アイキャッチ画像
イベント

更新2022.02.17

西日本最大級のクラシックミニ&ヒストリックカーの祭典。「秋のOKAYAMA International Classic 特別編」

ライター画像

野鶴 美和

去る2021年11月3日(水・祝)に、岡山県美作市にある岡山国際サーキットにて開催されたレースイベント『秋のOKAYAMA International Classic 特別編』の取材に行ってまいりました。20年以上の歴史を持つ「西日本最大級のクラシックミニとヒストリックカーの祭典」をご紹介します。


こちらのイベントは、2021年5月16日に開催予定でしたが、コロナ禍の影響で昨年に続いて2年連続の中止となっていました。その代替大会として今回、「特別編」が開催されました。


秋のOKAYAMA International Classic 特別編:イベントの歴史


『OKAYAMA International Classic 』は、クラシックミニのサーキットイベント『Mini Jack』として1998年にセントラルサーキット(兵庫県)でスタート。


第3回より岡山国際サーキット(岡山県/旧TIサーキット英田)に会場を移して開催。国内最大級のサーキットイベントに成長しました。


2018年より『OKAYAMA International Classic』と改称し、1975年までに生産されたクルマによるヒストリックカーレースにリニューアル。クラシックミニのワンメイクレースを中心に、国内外のヒストリックカーが参加できるようになっています。


外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

秋のOKAYAMA International Classic 特別編:スポーツ走行の部



▲スポーツ走行の部スタート場面

ナンバー付きの愛車で参加できるサーキットランの部。年式の新しいクルマも含めたさまざまなクルマたちが、サーキットを駆け抜けていました。


秋のOKAYAMA International Classic 特別編:多彩な仕様のミニが出走





ミニオンリーのサーキットイベントとしてスタートしているので、カテゴリはー多彩。純正のままのマシンから200馬力近くまでチューニングされたモンスターマシンまで、さまざまなミニの勇姿を目にすることができました。



▲南海太郎選手のAM-Rasing 3号車(1995年式/1.3iクラス)


▲森本一弘選手のBGレーシング 1.3iチャレンジ(1998年式/1.3iクラス)


▲山崎遊選手のバリーガレージ1.3iミニ(1993年式/1.3iクラス)


▲福田大介選手のBGRシャウムクレームミニ(1990年式/1300Nクラス)


▲藤井清司選手のプロジェクトイノオ・ホクセツ号(1992年式/1300Tクラス)


▲嶋本創選手のインフィニティミニ(1989年式/オープンクラス)

 



▲倉本一史選手のVTECレーシングライド(-/モトクラス)


▲合田淳志選手のクーパーズレジェンドMOTO(1970年式/モトクラス)


▲野村敏之選手のモーリスミニクーパー(1968年式/GW1500アンダークラス)

外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

秋のOKAYAMA International Classic 特別編:往年の名車たち





1975年までに生産された英国車、イタリア車、フランス車。1970年までに製造されたドイツ車、アメリカ車、日本車が競い合うレース。旧車ファンにはたまらないカテゴリーです。



▲長浜元之選手のロータス ヨーロッパ(O.P.T ヨーロッパ/1974年式)


▲迫なほみ選手のアルファ ロメオ ジュリアスパイダー(スパイダーフレッチャチェレスタ/1970年式)


▲伊藤俊哉選手のダットサン 240Z(DAD’S&チェック240Z/1970年式)

【参加者VOICE】小山英樹選手(59歳) オースチンミニクーパー(1967年式) 



▲小山英樹選手と愛機オースチンミニクーパー。GW 1500アンダークラスにエントリー

20代の頃から参加し続けている小山さんにお話を伺いました。運転免許取得後、2台目の愛車からはずっとミニに乗り続けてきたという小山さん。現在は3台のミニとオースチンヒーレーの4台体制でカーライフを満喫中だそうです。


小山選手:
私にとってこのイベントは最高の「うさ晴らし」です(笑)。自分が整備したクルマで、きちんとレギュレーションを守りつつ一日走って、日頃のストレスを解消できるのが良いですね。


このマシンは、ノーマルであることと、昔ながらのタイヤを使って走ることにこだわっています。


自分の操れるマシンで気持ち良い旋回を味わいながら、1960年代当時の雰囲気を楽しみながら走っています。



▲愛機を駆る小山選手


▲気持ち良く旋回できるタイヤにこだわっているという

外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

【参加者VOICE】那須啓文選手(55歳) トヨタ セリカ(1970年式) &桐山昌樹さん(50歳)



▲ヒストリックモトクラスにエントリーした那須啓文選手(右)と愛機セリカ。長年の友人でもあるkiriyama worksオーナー桐山昌樹さん(左)と

この日は17年間〝育児休業〟を経てレースにやってきた再スタートの日という那須選手。長年親交のあるみなさんとも久々の再会だったようです。まずは今日の感想を伺いました。


那須選手:
ほど良い緊張感と高揚感が交錯し、感覚がいつまでも若くいられるモータースポーツは、本当によくできた〝生涯スポーツ〟ですよね。


とくに今日のようなヒストリックカーレースは、マシンにとっても「ホモロゲーション切れによって現役競技を終了」なんていうモータースポーツ界の定めから解き放たれた、まさに〝生涯スポーツ〟と言えるのではないでしょうか。



▲“育児休業”に入った翌年からコツコツと仕上げてきたマシンを駆る

那須選手は、理想のヒストリックカーレースとして愛されている『SCENE IN THE 60’s』の立ち上げ当時、オーガナイザである「DAD’S Racing」の中堅としてイベント固有のデザインと演出を創りながら、参加ドライバーとしてもその草創期を走ってきています。その頃以来、〝ヒストリックカーレースの世界〟と〝ミニレーサーの世界〟両者は、深い関わりをもちながら 現在に至っているそうです。


那須選手:
ミニレーサーのみなさんには、大きな恩があります。


“旧き良き1960年代のレースシーンを再現しよう”というコンセプトの『SCENE IN THE 60’s』草創期を支えていただきながら、確固たる存在感を放つ濃厚キャラクターとして、同じ志を描いて参戦してくださっていたのが、この日の主役である〝ミニ軍団〟のみなさんなんです。


2018年にヒストリックカー部門も加わった『OKAYAMA International Classic』へと進化したのをきっかけに、参加できるようになったという那須選手。参加への思いを伺いました。


那須選手:
2018年に『Mini Jack』の参加車枠が拡大して『OKAYAMA International Classic』へと進化する大事件が。


これはもう、謹んでエントリーさせていただくほかございません。しかしながら、長年に渡って築き上げられてきている〝英国紳士流モータースポーツ〟の社交場に参入させていただく新参者としては、〝東洋もん〟なりの礼儀を正して紳士らしく振る舞わなければなりません。


『Mini Jack』が『OKAYAMA International Classic』へと進化しても、「レース内容、そして雰囲気もしっかり守られている」と古参のみなさまから好評価をいただけるよう、伊・仏車は もちろん、独・米・日本車の面々も“Mini Jack精神”を心に据えて レースを愉しまなければ……と、気を引き締めています。


 



▲DAD’S Racingが主催する「SCENE IN THE 60’s」は、〝旧き良き1960年代のレースシーンを再現しよう〟というコンセプトで脈々と開催し続けられている

 


桐山昌樹さんは、岡山県倉敷市で営むミニのショップ「kiriyama works」のオーナー。前身イベント「Mini Jack」の第1回から、当時修行していたショップのドライバーの1人としてエントリーしていたこともあるといいます。今回はギャラリーとして、仲間の応援に駆けつけたそうです。


桐山さん:
このイベントは、私にとってなくてはならない存在です。“大人のレースごっこ”が楽しめる大切な時間です。


野球少年だった大人が草野球をするときユニフォームを揃えるように、大人がレースをするとなれば、レーシングスーツ・ヘルメット・シューズ・グローブを揃えて臨むんです。


そうすれば用具業界も潤いますし、良い循環になりますよ。


しかし、コロナの影響で落ち込んだ景気が回復していけばいいですね。若手も増えてほしいです。こうしていつまでも“大人のレースごっこ”に興じるひとときが続いてほしいと思います。


 


 


各レースの結果





 


レースはスポーツ走行・スプリントレース・耐久レースに分かれて開催されました。


ミニワンメイクレースのクラスは「998チャレンジ」「1.3iチャレンジストリートリーガル」「1000チューニング」「1300チューニング/ノーマル」「オープン」「モト」が設けられています。


ヒストリックカーレースのクラスは「グッドウッド1500アンダー」「グッドウッド1500オーバー」「ヒストリックモト」が設けられています。


うち「998チャレンジ」「1.3iチャレンジストリートリーガル」及びヒストリック各クラスはシリーズ戦となっていて、今回が第3戦。今シーズンの最終戦は2022年5月に予定されています。


さらに、今回は新たに1時間耐久レースも加わって一層賑やかに。変則ルマン式でのスタートから始まり、盛り上がりを見せていました。


 


998クラス


「より手軽に、そしてイコールコンディションでレースを楽しもう!」を指針に掲げた、Miniスプリントレースのエントリークラスです。ほとんどのチューニングは禁止。もちろん排気量もMini1000ノーマルの998ccです。ドアミラー、フロントグリル、ホイールまで純正のまま! パワーに差がほとんどないので、各コーナーでのデッドヒートバトルは必見です!
[推定45馬力前後]
 998 challengeは、1シーズン3戦のトータル獲得ポイントで総合優勝が決定! 関東でも開催され、今や大評判の「998 challenge」是非あなたもチャレンジされては。
(HPより抜粋)





1位 木村博之選手/AHM
2位 渡辺博史選手/FC-R
3位 片岡哲選手/阿波徳島BCレーシング998


 


1.3iクラス


1992~2000のMini 1.3i (Mpi、サンルーフ、キャンバストップは不可)ナンバー付車輌での参加可能。
1.3i チャレンジ ストリート リーガル
(HPより抜粋)





1位 髙橋勝利選手/AM-Rasing TAG号
2位 早野恵二選手/丹下ジム所属
3位 南海太郎選手/AM-Rasing 3号車


 


1000チューニングクラス


排気量1020cc未満のチューニングMini。1020ccまででとれだけ速くMiniを走らせることができるか。レースに勝つ為に生まれてきたレーシングカーです。
[推定85馬力前後] 1020cc未満・タイヤサイズ12inch以下
(HPより抜粋)





1位 小櫻巧選手/アップトン #9


 


1300ノーマルクラス


ノーマル排気量(1275cc)からの変更は認められないのはもちろん、ボディや足回り、エンジン&ミッションに至るまで、チューニングに厳しい制限があるのが、やはりレーシングカー! 街乗りノーマルカーとの違いをご覧下さい。
[推定65馬力前後]
(HPより抜粋)





1位 福田大介選手/BGRシャウムクレームミニ


 


1300チューニングクラス


排気量1300cc未満のチューニングMini。1300ccまでA型エンジンでどれだけパワーが出せるのか。トータルバランスをどこまで高められるか。チューナー達の技がつまったレーシングカーです。
[推定馬力110馬力前後] 1300cc未満・タイヤサイズ12inch以下
(HPより抜粋)





1位 味波史章選手/プロジェクト・イノオ33
2位 白戸次郎選手/プロジェクト・イノオ30


 


オープンクラス


名前の由来は「排気量無制限、規定なし」のオープンクラスです。排気量を上げればパワーはもちろんアップ! 各マシンのドライバーは、有り余るパワーをねじ伏せコーナーをクリアしていきます。
[推定130馬力前後] 1300cc以上・タイヤサイズ13inch以下
(HPより抜粋)





1位 大谷泰博選手/tta Otani mini


 


モトクラス


ミニのレースマシン最高峰のモトクラス。よく見ないと「これがMini???」と思ってしまうほどのモンスター。怪物の名にふさわしく、フレームからエンジン、足回り、ボディカウルなどなど……すべてを一から作製したレースのためのスペシャルマシン!究極のMiniです。200馬力近いパワー!極限までシェイプされたボディ。スリックタイヤの装着が許される唯一のカテゴリーです。さあ、そのスピードとパワーに注目! ツインカム&ターボOK!
(HPより抜粋)





1位 倉本一史選手/VTECレーシング・ライド


 


GW1500アンダークラス


1975年までに製造された英国車(Miniのミッションはダイレクト又はリモート)、イタリア車、フランス車。1970年までに製造されたドイツ車、アメリカ車、日本車 クラス グッドウッド(バイアスタイヤを装着している車輌)
・1500アンダークラス:排気量 1500cc未満 
(HPより抜粋)





1位 野村敏之選手/モーリスミニクーパー


 


ヒストリック1500アンダー/オーバークラス


1975年までに製造された英国車(Miniのミッションはダイレクト又はリモート)、イタリア車、フランス車。1970年までに製造されたドイツ車、アメリカ車、日本車 クラス グッドウッド(バイアスタイヤを装着している車輌)・1500アンダークラス:排気量 1500cc未満 ・1500オーバークラス:排気量 1500cc以上
(HPより抜粋)





1位 林誠選手/ガルト 1300クーペ


 


ヒストリック1500オーバークラス





1位 伊藤直哉選手/DAD’S&チェック510
2位 濱田郁人選手/culod’OLO36


 ヒストリックモトクラス


1975年までに製造された英国車(Miniのミッションはダイレクト又はリモート)、イタリア車、フランス車。1970年までに製造されたドイツ車、アメリカ車、日本車 クラス グッドウッド(バイアスタイヤを装着している車輌)
・1500アンダークラス:排気量 1500cc未満 ・1500オーバークラス:排気量 1500cc以上
(HPより抜粋)











1位 神藤秀和選手/RSハマダ日本GPセリカ
2位 小出慎二選手/クーパーズレジェンドS子ちゃん
3位 江見慎之介選手/チェックセリカ177号


 


耐久レース「A GOOD FRIEND 60min」





1位 RS-IKEDA 322(ミニ 1.3iクラス)
早野恵二選手 中富伸一選手 坂上孟選手


2位 FC-R(ミニ 998クラス)
戸田豊選手 渡邊博史選手


3位 BGレーシングデイブレイク(ミニ 998クラス)
西川光博選手 三尾修選手


4位 BGR・NEKOTAKU 01(ミニ 1.3iクラス)
金子新選手 福田大介選手


5位 AM-Racing TNT(ミニ 1.3iクラス)
髙橋保雄選手 髙橋勝利選手 南海太郎選手


6位 イズミスピリッツ(ミニ 998クラス)
永田博輝選手 道正田均選手


※詳細なリザルトは公式HPをご覧ください
http://www.minijack.org.uk/


外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

取材後記


長年親しまれてきたイベントだということが、会場の雰囲気から伝わってきました。レースは白熱しているのですが、独特の“ゆったり感”が漂っているのです。とてもあたたかい雰囲気を感じました。


聞くところによると、何年も同じマシンで参加し続けている方も少なくないそうです。マシンとともにシンボリックな存在となり「名物なあの人」が多いのもイベントの大きな特徴と同時に、愛されている証だと思います。


今回の舞台、岡山県にはサーキットが3コースあり、ジムカーナを受け入れている農道空港や河川敷コースも存在します。また、整備士の卵たちの甲子園ともいえる「全日本高等学校ゼロハンカー大会」、ラリーイベント「ベッキオ・バンビーノ」が開催されるなど、実はモータースポーツに縁深い県なのです。


インタビューでも那須選手がおっしゃっていましたが、今の時代だからこそクルマという趣味を「文化」として盛り上げることのできる『OKAYAMA International Classic』ようなイベントを行う地域が1カ所でも多くなることを願ってやみません。





 


[取材協力]


Mini Jack 大会事務局
(オートファクトリーアラサキ/オートメモリー /スミスサービス/日欧貿易サービス/ 
バリーガレージ/ペニーレーン/マイティドッグ)


岡山国際サーキット


那須啓文(Fukiya design. )


kiriyama works
 


[ライター・撮影/野鶴美和] 


 

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています
輸入車に特化して20年以上のノウハウがあり、輸入車の年間査定申込数20,000件以上と実績も豊富で、多くの輸入車オーナーに選ばれています!最短当日、無料で専門スタッフが出張査定にお伺いします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。