ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
小型EV車「ルノー twizy」のようなクルマが、より気軽に利用できるようになってほしい
中込 健太郎
チョイモビとしては終了するも、文化的になっている
少し前に横浜市と日産自動車が社会実験のような形で、横浜市内において展開した小型電気自動車です。もともとはRenault twizyなのでしたね。小型で二人乗り、タンデムでの乗車が可能。電気自動車で市内のあちこちに配備され、事前に講習を受けて会員登録を済ませた人が市内の移動に利用。使用した時間に応じて料金を支払うというものです。
大都市においては、ボディがナローであること。これは何にも代えがたいアドバンテージだと言えるでしょう。するりするりとすり抜けられる。堂々とプレスティッジを堅持する大きさは、都市の道路事情で優位に立てることは残念ながら皆無です。
一応チョイモビとしては終了していますが、その後も短時間の利用など、市内で貸し出したりしている模様です。かつてはなかったサイドウィンドウなども装着されたり、かなり文化的になっているようです。
個人所有でももっと奨励されてよいのでは?
行動も、家族の構成も以前に比べて小規模になっています。そんな今の世の中こそ、こうしたシティコミューターみたいなクルマの活用がもっと進んでもいいのかもしれません。そんな風に思うのです。自動車を所有することのアドバンテージは時間に左右されず、でかけられること。しかしなかなか皆が所有できる環境ではなくなっています。
しかし、それでも町の中の至る所にこういうクルマが配備されている。自動車を所有していなくても、移動できる機会を平等に市民に確保する努力をしている、ということにはならないでしょうか。そういう都市は評価されてしかるべきだと思うのです。もちろん個人で所有できるようになるのも重要なことです。こういうクルマなら普通の車一台分のスペースで2台くらいは停められることでしょう。
個人所有でも奨励されてよいと思います。
多くの人が気軽に利用できる小型車
ただ、こういうクルマが新しいのか、というと実は昔の方が発達していたのではないか、そう思うこともあるのです。日本でも軽自動車専用免許などがあって、より多くの人が気軽に利用できる小型車が、普通車とは別にカテゴリーとして存在していました。またイセッタなどはまさにもっと小さな単位の移動手段だったのです。BMWなんかも高付加価値でi3やi8などで「お茶を濁すのではなく」モトラッドのエンジンでも、小型モーターでもいいですが、ちょっと新しい切り口、実はリバイバル、といういせったのようなクルマを作ればいいのに。そんな風に思うのです。
気軽に移動。家系ラーメン巡りをチョイモビでやってみるのもいいかも、なんて思ったりしたものです。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]