外と思えることであっても、そこに限界や制限は設けません。ROLLINSはそういうお店なのです。
年々「宿り木」のような喫茶店も、真に美味しいコーヒーが飲める場所も少なくなっていることにある種の危機感も覚えているという近藤さん。「バーなのにコーヒーも美味しい、ではなく、出すからにはコーヒーに至るまで美味しくなければ納得できない」という近藤さんにとっての「表現する場所」というよりもむしろ「表現そのもの」であると言ってもいいかもしれないROLLINS。
JAZZ BARで海釣りの魚、コーヒー、ちょっと広げ過ぎではと、ご自身思われるようですが「体力は減るけど、こればかりは仕方ない」と語る近藤さんの横顔には強い意志と譲れないものに対する強烈な握力のようなものを感じたものです。本物を追求する情熱、こだわりの「絶妙なセッション」を聴かせていただいているようなお店、訪ねたROLLINSというお店はそんなお店でした。
愛車は「適度な背伸び」がちょうどいい。
そんな近藤さんの普段のアシ、それはBMW320i。清廉な純白アルピンホワイトのボディは清潔感があって、近藤さんの言葉をお借りすれば「ちょっとだけ背伸びしたチョイスながら、クルマが出しゃばってないところ」がちょうどいいのだといいます。かっこいいことは大事で、そういうことを気にすることも大事。そういうことで積極的に迷ったりなやんだりすることで、こだわりやキャラクターが形成されるのでしょう。
ただ、その先でそれが独りよがりでも、みっともないほどにギャップのあるチョイスでもかっこわるい。キャラクターとして出しゃばりすぎず、ふだんから心置きなく使えるクルマ、乗っていて楽しい。BGMではジャズばかりではなく、80年代の曲やミスチルを聴いているという近藤さん。
正直はじめ、「JAZZ BARの主と新しいBMW」イメージが結びつきにくかったものの、実際お話を伺って、JAZZとは「マニアックな音楽」ではなく、ライフスタイルであり、そういったものへのこだわりであり、それが似合っているかどうか。そういったものの中で「音楽で言えば」がJAZZなのではないか、そんな風に思ったものです。そしてそんな近藤さんにとってのJAZZ、それが「クルマでいえば」となったとき、近藤さんと3シリーズ、とても似合っているなあと感じたものです。好きなクルマに乗れる人は幸せである。しかし 「自分にはこれが似合っている」 そう思えるクルマに出会える人は、もっと幸せである。
そして何より「かっこいい」。
溺愛するでも、軽視するでもない近藤さんとBMWの関係。うらやましいほどに、適度な距離感にニヤリとしてしまうのです。
〜オーナープロフィール〜
お名前:近藤優さん
年齢:33才
職業:JAZZ BAR&JAZZ喫茶「ROLLINS」マスター
現在の愛車:BMW320i
▼JAZZ BAR&JAZZ喫茶「ROLLINS」について
2012年秋、落ち着いた雰囲気の街・たまプラーザにオープンしたジャズ喫茶&バー「ROLLINS」。35年続いたコーヒー喫茶をそのまま改装したという店内は、古き良き時代の名残りが感じられる空間。
http://www.rollins.jp/
住所:神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-12-2 吉村ビル1F
TEL:045-909-6099
[ライター/中込健太郎 カメラ/CL編集部]
実は常々、そんな風に思っています。駅から続く長く広い坂道を一歩ずつ歩いてAndante、木漏れ日降り注ぐ並木を抜けて来る日も来る日も、暮らす街。下るほど、上るほどに、なんだか「読書」でもしたかのような「上質な深み」をそこで暮らす人たちにもたらしてくれるような気がするのです。新興住宅地というには少し年季が入りすぎた東京のベッドタウン、横浜の郊外にある街が「たまプラーザ」です。
どこか和やかでマイルドなイメージのあるこの街を「とてもエネルギッシュな街」と評するのは、オープンして3年、この街でJAZZ BAR&JAZZ喫茶「ROLLINS」のマスター近藤優さんです。
店名は自身、初めて出かけて聴いたのがジャズ・サックス奏者ソニー・ロリンズだったことによるもの。このお店もまた、たまプラーザの駅から坂を少しだけあがったあたりにあります。本格的なJAZZを聴きながら、うまいものが食べられて、おいしいお酒を飲み、最後のコーヒーまで抜かりなくおいしいもので締めくくれるお店が目指すものは、いわば近藤さんにとってのアウトプットの集大成なのだとか。
メディアなどでもよく取り上げられるたまプラーザは、ともするとどこか「カッコつけている」イメージすら見え隠れするのですが、そんな街にはいろいろな思いを持った人たちがたくさんいて、みんな夢や志に向けて精力的に動こうとするパワーの持ち主がたくさんいて、「ROLLINS」はそんな人たちの集う場所にもなっているのだそうです。ただ単に街の色に染まって「エネルギーをもらえるところ」というより、いろんなエネルギッシュな人たちがいるからそういう人たちから受ける刺激があるのは、他の街ではなくこの街でお店を始めてよかったことの一つだと近藤さんは語ります。
いつもそばにいるもの、そしてそれに集う場所。
人生の節目で近藤さんのそばにあった音楽がJAZZだったという。そしてJAZZ BAR「ROLLINS」で働くようになるうちに、ある種の使命感のようなものが芽生えてきたのだと言います。またお店を始めた3年ほど前から、海釣りにも出るようになり、とことん突き詰める近藤さん、海で釣った魚もお店で出すといいます。一見意外と思えることであっても、そこに限界や制限は設けません。ROLLINSはそういうお店なのです。
年々「宿り木」のような喫茶店も、真に美味しいコーヒーが飲める場所も少なくなっていることにある種の危機感も覚えているという近藤さん。「バーなのにコーヒーも美味しい、ではなく、出すからにはコーヒーに至るまで美味しくなければ納得できない」という近藤さんにとっての「表現する場所」というよりもむしろ「表現そのもの」であると言ってもいいかもしれないROLLINS。
JAZZ BARで海釣りの魚、コーヒー、ちょっと広げ過ぎではと、ご自身思われるようですが「体力は減るけど、こればかりは仕方ない」と語る近藤さんの横顔には強い意志と譲れないものに対する強烈な握力のようなものを感じたものです。本物を追求する情熱、こだわりの「絶妙なセッション」を聴かせていただいているようなお店、訪ねたROLLINSというお店はそんなお店でした。
愛車は「適度な背伸び」がちょうどいい。
そんな近藤さんの普段のアシ、それはBMW320i。清廉な純白アルピンホワイトのボディは清潔感があって、近藤さんの言葉をお借りすれば「ちょっとだけ背伸びしたチョイスながら、クルマが出しゃばってないところ」がちょうどいいのだといいます。かっこいいことは大事で、そういうことを気にすることも大事。そういうことで積極的に迷ったりなやんだりすることで、こだわりやキャラクターが形成されるのでしょう。
ただ、その先でそれが独りよがりでも、みっともないほどにギャップのあるチョイスでもかっこわるい。キャラクターとして出しゃばりすぎず、ふだんから心置きなく使えるクルマ、乗っていて楽しい。BGMではジャズばかりではなく、80年代の曲やミスチルを聴いているという近藤さん。
正直はじめ、「JAZZ BARの主と新しいBMW」イメージが結びつきにくかったものの、実際お話を伺って、JAZZとは「マニアックな音楽」ではなく、ライフスタイルであり、そういったものへのこだわりであり、それが似合っているかどうか。そういったものの中で「音楽で言えば」がJAZZなのではないか、そんな風に思ったものです。そしてそんな近藤さんにとってのJAZZ、それが「クルマでいえば」となったとき、近藤さんと3シリーズ、とても似合っているなあと感じたものです。好きなクルマに乗れる人は幸せである。しかし 「自分にはこれが似合っている」 そう思えるクルマに出会える人は、もっと幸せである。
そして何より「かっこいい」。
溺愛するでも、軽視するでもない近藤さんとBMWの関係。うらやましいほどに、適度な距離感にニヤリとしてしまうのです。
〜オーナープロフィール〜
お名前:近藤優さん
年齢:33才
職業:JAZZ BAR&JAZZ喫茶「ROLLINS」マスター
現在の愛車:BMW320i
▼JAZZ BAR&JAZZ喫茶「ROLLINS」について
2012年秋、落ち着いた雰囲気の街・たまプラーザにオープンしたジャズ喫茶&バー「ROLLINS」。35年続いたコーヒー喫茶をそのまま改装したという店内は、古き良き時代の名残りが感じられる空間。
http://www.rollins.jp/
住所:神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-12-2 吉村ビル1F
TEL:045-909-6099
[ライター/中込健太郎 カメラ/CL編集部]