更新2025.03.31
プラレール号の記録簿 vol.11:旧車といえば・・・駐車場でしょ(その2)
松村 透
前回、プラレール号の住み処となるビルトインガレージ付きの家を建てることになった筆者ではありますが、その後もさまざまな難題が待ち構えていたのです・・・。
■物件探しからスタート
とにもかくにも新居となる物件探しからスタート。希望する条件は、現在の住まいと同じ市内とその近隣、土地は50坪前後。困ったことになかなかいい物件が見つかりません(*見つかっても高い)。こうして不動産物件検索サイトを巡回する日々がはじまります。
2日もすれば既存の物件はほぼ見尽くして、新着の物件だけをチェックするように。お目当ての中古車を探すときとまったく同じパターンです。検索サイトに掲載されていない物件があるかもしれない・・・と思い、徒歩圏内で行けるところにも足を運びました。
結論として、建売住宅では希望するような家(ビルトインガレージ付き)が近隣にはないことが確定し、土地探しに的を絞って探すこと4ヶ月・・・ようやくいまの住まいの物件に巡り会うことになります。
■モデルハウスの工事がはじまる直前に現在の住まいとなる土地をキープ
現在の物件は、いくつかまわった地元の不動産会社から紹介されたなかでは理想的ではあるものの、あきらかに予算オーバーでした。とりあえず現地に行ってみようと思い足を運ぶと、ポツンと仮設トイレが置かれているではありませんか。それはつまり、近いうちに工事がはじまることを意味します。
まずい!他の人に先を越されたか・・・と思い、ダメもとで売り元の不動産会社に連絡してみると「当社のモデルハウスを作ることになっていて近々工事がはじまる」というではありませんか。今ならまだ工事をストップできるということで、何とかギリギリセーフ。よくある常套句かと思いきや、筆者が連絡をした時点でモデルハウスの図面が完成しており、工事の認可も出てスタートする直前だったそうです(実際の図面も見せてもらいましたが、本当にそうでした)。
■約50坪の土地に決定したものの・・・ガレージのスペースがギリギリ
土地のサイズは約48坪。ここにビルトインガレージを加え、外に駐車スペースを2台分、2階建ての戸建てを造るとなると、何を削るかというと庭しかありません。図面を依頼する前に、何度も何度も手書きで図面を引き(建築科出身の妻が主に担当)、何とか落としどころを見つけ、図面を引いてもらってからも微調整を行いました。ほんとギリギリです。
一生に1度か2度しかない家を買うというビッグイベントだけに、施主側であるこちらの気合いも半端ではありません。原稿を入稿した後、編集部チェックの修正依頼の多さに頭がクラクラすることもありましたが、その比ではないほど。建築士や不動産会社の営業マンの方の苦労がしのばれます・・・。
■フリーランスに住宅ローンは辛いよ
ようやく家の設計図がまとまり、細かい仕様も概ね決まり、総予算が見えてきました。案の定、思いっっっっきり予算オーバー。そもそも払えるのかなと思ってしまったことも事実。そしてフリーランス(当時)にとって最大の難関「住宅ローンに通るのか否か」という審判のときがやってきました。不動産会社にしても、住宅ローンが通らないような施主であればもっと早い段階でストップが掛かっているだろうから大丈夫かも・・・といった多少の期待感はありましたが、最終的に融資するか否かの決断を下すのは銀行です。
何しろこちらは個人事業主。公務員や大手企業に勤める会社員の方たちと比べたら著しく社会的信用度が低いのです。あとで分かったことですが、筆者がなんのツテもなく、正面突破で銀行や信用金庫に乗り込んで住宅ローンを通すよりも、普段から銀行と取引のある不動産会社を通じて仮審査を通した方が通りやすいようです。
仮審査をクリアした時点でほぼ大丈夫だと担当営業の人から聞いてはいましたが、本審査を通過するまでは本当に気が気でなかったです。フリーランスの立場でローンを組み、家を買うときは本当に・本当に・本当に覚悟した方がいいです。頭金ゼロのフルローンなんて論外です(というかやめた方がいいです)。クルマのローンを組んでいたらその分の融資を減額されるか、売却してローンを完済しないと審査を通さないなど・・・。クルマ好きにとってはもはや「踏み絵」にしか思えないような、あまりにも残酷な条件を突きつけられます。
■フリーランス必見?住宅ローンを組んで家を買うときに気をつけること
●早ければ早いほどいい
その理由として「ローンを完済する年齢に上限があるから」です。フラット35は79歳11ヶ月、団信の内容によってはそれより前倒しになるなど、スタートからゴールまでの時間が短くなればなるほど予算を抑えるか、月額のローンの支払いを上げるしかありません。
●頭金は多ければ多いほど有利
「アパートの家賃を払うなら買っちゃった方がいい」といったうたい文句で「頭金ゼロ×35年、月々8万円」みたいな建売住宅の広告を見掛けることがありますが、会社員ならともかく、フリーランスでこれをやったら住宅ローンの審査がとおらない可能性があります。100万円でも、300万円でも。できる限り避けたいところですが、どちらかのご両親に借りて(あるいは融資してもらって)頭金を用意するだけでも審査が少しは有利になります。
●家を買う前(少なくとも数年前)にクルマを買っちゃダメ
家を買う前に残クレでクルマを買うなんてもってのほかです。これだけはマジでやめてください。その分の融資が減額されるか「完済してローンをチャラにしたら審査を通す」といった条件が課せられることも多く、残クレで契約したクルマを返却しても残債が残ったらそれこそ悲劇です。クルマを買うのは家を買ってからでも遅くはありません。本気で欲しいと思っていたクルマがカーセンサーに掲載されても「いまはそのときじゃない」と、きっぱり諦めてください。
●正面突破で銀行に行くより、不動産会社を介した方がローンが通りやすい印象
住宅ローンの審査をするのも人間なので(AIによる事前判定もあるようですが・・・)、いきなり「住宅ローンを組みたい」と銀行を訪ねてくる得体の知れないフリーランスよりも、普段から付き合いのある不動産会社の担当から「この人は真面目に仕事しているので大丈夫ですよ」と口添えしてもらうだけでも印象がぜんぜん違います。
●カツカツのローンは組まない
クルマのように、長くて5〜6年といったローンサイクルとは異なり、住宅ローンは数十年単位の長期戦になることが一般的です。「フラット35」のさらにうえをいく「フラット50(つまり最長50年ローン)」があるほどです。毎月のようにまとまった金額を返済に充てていくことになります。その場のノリと勢いで予算を決めず「これくらいならまぁ大丈夫だろう」というリミッターをできるだけ低めに設定することを強くおすすめします。変動金利が上昇しつつある現在であればなおさらです。
●会社員や公務員より金利は高くなりがち
会社員や公務員より信用度が低いフリーランスでも住宅ローンが組める場合・・・。その条件として金利が高くなりがちです。「住宅ローンは組ませてあげるから、こちら(銀行)もリスクを背負う分、高めの金利にさせてもらうよ」という論法です。パートナーの方が手堅い職業に就いているなら、力を貸してもらう手もあります(後述しますが、ペアローンは個人的にあまりおすすめしません)。
●最低でも過去3期分の実績が必要
会社員であれば転職して1年を経過すれば住宅ローンの審査を通過できる事例もあるようですが、フリーランスの場合は最低でも過去3年分の実績(確定申告)が必要です。つまり、家を買うと決めた時点で、向こう3年間の確定申告の中身をどうするか考える必要があります。
●売上げではなく年収を見られる
税金対策として、フリーランスは年間の売上げに対して年収を低く抑えがちです。これが住宅ローンを組むときにひびいてきます。仮に年間の売上げが1000万円で年収が300万円の場合、後者を軸に住宅ローンの審査(融資額)が決まります。「いくら売り上げているか」よりも「いくら稼いでいるか」が重要になってきます。
●携帯電話端末の分割未払いや税金の滞納がない
ここ最近「これだけはやっちゃダメ」と周知されつつあるので知っている方も多いと思いますが、携帯電話(スマートフォン)端末の分割未払いがある場合、確実に住宅ローンは通りません(1ヶ月以内に支払っていれば何とかなるかも。3ヶ月以上、1度でも滞納したらアウトです)。また、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などはきちんと払っていることも、審査をクリアするうえで極めて重要です(ホントです)。
●これまでローンを組んだ実績がある
頑なに「ニコニコ現金払い」を貫く人がいますが、クルマを含めて現金払いをしてきた人が住宅ローンの審査をするとき、いわゆる「クレヒス」がまっさらなので、ローンを通して良いものか判断に迷うことがあるようです。「ローンが組める(組んだことがある)=一定の社会的信用度があること」を裏付けになるわけですね。
●健康第一
意外に思われるかもしれませんが、健康第一であることも極めて重要です。病気で仕事ができないとなると住宅ローンの審査を通過できない可能性があります。
●ペアローンは最終手段
パートナーと2馬力で住宅ローンが組めるペアローン。たしかに手に届く物件の選択肢や融資額がグッと増えます。しかし、デメリットもあります。仮に離婚した場合、双方の合意がなければ売ることもできません。またどちらかが亡くなってしまったとしても、団信保険が適用されるのは仏様になってしまった人のみ。先々のことを考えるとリスクも大きいので、これはあくまでも最終手段。ローンは一本化した方がいいと個人的には思います。
●連帯保証人の存在
筆者の母親の遺言にも「連帯保証人にだけはなっちゃダメ」と教わりましたが、まさか自分がお願いする側にまわるとは・・・。あっさりとサインしてくれた妻には感謝しかありません。それはつまり、筆者が住宅ローンを払えなくなった場合(たとえば蒸発したり。もちろんしませんが)、妻に全責任が覆いかぶさることになるわけで・・・。さすがにそれは許されません。
●固定金利か変動金利かはそのときの状況に応じて慎重に
現在の主流は変動金利。その理由は変動金利の方が金利が安いから。ここ最近、ニュースでも報道されていますが、長期金利の上昇にともない、変動金利もその影響を受けています。つまり、毎月の支払い額が増えているのです。変動金利と固定金利を組み合わせた「金利ミックス型」という方法もあります。途中でローンの組み替えもできますが、自身の懐具合や社会情勢などを慎重に見極めてください(どちらが正解かは本人でなければ分かりませんし)。
■余談:結婚するつもりがあるなら、独身のうちに家を買わない方がいいです。いやまじで
これ、最後にお伝えしておきます。
文字どおり「将来、結婚するつもりがあるなら、独身のうちに家を買わない方がいい」です。
結婚を約束しているパートナーがいる場合はもちろん、特定の相手がいない段階であればなおさらです。
自分にとって住みやすいと思う家が、パートナーにとって必ずしもそうとは限らないからです。
選ぶ家具や室内の雰囲気(壁紙や色合い、素材)など、すべて自分ひとりの好みで作りあげているため、パートナーの人は合わせるしかないのです。
お互いに妥協点が見出せず、住み替えるにしてもいま住んでいる家を売却してから、という話になります。
また、どちらかの勤務先の関係で転居する必要がある場合、あるいはお互いの通勤に楽な立地に引っ越したい場合など、持ち家であることが足かせになる可能性もあります。
もし、2人の理想の家を作ることになったとしても、ビルトインガレージをokしてくれた時点であとはパートナーの好きなようにしてんもらった方がいいように(経験上)思います。
[画像・Adobe Stock・ライター・撮影/松村透(株式会社キズナノート)]