ドイツ現地レポ
更新2017.02.28
自動車先進国ドイツの「カーシェアリング」は一味違う!日本とは異なるクルマの様々なサービス
wasabi
なかでも私が最近特に注目しているのがクルマでの移動です。ドイツには、日本においてまだ一般的ではないさまざまな「カーシェアリング」や、ユニークな「タクシー」が存在しています。そこで今回は、私が実際にドイツで利用してみて、とても便利だと感じているクルマのサービスを紹介します!
予約制のヒッチハイク、BlaBlaCar(ブラブラカー)
これは私がもっとも多く利用しているサービスです。日本ではまだ未上陸のBlaBlaCarですが、発祥地のフランスをはじめ、ヨーロッパを中心に22カ国で約3,500万人に利用されているサービスです。
BlaBlaCarは簡単に言えば「予約制のヒッチハイク」のようなもので、ドライバーと乗客がガソリン代をシェアすることを目的としています。ユーザーが乗客として乗ることはもちろん、現地でクルマを所有していれば自らがドライバーとして運転し、乗客を乗せることも可能です。
私は運転免許を持っていないのでもっぱら乗る側ですが、その使い方は簡単。まずはオンライン上でメンバー登録して出発地、目的地、日付を入力するとその日に自分が選択した出発地から同じ目的地に行くドライバーのオファー一覧が出てきます。自分の都合の良い時間に出発するドライバーを見つけたらプロフィールを確認し、条件が合いそうだったらそのオファーを選択してクレジットカードまたはPayPalで料金を仮払いし、予約を完了させます。あとは待ち合わせ場所に行ってクルマに乗せてもらうだけ。目的地に到着したら、予約完了時に携帯に送られてきたコードをドライバーに渡せば、仮払いした料金がBlaBlaCar経由で支払われます。(ドイツの場合)
▲相乗り中の筆者
BlaBlaCarの良いところは、大きく分けて以下の3つです。
1.)価格の安さ
2.)小回りの効く便利さ
3.)コミュニケーションに重点を置いている
まず1.)の安さに関してですが、どのくらい安いかを比較するために私がよく利用する「ライプツィヒ−ベルリン間」で比較してみます。
(どれも前日に予約した場合の一例)
鉄道:25〜45,9ユーロ
格安バス:7,9〜20,9ユーロ
BlaBlaCar:8〜14ユーロ
価格はBlaBlaCarがドライバーの走る距離と燃料のコストを考えて自動で算出されるので、ものすごく高額な料金を取るドライバーや明らかに安すぎるドライバーなどは存在せず、大体どのドライバーのオファーも料金設定は同じくらいです。
2.)の小回りが効く利点として、Door To Doorで出発地から目的地まで走っているオファーを見つけられると大変便利です。たとえば電車やバスなら自宅から距離の離れた中央駅まで行くのが普通ですが、BlaBlaCarだと待ち合わせ場所や目的地のバリエーションがオファーによって若干異なるので、運が良ければ時々自分の自宅近くの待ち合わせ場所から自分が行きたい最終目的地の近くまで走ってくれるオファーを見つけることもできます。
「知らないドライバーのクルマに乗るのは不安」と感じる方もいるかもしれませんが、BlaBlaCarに登録しオファーを出しているドライバーは全員BlaBlaCarの要求した情報を提出しなければなりませんし、パスポートや運転免許証などの身分証明書類の提出も義務付けられているので身元はBlaBlaCar側できちんと確認されています。
私は女一人で利用しても今のところ危ないと感じたこともなく、むしろ毎回ドライバーとドイツ語でおしゃべりするので、BlaBlaCarに乗るたびドイツ語の上達に役立ってさえいます(笑)
これが3つめに挙げたBlaBlaCarの良いところで、こうしたコミュニケーションが取れるのは電車やバスにはない魅力だと思います!おもしろいのが、ドライバーを選ぶ際にそのドライバーの「おしゃべり度合い」をプロフィールで確認できることです。おしゃべり度合いは”Bla”、”BlaBla”、”BlaBlaBla”と3レベルあって、”Bla”はあまりしゃべらない人、”BlaBla”は適度におしゃべりを楽しみたい人、”BlaBlaBla”は話し出したら止まらないくらい喋る人という基準です。これによって乗客側も自分の望む乗車体験を選ぶことができます。私はおしゃべりしたい派なので、なるべく”BlaBla”以上の人を選ぶようにしています。
オファーを出しているのは個人のユーザーなので、オファーによって車種も当然バラバラです。いろんなクルマに乗れるし、いろんなドライバーと交流できるのでなかなか楽しいですよ!
ドイツで1番安いタクシー、Clever Shuttle(クレバーシャトル)
ベルリン発のスタートアップ会社が運営している比較的新しい送迎サービスです。Clever Shuttleは日本でもサービスが始まったUberと似ていますが、異なる点はUberが個人ドライバーを採用しているのに対してClever Shuttleはドライバーもクルマも自社で用意している点です。つまりはアプリでサクッと予約できるタクシー会社と言ったところなのですが、普通のタクシーとも違うのがClever Shuttleのおもしろいところ。
その名前に「シャトル」とある通り、シャトルバスのようにルートが似ている他の乗客をピックアップして相乗りすることができるんです。そのため、価格は通常のタクシーの約40%オフの安さが確約されています。たとえば市内中心部から5km離れた自宅に帰る際、通常のタクシーなら深夜料金+チップ込みで18ユーロほどかかるところを、Clever Shuttleなら9ユーロで帰れてしまった経験があります。
Clever Shuttleによれば、これはドイツで1番安いタクシーなのだとか。安いだけでなく、クルマは電気自動車なので排ガスもなく環境に優しい点もポイント。
使い方も簡単で、アプリをダウンロードして必要情報を入力したら自分の現在地と目的地を入力します。すると料金とドライバーのプロフィールが出てくるので内容に納得すればオファーをタップしてクルマを呼ぶだけです。クルマが何分で迎えに来るか、今どこを走っているのかもアプリでリアルタイム確認できますし、支払いもすべてアプリで完結するので非常にわかりやすいです。
まだまだβ段階のため2017年の2月現在使える都市はベルリン、ライプツィヒ、ミュンヘンの3都市に限られており、運行している時間帯も夜のみなのですが、見知らぬ土地で夜にタクシーを捕まえると、一体最後にどれだけ請求されるのかわからなくて心配ですよね。そんな時はぜひClever Shuttleが使えるかどうかチェックしてみてください!
高級ハイヤーで送迎、Blacklane(ブラックレーン)
上記で紹介したClever Shuttleと似ているサービスですが、旅行でドイツを訪れるならすこしリッチな気分も味わいたいところです。そんなときは高級ハイヤーのBlacklaneがおすすめです。
BlacklaneはClever Shuttleとは違ってルートを他の乗客とシェアする機能はなく、予約をした乗客のために、スーツに身を纏ったドライバーがメルセデス・ベンツやBMWなどで迎えに来てくれます。ゲストへのおもてなしに力を注いでいるので、特別な気分になれます。ドイツでは出張やゲストの送迎などビジネス用途にこのサービスを利用する人が多いそうです。空港からの送迎は最大1時間なら無料で待ってくれるのでフライトが多少遅れても安心です。
料金は車種にもよりますが、テーゲル空港-アレキサンダープラッツ間の送迎は40.02〜59.36ユーロで利用可能です。普通のタクシーにはないオプションがついてこの価格なので、なかなかリーズナブルだと思います。
大切なゲストをおもてなしするときや、外出先で特別な気分を味わいたいときにおすすめのサービスです。ドイツのヨーロッパらしい綺麗な街並みの中をこんなクルマに乗って走ると気分が上がりますよ。
自分で運転するカーシェア、DriveNow(ドライブナウ)
こちらは自分が運転をするタイプのカーシェアリングです。カーシェアリングといえば日本で知られているのはこちらのイメージの方が強いかもしれませんね。DriveNowも上記で紹介したほかのサービス同様、アプリでクルマの検索から支払いまでをすべて完結するサービスです。
DriveNowのロゴが入った専用車が街中に点在していて、登録しているユーザーは近くに駐車されているクルマをシェアすることができます。近くにクルマがあるかどうかはアプリで検索でき、予約も支払いもすべてアプリで管理されます。クルマを見つけたらあとはクルマが駐車されている場所まで行き、専用のカードキーでクルマを開けて乗車。料金は分単位で1分ごとに31セント課金されるので、「ちょっとだけクルマで移動したい」というシチュエーションにぴったりのサービスです。
DriveNowはBMWとSixtの共同企業のため、使用車種はBMWにこだわっています。BMW・1シリーズ、BMW・X1、ミニ、電気自動車のBMW・i3、BMW・アクティブ、さらにはルーフがないBMW・2シリーズ・カブリオレも利用可能なので、カーシェアといえどさまざまなシチュエーションで使えるのが特徴です。
いかがでしたか?まだまだドイツには紹介しきれていないおもしろいカーシェアリングのサービスがあります。すべてに共通して特徴的なのは、いろいろな料金体系やいろいろなシチュエーションや目的に対応した多様なクルマのシェアが可能なこと。
日本にもこうしたカーシェアリング文化が広まってくれたら移動がもっともっと楽しくなりそうですよね!みなさんは今回紹介した4つのサービスのうち、どのサービスを1番利用してみたいですか?ぜひ感想をコメントで教えてください!
[ライター/wasabi]