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更新2017.12.20

クルマ趣味のまさに極み!牡蠣ツーリングに行ってみた!

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鈴木 修一郎

クラシックカーに限らず、クルマを趣味にしている人の楽しみに一つに「ツーリング」というのがあると思います。筆者のクルマの整備をお願いしている東海自動車の社長から「12月に入ったことだし旬の牡蠣を食いにツーリングにいかない?」という誘いを受け、12月10日に牡蠣ツーリングに参加しました。

元々東海自動車主催のツーリングは社長のプライベートカーのTE27型カローラレビン(いわゆるニイナナです)の長年にわたるレストアが完了し、せっかくだから他のクラシックカーオーナーのお客さんと何かイベントをしようという話から始まった企画で年に数回開催されています。所が生憎、社長のニイナナが完成したのと入れ替えで筆者のセリカLBがレストアに入ってしまったのと、昨年末筆者のセリカLBが完成した後も筆者のスケジュールが合わずで、なかなか参加できないでいたのですが、今回ようやく参加する事ができました。   

筆者自身もしばらく体を悪くしてロングドライブができなくなっていた時期もあり、パーティを組んでツーリングというのも随分久しぶりになります。余談ですが、東海自動車の社長は過去にヒストリックカーオンリーのジムカーナも主催していたことがあるそうです。


▲東海自動車西社長のニイナナレビン。一度だけ代車が無くて代車として2日ほど借りたことがあります

筆者は長年、昭和48年型セリカLBという本来なら趣味の対象として所有するクルマを、「たとえクラシックカーといえども自分には移動手段の道具でありそれ以上でもそれ以下でもない」と仕事からプライベート、季節、天気問わず使っていたのですが、ふと気づけば年齢と体脂肪に比例するかのように出不精が酷くなると、最低限の用事にしかセリカLBを使わなくなり、クルマの運転という行為を純粋に楽しむだけクルマでどこかに出かけるという「ツーリング」という行為を億劫がるという「GT(グランドツーリング)」というエンブレム掲げたクルマに乗るクルマ好きとして有るまじき堕落したカーライフを送っていました。

昔は思い付きで名古屋・東京を往復したり、色々なイベントやミーティングに参加したり、時にはサーキット走行もしたりしていたのですが、この数年はクルマ好きらしいことと言えば近所のセルフSSで洗車して磨いて眺めて満足し、カーモデルを組んで、お菓子をつまみながらスロットカーを走らせるくらいという体たらく、しかしこれでは宝の持ち腐れ、このままでは本当に豚に真珠、疾らねぇ豚はただの豚になってしまうと、昔は女性すらも羨む痩身は見る影もなく肥え太った中年腹に鞭を入れ、集合場所の東名阪自動車道御在所サービスエリアにむかいました。


▲集合場所の御在所SA、ランボルギーニは偶然居合わせただけです
いつもなら惰眠を貪ってる休日の朝ですが、さすが日曜日の早朝とあってこれから筆者たち以外にも様々なクラシックカーやスーパーカーが時折パーキングに姿を見せる事もありました。

この後軽く挨拶をし、次の休憩地点の伊勢自動車道の多気パーキングエリアに向かいます。世間でいう旧車、クラシック、ビンテージと呼ばれるようなクルマに乗っているとただでさえなにかと見られる事を意識する事が多いのですがそれが10台近い台数で連なるといつもの比ではありません。走行中でも隣の車線のクルマが速度を合わせて同乗者がスマホカメラを向けているというのも珍しくありませんし、走行中は自分たち以外にも同じようなヒストリックカーのパーティに遭遇するということも。

昨今のクラシックカーブームで昔のクルマの市場価格が暴騰気味で閉口することもあったのですが、一方で積極的にツーリング等で実動する機会も増えているようで必ずしも悪い事ばかりでもないようです。


▲伊勢自動車道多気PAで休憩



東海自動車の若手メカニック君(現在初期型ニイナナレビンをレストア中)のカワサキZはウィンカーレンズを途中で落としてしまったようです。





多気パーキングには日産車のパーティやVWのレイトバスもいました。2000年以前よりむしろこの数年のほうが路上で昔のクルマを見かける機会が増えたような気がします。

筆者は常々、歴史や文化を手に入れるのは技術やスペックを手に入れるより難しいと言っていますが、電気自動車や自動運転にシフトし、新興国が自動車を自国開発する時代になってさえも、手間もかかり、性能も快適性も劣り、運転にも特殊な操作技術を要しても、様々なバックグランドを持つクラシックカーにはそれらを帳消しにするだけの魅力があるのでしょう。

中国が電気自動車で覇権を握る可能性もありうると言われる昨今ですが、新興国がどれだけ技術でリードしてもそうそう簡単には手に入れることが出来ないのがクラシックカーという文化でしょう。



このあとはパールロードを経由して牡蠣食べ放題なのですがその前にファミリーマートで一服。ちなみにCL読者の皆様ならどこかで見たような気がする看板の「えさきち」は鳥羽では有名な釣り具、釣り餌店です。
このとき、はぐれたサニトラを待っていたのですが、サニトラのメンバーが合流したまさにそのタイミングで偶然にもサニトラのパーティーが通過していき、「あれ、あっちじゃないの?」と一同爆笑する一幕も・・・。





駐車場のスペースの関係で他のクルマが出入りできるスペースを確保しつつ空きスペースに押し込むことに。


▲お楽しみのモト牡蠣養殖場へ向かう東海自動車牡蠣ツーリング一行


▲この漁港は牡蠣の養殖場が集中しているようです。










▲早速、牡蠣食べ放題


▲東海自動車のメンバー一番奥でスマホを構えてる方はこのメンバーの中でも最も食いしん坊とあって満面の笑みを浮かべています。



牡蠣を堪能した後は伊勢志摩スカイラインのワインディングロードを堪能します。(勿論安全運転で)平成の世も早や30年、次の元号への引き継ぎの話も耳にする昨今ですが、このクルマもこの料金所ゲートも忘れえぬ昭和の遺構としてこれからも残っていくのでしょうか・・・。


▲東海自動車の若手メカニック君





伊勢志摩スカイラインのパーキングに集合、「セリカだ、懐かしい」という声がそこかしこから聞こえます。東海自動車の社長は「このレビンどうしてるんですか?」「じつは僕はこういうクルマを専門に直す工場をやってまして・・・。

みんなウチのお客さんなんですよ」と質問攻めに遭っていました。クラシックカーオーナーになると何処へいってもすぐに人気者になれます。


▲伊勢湾が一望できる展望台。条件が良ければ富士山も見えるそうです



牡蠣ツーリング最後の締めはお伊勢さん参り。時間的にギリギリになってしまいましたが伊勢神宮をお参りしてきました。



お伊勢さんというと平成25年の式年遷宮が話題になりましたが、実はこの式年遷宮、建て替えといっても使える部材はそのまま再利用するようで、ある意味では定期的なレストアやオーバーホールに近い部分があるかもしれません。どこかクラシックカーのフルレストアの技術に通じるような物すら感じます。

近年、技術継承者の育成やそれに伴う人材不足が叫ばれていますが、実は式年遷宮は宮大工の技術継承になるという昔の人の知恵とも言われています。


▲荒祭宮に着いた頃にはすっかり日も暮れていました

ところで、今上天皇陛下が皇太子時代から自らクルマを運転されることが好きな自動車愛好家であることはご存知の方は多いと思いますが、実は日本の自動車産業の黎明期と日本の宮家には密接な関係があるというのはご存知でしょうか?

その昔、「自動車の宮様」と呼ばれた有栖川宮威仁親王殿下がフランス留学から帰国の際2台のダラックという自動車を持ち帰り、「自分が皇族の身でなければ自動車の運転手を職業にしたかった」と口にするまで自動車を気に入り、ドライブを趣味にされていたそうです。ある日、威仁親王殿下が運転操作を誤りダラックで事故を起こしてしまい、アクスルを曲げてしまいます。

その時、親王殿下のダラックに同乗していた自動車商の吉田眞太郎、内山駒之助が応急処置で曲がったアクスルを修理するのですが、そのとき殿下は吉田に
「君は自動車を直すことは出来るようだが、このような自動車を作る事は出来ないか?」
と尋ね、すかさず吉田は
「もちろんできます。」
と答えたといいます。これこそ日本の自動車の歴史が動いた瞬間でした。

様々な試行錯誤の末、国産車初のガソリン自動車といわれている明治40年(1907年)吉田式乗用車、別名タクリー号が完成しました。完成したタクリー号は威仁親王殿下にも納入され、愛車として使用されます。

そして明治41年(1908年)8月1日威仁親王殿下主導で日比谷公園に当時は存在そのものが珍しかった11台の自動車が集まり、国立市の谷保天満宮までツーリングするという「遠乗会」が開催されます。この「遠乗会」は日本で最初の自動車イベントととも言われ、陸軍、政財界の重鎮や新聞記者を乗せた自動車は甲州街道を駆け抜けたといいます。

そして谷保天満宮では昼食会の後、交通安全と日本の自動車産業発展の祈願の祝詞をあげ帰路についたといわれています。これが日本での交通安全祈願の発祥とされ、このとき第一生命の創始者の矢野恒太の発案で日本で最初の自動車クラブである「オートモービル・クラブ・ジャパン」が結成され、現在谷保天満宮は地元のクラシックカー愛好家の協力で日本自動車産業の発展を見据えた交通安全祈願発祥の地として、クラシックカーイベントが開催されているそうです。実はツーリングと交通安全祈願は非常に密接な関係があるのです。

我々、東海自動車一行もお伊勢さんをお参りした後帰路につき朝と同様、御在所SAに向かいます。





御在所SAで解散し、筆者もお土産を買って家路につきます。日頃の不摂生が祟り、酷く疲労してしまいましたが、どうにか無事にツーリングを終えることが出来たのもお伊勢さんのお参りのおかげでしょう。しかし、翌日は体調不良で寝込むハメに・・・。

寄る年波とは言いますが、久しぶりのツーリングで体調を崩すという無様さ、クルマはレストアできても老いた人の体をレストアすることは悲しいかな、できないのです。

[ライター・カメラ/鈴木修一郎]

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