
よもやま話
更新2023.11.22
南国への誘い・・・南房総で「三菱トライトン」に乗る
中込 健太郎
三菱自動車がタイで生産し世界に輸出されるピックアップトラックトライトン。日本にもかつて2011年8月まで輸入、全国の三菱自動車の販売店で販売されていました。

現在千葉で、房総のおでかけをテーマにカーライフを多角的に提案する施設「HUNT」http://hunt-odekake.com/ がイオンモール木更津ですが、ここで「おでかけアンバサダー」としてクルマを用いて、じっさいに房総の魅力に触れる機会が私自信増えています。ここでパッケージされた体験プランのつまった「おでチケ」の利用者を対象に利用することのできる「おでカー」が用意されところには、よりクルマを身近に感じることのできる体験を味わってもらいたいとの狙いがあるのですが、そのラインナップで前から気になっていたのがこの三菱トライトンなのです。

このたび温泉ソムリエでもある私が、房総の魅力ということで「房総の温泉めぐり」に出た際にこのクルマを拝借し乗ることができたので、少し振り返りたいと思います。
愛おしい!そんな6G74

このクルマ、エンジンは3500cc V6 SOHCの「6G74」というタイプのエンジンですが、GDIとかそういうのではなく、実に旧弊なのです。時々クルマに乗っていると明確に思うことがあるのが「最先端でなければいけないか!?」ということなのですが、これもまさにそんな感想を早々感じさせてくれるエンジンでした。どろどろと、滑らかさで言えばもっと上もあるでしょう。どんな走り方をしてもリッターで6キロか7キロ。重たいボディをしずしずと走らせるエンジンは耳障りのいいセールストークは一切ないけれど、最低限の表現の中に、相手にそこそこ心地よくもてなすすべを知っている、「板についた」老舗のやりかたのようなものを感じるのです。ぐいっと踏んでもめったに2000回転を超えないエンジン。そればかりか、ほぼほぼ1000回転代ちょっと前半から中盤くらいの回転数で「すべて事足りる」のです。色気はないけれど、東京湾を渡っただけで、うっそうと、真っ暗な森の中を行く道が従横に張り巡らせられる「房総大陸」探検にはことさら気持ちの盛り上がる、いい意味で新奇ではない、愛おしい安定感を感じるのです。
東南アジア的混沌と共存する安心感。


中央線沿線の駅前〜西武線の駅前を結ぶのが西東京バスですが、あの路線、最近ではだいぶ整然としてきましたが、少し前までは狭い駅前商店街の軒先すれすれを走るさまが目の当たりにできたものでした。アレを見ると、言ったこともない「東南アジア的混沌」を何となく感じ取れたりするので不思議でなりませんでした。タイ製だと言う意識が原因かもしれませんが、このクルマにはあれと同じ匂いがするのです。どこか雑然としているのだけれど、そのいいわけの一番最後に「でもいいじゃない!」と言い返してくるような雰囲気に満ちているのです。 それでも鉄板が厚いのか、静粛性はなかなかのもの。大きなホイールによる盛大なロードノイズは仕方ないにせよ、そのキャビンが作り出す車内で聞くヴェルディのオペラアリア集はなかなかいいものでした。混沌しかし、妙に安心感があるのが面白いところです。

センターコンソールに面妖なスイッチがあるのでそれを押すと荷台との間の窓がすーっと下に下がります。こんなふうにして乗るとオープンカーいらずの開放感がひしひしと伝わってくるのがたのしいところ。そんなところを少しジメットした森の中の空気が抜けると、気分んはすでに東南アジアです。そして最近のお気に入り。セブンイレブンのこのカルピスのアイスキャンディーの呈する練乳的な甘み、爽やかさが華麗なる画竜点睛を決める!そんな印象すら湧いてくるので楽しくなるものです。 このクルマに乗っていると、トラックだから当たり前なのだけれど、普通の乗用車で当たり前のことが当たり前ではないこと、そういうクルマにはない魅力にあふれているということ。そんな普通に生きていく上で大事なことにいろいろ気づかされるものです。しかし、いろんな意味で弱者や、マイノリティ(一般的用法としてではなく広く少数派として)は多いものです。そういうものへの許容、魅力の再発見。その大切さをこのクルマに乗ると知ることができるのです。

正直、こんなに「ありだな」と思うとは思いませんでした。これはともすると、場合によっては選択していいのではないか、そう思える1台でした。

現在千葉で、房総のおでかけをテーマにカーライフを多角的に提案する施設「HUNT」http://hunt-odekake.com/ がイオンモール木更津ですが、ここで「おでかけアンバサダー」としてクルマを用いて、じっさいに房総の魅力に触れる機会が私自信増えています。ここでパッケージされた体験プランのつまった「おでチケ」の利用者を対象に利用することのできる「おでカー」が用意されところには、よりクルマを身近に感じることのできる体験を味わってもらいたいとの狙いがあるのですが、そのラインナップで前から気になっていたのがこの三菱トライトンなのです。

このたび温泉ソムリエでもある私が、房総の魅力ということで「房総の温泉めぐり」に出た際にこのクルマを拝借し乗ることができたので、少し振り返りたいと思います。
愛おしい!そんな6G74

このクルマ、エンジンは3500cc V6 SOHCの「6G74」というタイプのエンジンですが、GDIとかそういうのではなく、実に旧弊なのです。時々クルマに乗っていると明確に思うことがあるのが「最先端でなければいけないか!?」ということなのですが、これもまさにそんな感想を早々感じさせてくれるエンジンでした。どろどろと、滑らかさで言えばもっと上もあるでしょう。どんな走り方をしてもリッターで6キロか7キロ。重たいボディをしずしずと走らせるエンジンは耳障りのいいセールストークは一切ないけれど、最低限の表現の中に、相手にそこそこ心地よくもてなすすべを知っている、「板についた」老舗のやりかたのようなものを感じるのです。ぐいっと踏んでもめったに2000回転を超えないエンジン。そればかりか、ほぼほぼ1000回転代ちょっと前半から中盤くらいの回転数で「すべて事足りる」のです。色気はないけれど、東京湾を渡っただけで、うっそうと、真っ暗な森の中を行く道が従横に張り巡らせられる「房総大陸」探検にはことさら気持ちの盛り上がる、いい意味で新奇ではない、愛おしい安定感を感じるのです。
東南アジア的混沌と共存する安心感。


中央線沿線の駅前〜西武線の駅前を結ぶのが西東京バスですが、あの路線、最近ではだいぶ整然としてきましたが、少し前までは狭い駅前商店街の軒先すれすれを走るさまが目の当たりにできたものでした。アレを見ると、言ったこともない「東南アジア的混沌」を何となく感じ取れたりするので不思議でなりませんでした。タイ製だと言う意識が原因かもしれませんが、このクルマにはあれと同じ匂いがするのです。どこか雑然としているのだけれど、そのいいわけの一番最後に「でもいいじゃない!」と言い返してくるような雰囲気に満ちているのです。 それでも鉄板が厚いのか、静粛性はなかなかのもの。大きなホイールによる盛大なロードノイズは仕方ないにせよ、そのキャビンが作り出す車内で聞くヴェルディのオペラアリア集はなかなかいいものでした。混沌しかし、妙に安心感があるのが面白いところです。

センターコンソールに面妖なスイッチがあるのでそれを押すと荷台との間の窓がすーっと下に下がります。こんなふうにして乗るとオープンカーいらずの開放感がひしひしと伝わってくるのがたのしいところ。そんなところを少しジメットした森の中の空気が抜けると、気分んはすでに東南アジアです。そして最近のお気に入り。セブンイレブンのこのカルピスのアイスキャンディーの呈する練乳的な甘み、爽やかさが華麗なる画竜点睛を決める!そんな印象すら湧いてくるので楽しくなるものです。 このクルマに乗っていると、トラックだから当たり前なのだけれど、普通の乗用車で当たり前のことが当たり前ではないこと、そういうクルマにはない魅力にあふれているということ。そんな普通に生きていく上で大事なことにいろいろ気づかされるものです。しかし、いろんな意味で弱者や、マイノリティ(一般的用法としてではなく広く少数派として)は多いものです。そういうものへの許容、魅力の再発見。その大切さをこのクルマに乗ると知ることができるのです。

正直、こんなに「ありだな」と思うとは思いませんでした。これはともすると、場合によっては選択していいのではないか、そう思える1台でした。
