オーナーインタビュー
更新2019.05.03
20代のクルマに夢中な若者は、なぜのめり込んでいったのか?そのリアルな実態とは
松村 透
では、いま20代のクルマに夢中な若者は、どのようなきっかけでこの世界にのめり込んで、どのように楽しんでいるのでしょうか?また、周囲のクルマ好きではない同世代の人との温度差は?今回はそのリアルな実態に迫ってみたいと思います。
プロフィール
・お名前:小山 大介さん
・年齢:23才
・職業:自動車関連業(中古車買取り部門に在籍)
・愛車:トヨタ ヴィッツRS G’s(家族と兼用)
1.現在のお仕事を教えてください
現在は自動車業界で働いています。具体的には、自動車販売などを手掛ける企業で中古車買取り部門に在籍しています。
2.なぜ、この仕事に就こうと思ったのですか?
10代の頃からクルマが大好きで、特にフェラーリやランボルギーニに憧れていました。都内を走るスーパーカーをウオッチしたり、ディーラー巡りをしていました。その後、オープンして間もないある高級輸入車販売店の店長さんとお会いしてから、何度か遊びに行かせてもらうようになったんです。
▲20代前半でスーパーカーのディーラー巡りをしていたという小山さん
あるとき、その店長さんが転勤になったと伺い、赴任先のお店へ遊びに行きました。そこで「幹線道路沿いでクルマが汚れるので、アルバイトの洗車をしない?」と誘ってもらったんです。当時は学生でしたが、好きなクルマに触れられるので本当に楽しい仕事でした。やがて就活の時期を迎え、進路に悩んでいたときに店長さんやスタッフさんから「そんなにクルマが好きならいっそのこと仕事にしちゃえば?」とアドバイスしてもらい、就活して正社員として入社することになったんです。そして最初の配属先が、現在の中古車買取り部門になる…というわけなんです。
3.現在の愛車を手に入れたきっかけを教えてください
現在乗っているトヨタ ヴィッツRS G’s(以下、ヴィッツ)は家族と兼用なんです。両親ともにクルマが好きで、自宅には父親が乗っているレクサスGS350Fスポーツと、祖父が乗っていたトヨタ マークXと主に私が乗っているヴィッツがあります。このクルマは母親が選んだもので、ボディカラーだけは私の嘆願でこの色にしてもらいました。マフラーは交換していますが、基本的にノーマルです。
▲小山さんの愛車であるトヨタ ヴィッツRS G’s。愛車にはニュルブルクリンクのステッカーを貼っているのだとか
4.普段、愛車に乗ってよく出掛けるスポットはどこですか?
現在は栃木県在住ですが、地元は埼玉です。社会人になるまでは、平日の夜は首都高のドライブを、休日の朝は横浜の大黒PAに行っていました。21才で運転免許を取得して、この2年間で数万キロを走破しました。どこへ行くにもクルマです。運転が楽しくて仕方ないですね。
▲GT-R好きの小山さんにとって、日産ヘリテージコレクションはまさに聖地巡礼かも
5.友だちはどんなクルマに乗っているのですか?
RX-8や先代アテンザ、MPVなど、なぜかマツダ車に乗っている友人が多いです。みんな改造していますね。輸入車乗りもいて、現行シボレーコルベット(C7)や、メルセデス・ベンツC63 AMGを所有する強者もいます。
▲クルマ好きの仲間たちとはインターネットを通じて知り合ったのだとか
6.メンバー間で若者のクルマ離れについて論じることはありますか?
正直、あまりないです。仲間同士で集まると、お互いのクルマのパーツ情報の交換やパーキングエリアに停まっているクルマのチェックなど。端から見たら相当ディープな会話をしていると思います。
▲実は写真にもこだわりがある小山さん。今回の画像も快く提供していただきました
7.自分は相当なクルマ好きだと思いますか?
はい。それは間違いないです(笑)。でも最近はお酒を飲む楽しさも分かってきましたし、音楽や服にも傾倒しています。また、腕時計にも興味があります。どちらにしても、お金の掛かる趣味ばかりですよね…。
▲圧巻のミニカーコレクション!相当なクルマ好きであることは間違いありません
8.クルマ好きでない周囲の友人の反応やクルマに対する温度差はありますか?
かなりあると思います。子どもの頃から付き合いのある友人たちの多くは、クルマなんて必要ないという意見が大多数です。自分のクルマを持つなんて理解できない、とさえいわれたことさえあります。出掛けるときも、家のクルマかレンタカーで充分だそうです。一応、運転免許を持っているけれど、ペーパードライバーも少なくありません。
そういえば、職場の同期たち(男性)もAT車限定という人が多かったです。私の仕事ではMT車の運転は必須条件なので、慌てて限定解除していました。
9.クルマ好きでない友人たちはどんなことをして楽しんでいますか?
FacebookなどのSNSを見ていると、飲食の様子をアップしている友人が多いですね。あとはバンド活動をしていたり、ファッションに傾倒している友人もいますが、いずれものめり込むというほどではない印象です。
▲クルマ好き同士で集まり、BBQを楽しむこともあるそうです
クルマ好きの仲間たちとは高校生のときにmixiを通じて知り合いました。そこから少しずつ輪が広がっていき、いまは10人くらいのコミュニティになりました。私を含め、彼女がいる友人も多いので、カップル同士で出掛けることもあります。
10.クルマ好きの著名人で憧れの存在はいますか?
元トップギアの司会者であるジェレミー・クラークソンです。日本人の感性にはない、ウイットに富んだトークが大好きです。日本人では、黒沢元治さんや土屋圭市さん。長年、ベストモータリング(現在は休刊)のファンです。
▲小山さんお気に入りのショット。もはやプロ顔負けの腕前!?
11.30才になったら乗っていたいクルマはありますか?
日産スカイラインGT-R(R34)VスペックII、ボディカラーはベイサイドブルー、フルノーマル車です。
実はR34GT-Rを手に入れるために、コツコツと頭金を貯めてあるんです。しかし…、ご存知のようにGT-Rの著しい値上がりに困り果てています。もう少し私が早く生まれていたら、どんなに無理をしてでも新車のGT-Rを手に入れていたと思います。この点はものすごく悔しいです。
▲小山さんにとって、R34GT-Rはいつか手に入れたい存在とのこと
でも、まだまだ諦めていませんよ!いつか必ず手に入れます。彼女からokももらっています。彼女の父親がハコスカGT-Rを所有していたほどのクルマ好きで、本人も日産NOTE NISMO(MT車)が欲しいといっているくらいなので、理解はあるんです。その点はありがたいですね。
12.小山さんにとってクルマとは?
一言で言い表すのは難しいのですが…「生きがいであり、仕事のエネルギー源であり、クルマ好きの仲間とのコミュニケーションツールです」。
13.最後にアガリのクルマを1台挙げるとしたら?
Photo by Will ainsworth [CC-BY-SA 3.0] (Wikimedia Commonsより)
▲アガリの1台という問いに、悩んだ末に小山さんが挙げてくれたのがこのフェラーリF40
(ものすごく迷って)やはり「フェラーリF40」でしょうか。あのクルマは本当に最高です!母親にもいわれたのですが、嗜好がバブル世代みたいですね(笑)。
[ライター/江上透 画像提供/小山大介]