ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
ルノー・クリオはベーシックなグレード。日本ではルーテシアの名前でしたね
中込 健太郎
なかなかフランス車、日本では「一般的」な存在になりませんね。これは非常に残念なことだと思っています。なぜかというと、乗ると極めて「膝を叩きたくなるほど」秀逸で納得するのです。これ以外の選択肢はありえないのではないか!そう思うほどです。
しかし、見た目が素っ気無さすぎるのです。それが趣き深い点ではあるのですが、「とても良さそうだ!」と思わせる強烈な何かは全く感じられないアピアランス。もう少し洗練されていて、上等さがにじみ出ていたら、この良さを試してみようという人ももっと出てくるにちがいありません。でも好きな方、知っている方はリピーターになるのです。だからこそ、秀逸な乗り味を実感したあとで、その美醜ではなく、薄味な外観を見ると「それにしても、実に残念だ」と思わずにはいられないのです。
(編集部追記:当記事は過去配信した記事の改定版です)
ドイツ現地レポートのルノー・クリオは、そんなベーシックなグレード。日本では商標権の問題で「ルーテシア」の名前で販売されていました。最近ではヨーロッパのプレミアムコンパクトカーと呼ばれる車種は、比較的高級仕様か、スポーティーグレードくらいしか輸入されませんが、このころはこんなグレードもカタログにはあったので、ほぼこういった外観のモデル、非常に少数ですが日本にも正規で持ち込まれました。
見た目の派手さがないことに加え、日本人の常識を爽快に裏切ってくれるのが、グレードとその乗り心地。革シートなどを装備したものが一番乗り心地がいいと思う人が多いと思いますが、実は案外普通で、ベーシックグレードの布張りのシートや、いかにもハードなイメージのスポーティグレードのスポーツシートには二度見の魅力があるのです。
どういいかというと、一言で言うと「腰を下ろすと根が生える」感じ。小さなボディにおおぶりで包み込むよう。ものすごく手間隙かけた高価な椅子という雰囲気はないのに、適度に支えとサポートが愛おしい。ひたすらにどこまでも走りたくさせるような掛け心地はそこはかとなく落ち着くのです!
エンジンも数字自体はせいぜい100馬力程度ですが、どんな小さなエンジンでも低回転からトルクフル。マニュアルトランスミッションを普段のアシにするのは日本では酷か、と思うと、むしろ必要なパワーを容易に引き出せる上、クラッチを繋がなければ動かないことで安全性も確保でき、「案外大丈夫」どころか「これがいい!」と思わせられるクルマなのです。
このクリオはそんなフレンチベーシックの最右翼。正直、これ以降あの手この手を盛り込んだシティラナバウトのどんなクルマより説得力のある、磐石の一台。…という実感もあってこのオーナーさんは乗り続けているのではないかしら。これからも大切に乗っていっていただきたいなと思う一台ですね。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]
しかし、見た目が素っ気無さすぎるのです。それが趣き深い点ではあるのですが、「とても良さそうだ!」と思わせる強烈な何かは全く感じられないアピアランス。もう少し洗練されていて、上等さがにじみ出ていたら、この良さを試してみようという人ももっと出てくるにちがいありません。でも好きな方、知っている方はリピーターになるのです。だからこそ、秀逸な乗り味を実感したあとで、その美醜ではなく、薄味な外観を見ると「それにしても、実に残念だ」と思わずにはいられないのです。
(編集部追記:当記事は過去配信した記事の改定版です)
ドイツ現地レポートのルノー・クリオは、そんなベーシックなグレード。日本では商標権の問題で「ルーテシア」の名前で販売されていました。最近ではヨーロッパのプレミアムコンパクトカーと呼ばれる車種は、比較的高級仕様か、スポーティーグレードくらいしか輸入されませんが、このころはこんなグレードもカタログにはあったので、ほぼこういった外観のモデル、非常に少数ですが日本にも正規で持ち込まれました。
見た目の派手さがないことに加え、日本人の常識を爽快に裏切ってくれるのが、グレードとその乗り心地。革シートなどを装備したものが一番乗り心地がいいと思う人が多いと思いますが、実は案外普通で、ベーシックグレードの布張りのシートや、いかにもハードなイメージのスポーティグレードのスポーツシートには二度見の魅力があるのです。
どういいかというと、一言で言うと「腰を下ろすと根が生える」感じ。小さなボディにおおぶりで包み込むよう。ものすごく手間隙かけた高価な椅子という雰囲気はないのに、適度に支えとサポートが愛おしい。ひたすらにどこまでも走りたくさせるような掛け心地はそこはかとなく落ち着くのです!
エンジンも数字自体はせいぜい100馬力程度ですが、どんな小さなエンジンでも低回転からトルクフル。マニュアルトランスミッションを普段のアシにするのは日本では酷か、と思うと、むしろ必要なパワーを容易に引き出せる上、クラッチを繋がなければ動かないことで安全性も確保でき、「案外大丈夫」どころか「これがいい!」と思わせられるクルマなのです。
このクリオはそんなフレンチベーシックの最右翼。正直、これ以降あの手この手を盛り込んだシティラナバウトのどんなクルマより説得力のある、磐石の一台。…という実感もあってこのオーナーさんは乗り続けているのではないかしら。これからも大切に乗っていっていただきたいなと思う一台ですね。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]