更新2021.06.14
「13年超車の重課税制度」に異を唱え続けて改めて思うこと
ryoshr
筆者が管理しているfacebookグループ「13年超車の重課税反対」の活動において、この重課税が変わったかを検証してみた。
■そもそも「13年超車の重課税」は何がおかしいのか?
2001年から段階的に導入されている自動車税・重課税に関する重課税だが、「環境負荷」という科学的根拠も定量的・客観的な根拠もない理由であるタイミングで急に税金が高くなるというものだ。2021年の今年は2007年製のクルマでも重課税となる。例を挙げると、現行モデルであるR35GT-Rをはじめ、ランサーエボリューションX、997型のポルシェ911、アウディR8などが該当することを意味する。新車で購入して現在も所有している方もいらっしゃるだろう。事実、人によってはまだまだ新しいと感じるに違いないモデルばかりだ。2007年式のクルマが昨年と比べて急に燃費が悪くなったり、排気ガスが汚くなったりするわけもなく、ましてや車重が重くなるわけもなく…。この重課に関しては支払っている当事者でなくても納得しづらいものになっている。
■活動の始まりはいわゆる「旧車」好きな人たちだった
この「13年超車の重課税反対」グループがはじまった6年前当時に入会してくれたメンバーは、趣味性が高く、ぱっと見高価に見える「いわゆる旧車好きな人」が多かった印象がある。ピカピカのクルマの写真を添えつつ、この税制への反対を投稿する人が多かった。その結果、投稿への反応は税制に関することよりも車種に関することが多くなりがちになっていた。管理人である筆者も同じように旧車好きであったことから、これらの投稿やコメントは容認され、次第に積み重なっていたが、メンバー数の増加はゆるやかでしかなかった。
■リアルイベントも開催してみた
上記のような流れの延長線で2019年の春、クルマで集まるイベントを開催してみた。友人がステッカーを作成してくれたので、参加していただいた方に配布したりもしてみた。車種年式を超えた多様なクルマ、そしてオーナーが集まってくれた。筆者はもちろんのこと、参加者の皆さんも楽しめたイベントだったとは思うのだが、本来の目的である重課税に関する問題を参加者以外に周知することはできなかったし、一般的なマスコミの取材も受けることはなかった。
■昨年、13年超車の重課税反対グループ、方針の転換を決意
その結果、2020年初頭からグループの方針を大きく変更し「旧車」や「マニア」にしか響かないような内容や、重課税とは遠い話題に関しては極力掲載しない方針としてみた。一定の理解を示し、活動の方針に賛同し、一般の皆さんへの周知に関心を寄せてくださる方も少なくなかったように思う。しかし、一部はそのような方針の転換について関心を示さず、旧来と同じテイストでの投稿を続ける方も散見されたことも事実だ。
■当グループで発散されがちな「ある話題」とは?
このグループを続けて行く中で繰り返し湧いてくる話題がいくつかある。
1つめは「重課税と反対側にある、減税や免税の恩恵を受けているハイブリッドカーやそのオーナーに対する批難」だ。たまたま日本の行政のちょっとした都合で敵対関係になってしまったようにも見えるが、ハイブリッドカーやそのオーナーには何の罪もない。ましてや、日本の税制において正しく優遇されているわけだから、それを選択することについて他人がとやかくいう筋合いはひとつもないにも拘らず、だ。
バッテリーの寿命や交換時のコスト、また製造・廃棄にかかる環境問題というような視点をクルマやオーナーと無関係とするならば、燃費はいいし、排気ガスも出さない魔法のクルマと考えることもできるかもしれないが、それらを批判しても13年超車への重課税がなくなるとも思えない。
2つめは「高齢者のペダル踏み間違いに起因する事故に関する話題」だ。これはもはや、ハイブリッド車のことと比べても完全に重課税とは関係ない話題だろう。だがしかし「アクセル/ブレーキペダル踏み間違いしやすいクルマ=ハイブリッド車」というような図式を前提に、批難をする投稿があったことも事実だ。
それ以外でも特定の政治家や政党、自動車メーカーや、公務員の方に対する根拠ない誹謗中傷も多く、全体で見ると、どちらかというとネガティブな書き込みが多くなってしまっていたということもあるとは思っている。
■反対意見を主張するグループの宿命を痛感する
「〇〇が好き!」というグループの投稿は楽しそうでうらやましいと思っているのが正直なところだ。食べ物や芸能人、スポーツ、映画など好きなものに関するグループではポジティブな話題も多いため、なにかのきっかけでそれまで縁の薄かった内容のグループの投稿を見るチャンスがあった場合でも、その内容に嫌悪する可能性は非常に低いと思う。
しかし「重課税反対」という、現行の制度に反対するグループの投稿はどうしてもネガティブで、言葉も汚くて強くなりがちだ。この内容を重課税を知らない人が見たとしたら、そのネガティブのオーラから「これはおかしい、私も反対しなくては!」とはまず思えない内容になってしまっているのも事実だ。
これは反対意見を主張するグループの宿命なのかもしれない。しかし、このままでよいのかと問われたら「No」と答えるのが賢明だろう。
■グループの今後を見据えて・・・
なんとかポジティブな内容で、いわゆる「旧車」趣味の人でない方が見ても、楽しいまではいかなくても共感をしてもらえる内容にしたいとは思っている。管理人とはいえ、1万人以上のメンバーがいるグループの投稿をすべてコントロールすることも難しいのが現状だ。ましてや、このコロナ禍においては、この重課税に対する重要度はなかなかあがりづらくなっていることも理解している。
しかし、いつの日かこの不条理な税制が改正される日を信じて、活動し続けようと思っているのは、「ネットの力」の証明をしたいという気持ちがあることも真実だ。ネット上のコミュニケーションをきっかけとして、社会に影響を与えた例は日本ではまだほんのわずかだと記憶しているが、例ゼロではない。難しい舵取りが続くかと思っているが、あきらめずに続けて行きたいと思っている。
初年度登録から13年を経過したクルマを所有するオーナーさんはもちろんのこと、この制度に疑問や違和感を覚えている方のご賛同とご協力をいただき、みんなの力で変えていきたいと強く願っているし、行動に移していく所存だ。
●2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/131410.html
●13年超車の重課税反対(Facebookグループ)
https://www.facebook.com/groups/1444683832519843
[ライター・撮影/ryoshr]