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更新2018.03.06
1日いても飽きない。イタリア本国にあるフェラーリの聖地「ムゼオ・フェラーリ」訪問記
JUN MASUDA
正確に言うと、マラネッロのフェラーリ本社近くにある「ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ」、そしてフェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリの生家を改装した「ムゼオ・フェラーリ・モデナ」の2つだ。
チケットの入手、交通手段について
この2つとも、フェラーリのオフィシャルによる運営となっており、チケットはオンラインにて、まとめて購入できる。
両施設ともに、クルマを使用すると30−40分程の距離がある。しかし、電車などは通っておらず、バスかタクシー、チャーター、レンタカーあたりがその主な交通手段だ。
今回の訪問において「レンタカー」の使用も考えたのだが、イタリアの標識は基本的にイタリア語だ。そしてボクはほとんどイタリア語ができない。
よって、「標識が読めずに、意図せずして違反してしまう」ことを避けるためにチャーターを選んだ。
バスやタクシーとしなかったのは、他にも行きたい場所があり、最短の時間でそれらの場所をまとめてまわりたかったからだ。
まずはムゼオ・フェラーリ・マラネッロの様子を画像にて
ボローニャに確保した宿までチャーターしたクルマに迎えに来てもらい、そこからムゼオ・フェラーリ・マラネッロへ。
おおよそクルマで40分程の行程だ。
フェラーリの本拠地へと近づくにつれ、フェラーリ関連のグッズを販売するショップやフェラーリをテーマにした飲食店、フェラーリのレンタカーを扱うショップが増えてくる。
標識に「MODENA」の表示が現れたとき、「いよいよここまで来たか」とボクは思った。
▲ここがムゼオ・フェラーリ・マラネッロだ。あいにくの雨である
▲スタッフは美男美女揃いだ。シミュレーターも置いてあるが、これはすぐに予約で埋まってしまうので、入館したらまっ先に予約しておこう
▲1Fにはフェラーリの希少な限定モデルが展示されている
▲フェラーリの歴代スペチアーレモデル(288GTO、F40、F50、エンツォ・フェラーリ、ラ・フェラーリ)が並ぶ
▲F12tdfやSAアペルタ、フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカが発注した記念モデルもあった
▲2FにはF1マシンやエンジン、ステアリングホイールの展示がある
▲エンツォの執務室も再現されていた
▲新旧レーシングカーも勢揃い
▲このホールは圧巻だ。歴代のF1マシン、そしてトロフィーが展示され、各F1マシンのサウンドを聴くことができるブースも設置されている
簡単ではあるが、「ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ」はこんな感じだ。
フェラーリ・ストアやカフェも併設されており、一日いても飽きない「フェラーリの聖地」だと言える。
滞在時間はどんなに短くとも1時間は確保しておきたい。
スタッフは「あっちにもF1を置いてあるぞ!絶対に見て帰れよ!」といった感じで気さくに声をかけてくれたことも印象に残った。
フェラーリ本社、そしてムゼオ・エンツォ・フェラーリへ
ムゼオ・フェラーリ・マラネッロを見た後はフェラーリ本社前を通ってムゼオ・エンツォ・フェラーリへと向かう。
途中に「世界で二番目に大きい」と言われるフェラーリ・ストア(一番大きいものはフェラーリ・ワールド・アブダビ内にあるものだそうだ)へ寄り、本社や隣接するフェラーリ社の設備を簡単に見ることにした。
フェラーリ本社は残念ながらオーナーでなくては入ることが許されていない。
▲これがよくネット上の写真で見る、あのフェラーリ本社だ
▲こちらがその「世界で二番目に大きな」フェラーリストアだ
ムゼオ・エンツォ・フェラーリの様子を画像にて
こちらがエンツォ・フェラーリの生家を博物館へと改装した、ムゼオ・エンツォ・フェラーリだ。
昔ながらの煉瓦造りの別館、そして近代的な本館という構成となっている。
▲入館するにはあらかじめインターネット経由で購入したチケットのナンバーを伝えればオーケーだ
ボクが訪問したときは、ハリウッド映画に登場したフェラーリをテーマにした展示がなされていた。
「マイアミ・バイス」「フェリスはある朝突然に」「カーズ」などが取り上げられ、フェラーリの登場シーンを集めたコンピレーション動画も上映される。
▲カーズ風のラッピングが施されたフェラーリF430
▲もちろん映画に登場したモデル以外のフェラーリも多数展示されている
▲フェラーリブランドではなくとも、エンツォに縁の深いクルマの展示も。これはトマシーマ3だ
▲フェラーリのエンジンを積んだパワーボートも置いてあった
▲こちらはレーシングカーとそのエンジンを中心とした展示。改装中であったが、快く中を見せてくれた
▲簡単だが、カフェもある
フェラーリ・ファンの情熱には驚かされる
今回の「ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ」と「ムゼオ・エンツォ・フェラーリ」両方の訪問で感じたのは、フェラーリ・ファンの熱い情熱だ。
そこで働く人々はもちろんだが、訪問するファンの熱意も驚くべきものがある。
熱心にメモを取る人や、ひたすら車体をカメラに収める人、そして館内にてフェラーリよるムービーの上映が始まると直立不動の姿勢でそれを凝視する人など。
来場者の多くがフェラーリ・グッズを身につけていたことも興味深いところだ。
ボクはポルシェとランボルギーニに人生を捧げる覚悟を持つ身であり、つまりフェラーリファンではない。
それでもこれら博物館を訪れることで、自分の中にある種の変化が生じたことは間違いない、と考えている。
現在フェラーリは調査会社による「ブランド価値」でも自動車メーカー中トップであるが、その理由を垣間見た思いだ。
[ライター・撮影/JUN MASUDA]