更新2025.03.10
マイナ免許証のメリットとデメリットとは?知っておくべき注意点を解説
外車王SOKEN編集部
目次 ▼
- そもそもマイナ免許証とは?
- マイナ免許証のメリット
- マイナ免許証の主なデメリット
- 自分に合った免許証の持ち方はどう決める?
- マイナ免許証の利用に関するよくある質問
- まとめ
マイナンバーカードと運転免許証が一体化した「マイナ免許証」が2025年3月24日から導入されます。利便性の向上が期待される一方で、気になるのはそのデメリットではないでしょうか。
この記事では、マイナ免許証の基本的な仕組みから、知っておくべきメリットとデメリットについて詳しく解説します。
そもそもマイナ免許証とは?
マイナ免許証の導入が間近に迫っていますが、そもそもマイナ免許証とは何なのか、基本的な情報を押さえておきましょう。
マイナ免許証の仕組みと導入背景
マイナ免許証とは、マイナンバーカードのICチップに運転免許証の情報を電子的に記録したものです。2024年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に基づき、2025年3月24日から運用が開始されます。
マイナ免許証に記録される主な情報は以下の通りです。
・運転免許証の番号
・運転免許の有効期限
・免許の種類
・AT車限定や眼鏡等の条件に関する情報
・顔写真
マイナンバーカードの券面には運転免許に関する情報は表示されず、ICチップ内に電子的に記録されるため、外見上はマイナンバーカードと変わりません。
マイナ免許証の導入後は、以下の3つから免許証の持ち方を選べます。
1.マイナ免許証のみを保有する
2.マイナ免許証と従来の運転免許証の両方を保有する(2枚持ち)
3.従来の運転免許証のみを保有する
なお、マイナ免許証への切り替えは任意であり、強制ではありません。
マイナ免許証と従来の運転免許証の主な違い
マイナ免許証と従来の運転免許証には、いくつかの違いがあります。
| 従来の運転免許証 | マイナ免許証 |
情報の表示方法 | 券面に印字 | ICチップ内に保存 |
住所変更手続き | 運転免許センターもしくは警察署で実施 | 市区町村の役所にて、マイナンバーの変更と同時に実施 |
更新時の講習 | 運転免許センターにて受講 | オンラインで受講 |
有効期限 | 3年もしくは5年※マイナンバーと異なる | 10年※運転免許と異なる |
前述のとおり情報の表示方法が異なります。従来の運転免許証では、免許証の種類や有効期限などの情報がカードの表面に印字されていましたが、マイナ免許証ではICチップ内に電子的に保存されます。そのため、目視での情報確認ができません。
また、更新や住所変更などの手続き方法も変わります。従来は運転免許センターや警察署での別途手続きが必要でしたが、マイナ免許証では、住所変更をする場合、市区町村の窓口でマイナンバーカードと同時に手続きが可能です。マイナ免許証と従来の運転免許証を両方持っている場合には、それぞれ更新手続きをしなければなりません。
運転免許更新時の講習の受講方法にも違いがあります。従来は運転免許センターに直接行って受講する必要がありましたが、マイナ免許証だとオンラインで受講できるようになります。
有効期限については、マイナンバーカードと運転免許の有効期限は異なるため、それぞれ個別に更新手続きが必要です。
さらに、手数料も以下の通り変更されます。
| 新規取得 | 更新時 |
マイナ免許証のみ保有 | 1,550円 | 2,100円 |
マイナ免許証と従来の運転免許証を両方保有 | 2,450円 | 2,950円 |
従来の運転免許証のみ保有 | 2,350円 | 2,850円 |
マイナ免許証のみを保有する方法が最も手数料が安く、マイナ免許証と従来の運転免許証のみ両方を保有する場合が一番手数料が高いです。
マイナ免許証のメリット
ここまで、マイナ免許証と従来の運転免許証の違いを解説してきました。それでは、マイナ免許証を持つ具体的なメリットとは何なのでしょうか。
住所・氏名変更手続きの手間が省ける
マイナ免許証のメリットの1つは、住所や氏名の変更手続きが簡略化されることです。
これまでは、引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わった場合、マイナンバーカードの変更は市区町村窓口で、運転免許証の変更は運転免許センターや警察署で、それぞれ別々に手続きをする必要がありました。特に都道府県をまたぐ引っ越しの場合は、新居の近くの警察署まで足を運ぶ必要があり、時間と手間がかかっていました。
しかし、マイナ免許証を保有していれば、市区町村窓口でマイナンバーカードの変更手続きをする際に、運転免許情報も同時に変更できます。警察署に行く手間が省け、ワンストップでの手続きが可能になります。特に引っ越しが多い方や、仕事で忙しい方にとって大きなメリットでしょう。
ただし、マイナ免許証と従来の運転免許証の両方を持っている場合は、従来通り両方の手続きが必要です。
更新時の講習・手続きの利便性向上
マイナ免許証では、運転免許の更新時の手続きがより便利になります。
優良運転者(ゴールド免許所持者)や一般運転者(ブルー免許所持者)は、更新時の講習をオンラインで受講可能です。わざわざ運転免許センターに足を運ばなくても、好きな時間や場所で講習を受けられます。特に小さな子どもがいる家庭や、平日に時間を取りにくい会社員の方にとって、この変更は大きなメリットでしょう。
ただし、視力検査や写真撮影、免許情報の更新などは引き続き運転免許センターや警察署で行う必要があります。
また、居住地以外の都道府県で免許更新を行う「経由地更新」のルールも、マイナ免許証によって変更されます。従来は優良運転者のみが対象でしたが、マイナ免許証では一般運転者も経由地更新が可能です。手続きも即日完了するため、出張や帰省中でも気軽に更新できるます。
マイナ免許証の主なデメリット
マイナ免許証のメリットについて解説しましたが、デメリットについても把握しておきましょう。
見た目で免許情報が確認できない
マイナ免許証は免許情報がカードの表面に印字されていません。これにより、以下のような不便さが生じる可能性があります。
免許情報の確認に手間がかかる
自分の免許種別や有効期限を確認するには、「マイナ免許証読み取りアプリ」を使用するか、マイナポータルにログインするか、あるいは運転免許センターや警察署に設置されている機器で読み取る必要があります。日常的に確認することはないかもしれませんが、急に確認したくなった場合には不便です。
民間事業者での本人確認時の問題
レンタカーの利用や、年齢確認が必要な場面など、民間事業者に運転免許証を提示する機会は多くあります。しかし、民間事業者には基本的にマイナ免許証の情報を読み取る機器がありません。そのため、マイナポータルやアプリから免許情報を印刷したり、画面表示したりする必要があり、手間がかかります。
有効期限切れのリスク
運転免許の有効期限がカードに表示されないため、うっかり更新時期を忘れてしまうリスクがあります。もちろん更新時期には通知が来ますが、目に見える形で期限が表示されていないことで、失効してしまうケースも考えられます。
紛失・再発行に関するリスク
マイナ免許証のもう1つの大きなデメリットは、紛失時の再発行に手間がかかる点です。
マイナ免許証を紛失した場合、市区町村でマイナンバーカードを再発行し(通常1〜2ヶ月程度、緊急時でも最低5日程度)、その後警察署などで再度運転免許証と一体化する手続きが必要です。手続きが完了するまでは、クルマの運転ができません。再発行されるまでの間に運転すると、免許証不携帯とみなされて罰則が科される可能性があります。
自分に合った免許証の持ち方はどう決める?
前述のとおり、マイナ免許証の導入により、免許証の持ち方には次の3つの選択肢があります。
1.マイナ免許証のみを保有する
2.マイナ免許証と従来の運転免許証の両方を保有する(2枚持ち)
3.従来の運転免許証のみを保有する
自分のライフスタイルや状況に応じて、最適な選択は異なります。それぞれの選択肢がどのような方に適しているかをみていきましょう。
免許証の持ち方 | 適している人 |
マイナ免許証のみを保有 | ・転勤で頻繁に引っ越しする方 ・仕事や学業が忙しく、手続きを効率化したい方 ・手数料をなるべく抑えたい方 ・スマートフォンやパソコンの操作に慣れている方 ・クルマの運転頻度が比較的少ない方 |
マイナ免許証と従来の運転免許証を両方保有 | ・紛失時の再発行に手間をかけたくない方・運転免許情報を目視で確認したい方・スマートフォンやパソコンの利用に不慣れな方 ・個人情報の一元管理に不安を感じる方 |
従来の運転免許証のみ保有 | ・仕事で毎日クルマを運転する方 ・海外で運転する機会がある方(国際運転免許証申請時に必要な場合あり) ・民間事業者での本人確認を頻繁に行う必要がある方 ・多少手数料が高くなっても、安全性や便利さを優先したい方 |
マイナ免許証のみを選択すると、住所変更のワンストップ化や手数料の軽減などのメリットを得られます。ただし、紛失時に一定期間運転できなくなるリスクがあるため、日常的にクルマが必須の方には向いていない可能性があります。
従来の運転免許証のみを選択すると、紛失時の再発行が迅速に行えるほか、免許情報を常に目視で確認できるといったメリットがあります。ただし、2025年3月24日以降は手数料が値上げされる点に注意しましょう。
2枚持ちは最も手数料が高いですが、マイナ免許証と従来の運転免許証の両方のメリットを享受できます。特に、マイナ免許証を紛失した際のバックアップとして従来の運転免許証があると安心です。また、マイナ免許証の運用が始まったばかりの時期は、社会全体がその扱いに慣れていない状態であるため、当面は2枚持ちを選択し、状況を見ながら徐々に一本化を検討するという選択肢もよいでしょう。
マイナ免許証の利用に関するよくある質問
ここでは、マイナ免許証に関してよくある質問について回答します。
Q1: マイナ免許証の情報は安全に保護されているのか?
A: マイナンバーカードには高度なセキュリティ機能が搭載されており、ICチップ内の情報は暗号化されています。しかし、カード自体の管理には十分注意が必要です。マイナンバーカードの保管場所を決め、不要な持ち歩きは避ける、パスワード(暗証番号)を他人に知られないよう注意するなどの対策を講じると安心です。
Q2: 運転免許の有効期限をどうやって確認すればよいか?
A: マイナ免許証の運転免許情報は、マイナポータル、マイナ免許証読み取りアプリ、または運転免許センター等の機器で確認できます。
Q3: 万が一紛失した場合はどうすればよいか?
A: マイナ免許証を紛失した場合は、まず市区町村窓口でマイナンバーカードの紛失届と再発行申請を行い、その後警察署で運転免許証の再発行手続きを行います。
Q4: 海外でマイナ免許証は使えるのか?
A: 海外ではマイナ免許証の読み取り機器がないため、国際運転免許証を取得する際には従来の運転免許証が必要になる可能性が非常に高いです。そのため、海外で運転する予定がある方は、従来の運転免許証も保持しておくと安心でしょう。
Q5: レンタカーやホテルなど民間事業者での本人確認時に問題はないか?
A: 民間事業者にはマイナ免許証の読み取り機器がないため、本人確認手段として認められない可能性があります。
まとめ
マイナ免許証は便利な一方で、情報確認の手間や紛失時の再発行の長さなどのデメリットも存在します。自分のライフスタイルに合わせて、運転免許証の持ち方を選択しましょう。
頻繁に引っ越す方や手続きの簡素化を重視する方はマイナ免許証のみ、クルマの運転が日常的に必須な方は従来の運転免許証との両方保有が安心です。当面は両方を保有し、状況を見ながら判断するのも1つの方法でしょう。
マイナ免許証は利便性を高める一方で新たなリスクが生じる可能性もあるため、定期的に最新の情報を確認することをおすすめします。