ライフスタイル
更新2017.06.26
自動車業界のプロ直伝!リセールバリューが有利なボディカラーとは?
松村 透
その反面、短期間で乗り替える方(今回は、初回〜2回目の車検までとします)ほど、ボディカラーによってリセールバリューが大きく異なってきます。
そこで、空冷ポルシェ911の記事などで、いつも相場観のアドバイスをお願いしているカレント自動車のA氏と、クルマ買取り業界に精通しているT氏にも聞いてみました。
乗りつぶすまで何年も所有する、リセールバリューよりも自分の気に入ったボディカラーを優先したい、懐に余裕があるからそんなの気にしない、という何とも羨ましい方も、念のため頭の片隅に留めてみてください。
プラス査定:白、黒系統(ソリッド・パール・メタリック含む)
これはもう、大半のモデルで鉄板の選択といえそうです。そのあたりをディーラーも見越しているのか、即納車も多いですし、自分の気に入ったボディカラーがこの系統なら最高ですね。さらにいうと、最近は白系統の方が人気が高いようです。ご参考までに…。
プラスマイナスゼロ査定:シルバー、ガンメタリック系統
白系統では汚れが目立つし、黒系統だと頻繁に洗車していないと見た目の美しさが保てない…。そんな方にはシルバーが人気のようです。お手入れがラクな分、ピカピカに磨き上げてもあまり目立たない…そんなこともありそうですね。ポルシェに限っていうと、シルバーはあまり人気がないようです(2016年3月現在)。
マイナス査定:黄色、赤、緑、青、茶、ゴールド系統など
いわゆる「色モノ」です。設定色のなかでもあまり見掛けないボディカラーがこれに該当します。実は、このなかに含まれているボディカラーが「そのモデルを最も美しく見せる=イメージカラー」という図式の場合が多く、選んだオーナーの満足度は高いのに、リセールでは…ということも少なくありません。このあたりは、実に悩ましい選択を迫られます。
例外:あくまでも一般論なので、例外も多々あり
・フェラーリの赤や黄色
・ポルシェのパステル系
・限定モデル専用色(好みが分かれる色はマイナスになることも)
・同ブランド・同ディーラー・同セールスからの代替
・マット系ボディカラー
結論:「売りやすいか否か」で人気度合いが決まる
中古車として店頭に並べたときに定番の(売りやすい)ボディカラーは人気があり、好みが分かれる(売りにくい)ものはマイナス査定になる傾向が強いです。
カタログやメーカーのwebサイトにイメージカラーとして採用されているから人気がある=プラス査定とならないところが難しいです。筆者も、ブルーメタリックがイメージカラーのクルマを査定してみたことがあるのですが「これが白や黒だとあと10万は高くなりますね…」といわれ、正直落ち込みました。
番外:カスタムオーダー車は評価されるのか?
メルセデス・ベンツのDesigno(デジーノ)、BMWのIndividual(インディビジュアル)、アウディやポルシェのExclusive(エクスクルーシブ)など、ファーストオーナーが細かなカスタマイズを施して発注する「カスタムオーダー車」が存在します。さらには、フェラーリやロールスロイスなどは、1台1台がカスタムオーダーみたいなもので、好みにぴったりと合う中古車を見つけることは奇跡に近いかもしれません。
カーコンフィギュレーターでシミュレートしたことがある方ならご存知かもしれませんが、あれもこれも…とオプションを選んでいくと、あっいう間に(オプション代だけで)数百万単位になっていたりして驚かされます。投資した分、それだけ自分の理想型に近づいていっているわけですが、同時に中古車として市場に流れたときに「その仕様を好むユーザー」を絞り込んでいることにもなります。つまり、個性の強いクルマとなっていっているわけです。
さらにいうと、新車時には明細が何ページにもなるようなカスタムオーダーが、中古車として査定される場合は「ひとくくり」あるいは「評価される部分だけピックアップ」されてしまうこともしばしばです。いずれにしても、プラスアルファくらいの評価しか得られない場合が多い、と認識しておいてください(もっとも、それくらいカスタマイズできるオーナーさんなら、リセールバリュー云々という次元では考えていないのかもしれません)
まとめ:リセールバリューが期待できるのは白・黒系統
購入を考えているモデルでピンとくるボディカラーがない。または数年で乗り替えることを視野に入れている場合、当面のあいだはリセールバリューが期待できる白・黒系統を選んでおくのがよさそうです。