ライフスタイル
更新2017.06.26
「車への興味」が高い新成人の方が、輸入車ディーラーで神対応してもらう方法とは?
松村 透
さて、年明けに発表される、ソニー損保の「2016年 新成人のカーライフ意識調査」。サラリーマン川柳などと同様に、毎年とても楽しみにしています。
昨年、ある企業を訪れた大学のインターン生を対象に2時間ほど枠をいただき、自動車関連の講義をする機会がありました。皆さん、クルマ好きな方が多く、せっかくなので色々な持ちネタを披露させていただきました。その際、大学生の方にアンケートを取ってみたのですが、予算抜きで欲しいクルマを選んでみてください、と伝えると、フェラーリやランボルギーニを挙げる方もいて、私としてはホッとしたと同時に嬉しい気持ちになりました。もし、この記事を読んでいて、将来、手に入れたら隣に乗せてくださいね(笑)。
そんな生の声を聴いたあとの調査結果だったので、例年以上に関心がありました。そのなかで気づいたものをいくつかピックアップしてみました。
都市部の新成人で「車への興味」や「憧れ」が回復傾向
≪車に興味がある≫では『あてはまる』が44.1%で多数派(ソニー損保調べ)とのことで、こういう仕事をしている身としては、本当に嬉しい限りです。給与を貯金していく堅実さは私も見習わないと…。しかし、多少の無茶が許されるのも20代の特権だと思うのです。画像のフェラーリはともかくとして…。
一方で、「車を所有する経済的な余裕がない」72%
これが私が接してきた新成人の方々の本音のように思います。私の地元は郊外にあるので、都心部に比べると駐車場代もかなり割安です。例えば、東京23区内となると、駐車場だけで月額5〜6万円というエリアもあり、もはや郊外の賃貸物件の家賃並み…というような場所も少なくありません。これは大げさとしても、2万円を切る駐車場を見つけるのはなかなか至難の業。それら諸々の維持費を考えると、レンタカーか親のクルマでいいや…そう思っても仕方ないことかもしれません。
車に対するイメージを表す漢字 1位「楽」
お嬢さんは現在高校2年生。彼氏は2つ年上、つまり19才です。バイクが趣味とのことですが、デートの際にバイク移動では寒いだろうと、彼女のために頑張って中古の軽自動車を手に入れたのだとか。しかし、彼女(高2のお嬢さん)の反応は冷ややか。そこまで無理してまでクルマを買うなんて…なのだそうです。確かに至極もっともな話しですが、彼氏の立場を思うと、何だか泣けてくる話しです。
大学生の従弟が行ってみたいディーラーは「マセラティ」!
私の従弟(大学2年生)も、父親の影響でかなりのクルマ好き。現在は、20年落ちのスカイライン(R33)に乗っています。先日、久しぶりに再会した際、「せっかくだから行ってみたいディーラーとかある?」との問いに「マセラティ」とハードル高めなオーダーをしてきました。よりにもよって指定してきたのは、イタリア車屈指の高級車ブランドです。急に決まったので、2人も超がつくほどラフな格好のまま、私のフォルクスワーゲン ゴルフで、あるマセラティディーラーへ。ひとまず事情を説明して「果たしてどんな対応をされるのだろう…」と思いきや、対応していただいたダンディなセールス氏の心遣いで、気づけば2時間くらい滞在してしまいました。その間、懇切丁寧に、ときに熱く、マセラティの魅力を語っていただきました。
帰り際、せっかくだから記念に…と、従弟にハードカバーの豪華な総合カタログをプレゼントしてくれました。帰りの車中で「将来、ぜったいマセラティを買います!」と熱く語る従弟にとっても、忘れられない経験となったようです。ぜひ、いつの日かマセラティを手にして欲しいと思います。私も、中込氏の「新しいマセラティ「ギブリ」で山口まで行ってみました。」を読んで以来、密かに気になっていたギブリの存在が急に現実味を帯びて…なんてことはありませんが、ホンのちょっとだけマセラティが身近に感じられたのも事実です。
新成人の方が輸入車ディーラーで神対応してもらう方法とは?
自分の経験や数々の失敗談を振り返ったことをまとめてみました。
●興味があったので、勇気を出して思い切って来店したことを伝える
→結果的に冷やかしになるケースもあるので、自分の気持ちを正直に伝えてみてください
●可能であれば週末や祭日は避ける
→フェアやイベントを開催していたり、他のお客さんが来店するために、後回しにされてしまう
●事前に店舗へ電話して、来店したい意向を伝える(アポイントを取る)
→先方にも受け入れ体制ができるので、より丁寧に接客してもらえる確率があがります
●できるだけ1人で行く
→きちんと接客してもらえる確率があがります
●いきなり「カタログをください」とはいわない
→カタログ収集が目的だと思われてしまうため
輸入車ディーラーおよび販売店の方へ…
輸入車ディーラーって、はじめの一歩は相当勇気が要ると思うのです。アラフォー世代の私もそうでした。私の場合、仕事をしていくうちに慣れました。
昨年末のある日、前述の講義のときに知り合ったインターン生の方が「所用で東京に行くのですが、オススメのクルマ関連のスポットってありますか?」と連絡をくれました。ここぞとばかりに都内の特選(?)スポットをいくつか紹介しました。そのなかには、超がつくほどの高級車が売られているお店も含まれます。
すると後日、実際にあちこちのスポットを巡った画像を送ってきてくれました。前述の超高級車が売られているお店にもお邪魔したそうです(私もまだ行ったことないのに…)。何しろ、夢のようなクルマが目の前に置かれているのです。普段は地元でスーパーカーを中心に販売しているクルマ屋さんでアルバイトしている彼でも、刺激的な体験だったようです。
それはさておき、いまどき20代前半の若者が来店した際に邪険にするようなディーラーは、CS(顧客満足度)もあまり高くないのではないかと推測します。芸能人の神対応や塩対応が話題になる時代です。芸能人の方はすぐに忘れてしまうだろうけれど、一般の人はずっと憶えているものです。下手をすると、一瞬でその体験談を拡散されてしまいます。
もし、インポーターやディーラー関係者の方、自動車販売店の方がこの記事をご覧いただいているとしたら、20代前半の若者が来店した際は「一人のお客様として」快く迎えてあげてください。ほぼ100%に近い確率で、玉砕覚悟で、勇気を振り絞って来店しているはずなのです。かつての自分たちがそうであったように。「一人のお客として扱ってくれた」と感じれば、生涯記憶に残るはずですし、きっとそのブランドのファンになってくれるに違いありません。これも未来への投資です。どうか、よろしくお願いいたします。
[ライター/江上透]