更新2025.03.14
ポルシェは故障しやすい?故障しやすい部位や故障時の対応などを解説
外車王SOKEN編集部
輸入車の中でも多くの人が憧れるポルシェ。実際に所有しようとしたときに気になるのが故障のリスクです。この記事では、ポルシェが故障しやすいと言われる理由や車種ごとの故障の特徴、故障時の対応など、ポルシェの故障について解説します。ポルシェの故障を心配している方、故障したときの対応方法などを知りたい方は参考にしてみてください。
外車は国産車よりも故障しやすい?
外車(輸入車)は、国産車よりも故障しやすいといわれることがあります。所有する外車の年式やモデルによって故障のリスクや「故障」と捉えるトラブル・不具合などによって故障の定義が異なるものの、年式が新しい外車は故障しにくいのが実情です。
ただし、定期的な点検やメンテナンス、消耗品の適切な交換を行っていることが前提です。これはポルシェも例外ではありません。
ポルシェは、クルマの基本「走る」「曲がる」「止まる」を徹底的に磨き上げ、高い走行性能を追求しています。優れた走行性能を維持するためには、定期点検(12ヶ月点検や車検など)や消耗品・摩耗部品の定期交換などが必須です。
もし、定期点検やメンテナンスなどを怠ってしまうと走行に不具合が生じたりトラブルが発生したりする可能性もあるため、走行状態や必要に応じて点検・整備を受けましょう。
ポルシェが故障しやすいといわれる理由
高い走行性能・運動性能が特徴のポルシェは、定期的に点検・メンテナンスを実施しても、故障する可能性はゼロになりません。それでは、しっかりメンテナンスしていても故障してしまう理由について、詳しく解説します。
気候・環境が欧州と異なる
ポルシェが開発されたドイツは、日本と気候や環境が異なります。日本は高温多湿の環境ですが、ドイツはそうではありません。
年式が新しいポルシェであれば高温多湿の環境にも適応していますが、年式が古いモデルや時間が経過したもののメンテナンスがされていない車輌は、高温多湿の環境で大きな負荷がかかるため、故障のリスクが高まります。
年式が古いポルシェや時間が経過したポルシェを所有している場合は、状況に応じた整備や部品交換などをしっかり行いましょう。
長期間乗車による経年劣化
ポルシェは、速度無制限区間がある高速道路のアウトバーンや世界一過酷なサーキットといわれるニュルブルクリンクが身近にある環境で育てられたクルマのため、優れた耐久性を持ちます。
しかし、走行距離が長くなると、徐々にサスペンションまわりや各取り付け部にダメージが蓄積され、不具合が発生し始めます。不具合をそのままにしておくと走行できない状態にまで悪化し、最終的に故障する可能性もあります。
そのため、ポルシェを長く乗り続けるのであれば、走行距離に応じた適切なメンテナンスや部品交換などを行うことが重要です。
ポルシェの故障しやすい部位
さまざまなモデルがあるポルシェの中でも故障しやすい部位がいくつかあります。
電装系
ポルシェの故障の中でも多いのが電装系です。警告灯やシステムエラーメッセージなどが頻発する事例があります。クルマそのもののクオリティに対して電装系の質は低いといえるでしょう。
リアハッチのトラブル
バックドアを持つモデルでは、リアハッチのトラブルが多いです。近年人気のSUVでは、リアハッチが振動したり、突然開いてしまったりするトラブルがあります。走行中にリアハッチが開いてしまうと大変な事態に発展しかねないため、荷物を載せる際はリアハッチに負荷がかからないように積載しましょう。
また、振動やガタガタ音が聞こえたときは、不具合が発生していないか点検してもらうことをおすすめします。
ポルシェの人気モデルにおける故障の特徴
ここまで、ポルシェ全体の故障やトラブルなどについて解説していました。それでは、ポルシェの人気モデルの故障には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、各モデルごとの故障の特徴を解説します。
718
ポルシェ718シリーズは、クーペモデルの718ケイマンとオープンモデルの718ボクスターの総称です。
クーペモデルの718ケイマンでは、電装系やオイル関係のトラブルが発生する可能性があります。
電装系が故障すると、警告灯が点灯するため、警告灯の種類に応じて適切に対応しましょう。また、警告灯が点灯した場合は、ディーラーや整備工場などに入庫し、どのような原因で警告灯が点いたのか確認してください。
オイル関係のトラブルでは、エンジンオイルやデフオイルなど、走行に影響するオイルが漏れたり減ったりすることがあります。オイル関係のトラブルは、その後の走行にも影響するため、オイル関係のトラブルが発生したときやクルマを停めていた場所にオイル染みがあったときは、速やかにディーラーや整備工場などで点検してもらいましょう。
718ボクスターでは、ソフトトップルーフ(幌)の故障が発生する可能性があります。ソフトトップルーフは、太陽光や雨風にさらされているため、時間の経過とともに劣化するパーツです。そのため、定期的に洗車をして、水漏れや劣化している部分がないか確認しましょう。
もし、ソフトトップルーフに違和感や不具合が見つかったときは、速やかにディーラーや整備工場にクルマを持ち込んで修理してください。
911
ポルシェを代表するフラッグシップモデルの911に多い故障は、PDK、PASM、PADMなどです。
ポルシェのDCT(デュアルクラッチトランスミッション)であるPDK(Porsche-doppelkupplung:ポルシェ・ドッペルクップリング)は、変速時に不具合やトラブルが発生する場合があります。変速時のショックが大きいときや異音が発生したときは、速やかにディーラーや整備工場にクルマを持ち込んで点検してください。
また、911では、PASM(サスペンション減衰調整)やPADM(電子制御エンジンマウント)など、電子制御されている緩衝部に関するトラブルや故障も報告されています。警告灯が点灯したり走行中に大きい音や異音を感じたりしたときは、ディーラーや整備工場にクルマを持ち込みましょう。
タイカン
ポルシェのBEVモデルであるタイカンは、バッテリーや電装系(制御系)のトラブルが発生することがあります。
バッテリーは、充電不可になる、充電が極端に遅いなど、さまざまなトラブルが起こります。もし、充電ができないときや充電速度が異常に遅いときなどは、ディーラーで点検してもらいましょう。
タイカンには、バッテリーの制御のほかにも、さまざまな部分が電子制御されています。そのため、四輪駆動システムの故障やエアコン・ヒーター関係の故障など、さまざまな制御のエラーやトラブルが発生することがあります。
警告灯が点灯したり、走行に違和感を感じたり、エアコンをはじめとする電装品関係に不具合が生じたりしたときは、速やかにクルマをディーラーに持ち込んで点検しましょう。
パナメーラ
ポルシェの4ドアセダンであるパナメーラは、エアサスペンションや電装系の不具合が発生しやすいです。
パナメーラには、グレードによってエアサスペンションが装備されているモデルがあります。エアサスペンションは、定期的な点検や部品交換が必須なパーツのため、点検や整備・部品交換を怠ってしまうとサスペンションが機能しなくなります。そのため、エアサスペンション装着車は、定期的に点検・整備を行いましょう。
電装系に不具合が発生すると警告灯やエラーメッセージなどが表示されます。表示に従って点検や修理を実施しましょう。
マカン
マカンでは、PDKや電装系のトラブルが発生することがあります。
デュアルクラッチトランスミッションのPDKは、変速時の不具合や異音などのトラブルが起きることがあります。PDKにトラブルが発生したときは、早めにディーラーで点検・整備してもらいましょう。
電装系のトラブルは、電装部品(エアコンやセンターディスプレイなど)の異常や警告灯の点灯などで察知できます。電装系に不具合が発生したときは、落ち着いて行動し、なるべく早くディーラーや整備工場にクルマを持ち込んでトラブルシューティングしてもらいましょう。
カイエン
カイエンは、冷却水の漏れや内装の天井垂れなどが発生する可能性があります。
カイエンによくあるトラブルの冷却水の漏れは、パイプの劣化が原因の場合が多いです。エンジンルームを覗き込んだときに冷却水が異常に減っていたりクルマを停めていた場所に水が垂れた跡があったりするときは、早めにディーラーや整備工場で点検しましょう。
年式が古いカイエンでは、内装の天井の内張りが垂れてくる場合があります。天井の内張りが垂れ始めたときは、悪化を防ぐためにも早めに修理に出しましょう。
ケイマン
ケイマンは、冷却水の漏れ、エンジンのプーリーやベルト類の故障などが発生する可能性があります。
冷却水の水漏れは、ケイマンによくあるトラブルであるため、冷却水が漏れた跡やエンジンから異音・異臭がしたときは速やかにディーラーや整備工場でクルマを点検しましょう。
また、エンジンのプーリーやベルト類の故障が起こることもあります。ベルト類は消耗品の1つであるため、時期がきたらベルト交換しましょう。
ポルシェが故障したときの対応
ポルシェが故障したときは、どのような対応をすればよいのでしょうか。ここでは、故障したときに取るべき行動を解説します。
故障した箇所をマークで確認する
ポルシェが故障すると、多くの場合に警告灯が点灯したりメッセージが表示されたりします。
その際は、どのようなマークやメッセージだったのか確認しておきましょう。また、可能であれば写真を撮っておくことをおすすめします。
写真を撮っておけば、ディーラーや整備工場に持ち込んだときに、どのようなマークやメッセージが表示されたのか見せられます。
故障したときのクルマの状況を把握する
ポルシェが故障したときの状況を詳細に覚えておくのも重要なポイントです。
たとえば、寒い日の始動時、高速走行中、渋滞が発生しているときなど、トラブルや不具合、故障が発生したときの状況がどのような場面だったか覚えておくと、故障の原因の特定が早まることがあります。
クルマが故障すると焦ってしまいますが、どのような状況で故障したのか記憶しておくようにしましょう。
修理にかかる費用を見積もりする
故障したクルマをディーラーや整備工場に持ち込んだら、修理の見積もりを取りましょう。見積もりを取らずに修理を始めてしまうと予想以上の出費となる可能性があります。また、見積もりが出たら不要な項目がないかしっかり確認しましょう。
業者に相談する
修理費用の妥当性については、複数の業者から見積もりを取り、比較することで判断できます。見積もりを取ったときに、その費用が妥当なのかどうかがわからないときは、他の業者に相談してみるとよいでしょう。
故障が少ないポルシェの特徴
故障しにくいポルシェの特徴は、年式が新しいモデルです。
年式が新しいモデルの故障が少ない理由は、ポルシェは新しいモデルが発売された後も改良を継続し、見た目も機能も同じでありながら改良した部品を最新モデルに採用することがあるためです。
そのため、故障しにくいポルシェが欲しいのであれば、年式が新しいモデルを狙うとよいでしょう。
ポルシェが故障した場合の修理の依頼先と費用相場
ポルシェが故障したときは、どこに修理依頼をすればよいのでしょうか。ここでは、ポルシェの修理依頼先や費用相場を紹介します。
ディーラー
ディーラーであれば、ポルシェ正規部品を使用し、メーカーが指定する手順で修理が実施されるため、安心して修理を依頼できます。
ただし、部品代や工賃などが整備工場と比べると割高になる可能性が高いです。たとえば、ドアの板金塗装をディーラーで行う場合、5万円〜が相場となります。
整備工場
整備工場は、ディーラーより安い金額で修理できる場合が多いです。また、OEM部品を使った修理も可能であるため、部品代を安く抑えられます。
たとえば、先述したドアの板金塗装を整備工場でする場合、1万円〜が相場です。このことからも、ディーラーより整備工場の方が修理費用を安く抑えられるといえるでしょう。
故障対応を頭に入れて安心してポルシェに乗りましょう
ポルシェは故障しにくくなっているものの、絶対に故障しないというわけではありません。
今後、ポルシェを購入する予定がある方は、故障したときの対応、保証の有無や保証内容などをしっかりと確認してから購入しましょう。
また、現在ポルシェを所有していて維持するのが大変なときは、高く売却して新しいポルシェの購入を検討するという方法も視野に入れることをおすすめします。