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更新2025.03.17

イセッタを彷彿とさせるレトロなデザインが魅力のスイス製小型EV『マイクロリノ』とは?

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Takuya Nagata

2025年1月、ベルギーの首都ブリュッセルにて「ブリュッセルモーターショー」が開催され、スイスのメーカーMicro Mobility Systems(マイクロ・モビリティ・システムズ)が小型EV『Microlino Spider』(マイクロリノ・スパイダー)を発表しました。ここでは日本にほとんど伝わってこない『Microlino』について詳しく紹介します。


■「Microlino Spider」が小型EVシリーズの4番目のモデル



「ブリュッセルモーターショー」は、ベルギーの首都ブリュッセルで2年に1度開催され、約27万人を動員するイベントです。


今回お披露目された最新モデル『Microlino Spider』は、マイクロ・モビリティ・システムズ主要プロダクトの小型EV『Microlino』『Microlino Lite』『Microlino Spiaggina』に続く4番目のモデルとなります。


『Microlino Spider』はオープンカーで、乗り降りが簡単です。オプションとして日よけのファブリックルーフが付いてきます。


ステアリングホイールとドアシルには、アクセントとして木目が用いられていてエレガントです。またインテリアの色には、モダンな青と白が採用されています。


2人乗りでスペースをあまりとりません。実際のところ、クルマの移動は1人か2人が平均的だといわれており、2人乗りでかなりのケースをまかなえてしまうのです。大型車と比較して消費電力が少なく、環境に優しい設計となっています。一般的なEVより約60%の電力消費と炭素排出を抑えることができるということです。


『Microlino』シリーズの他のバリエーションと同じ技術プラットフォームが採用されており、最高速度は53km/h。


小回りが利くため、都市部や住宅街、ゴルフ場、ホテル・リゾートなどでの使用を想定しています。近所の友人を訪問、日用品の買い物、通勤といった、短い距離にうってつけの移動手段といえるでしょう。


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■ゴルフカートなら世界最速級



Microlinoに乗ってゴルフコースを爆走することはないと思われますが、ゴルフカートとして使用するなら世界最速クラスでしょう。


今後は地元ヨーロッパはもちろんのこと、アメリカでの販売にも力をいれていくということです。北米は大きなクルマが好まれる傾向がありますので「意外」と思うかもしれませんが、実は世界最大のゴルフカート市場でもあります。また、2台目の所有も見込んでいます。


『Microlino』は国の基準によって異なりますが、自動2輪車扱いや高速道路に進入できない場合があります。ちなみに日本では軽自動車に当てはまります。実際のところ、日本の軽自動車の規格に適合するように設計したということです。


オリジナルの『Microlino』は、2016年のジュネーブモーターショーで発表されました。そして2023年6月にイタリア・トリノにある工場で生産が開始されています。


車体の重量はわずか496kg。12.5kW(16hp)の電気モーターを搭載しており、時速50km/hまでを5秒で加速。最高時速は90km/hです。航続距離は最長228kmになっています。かなり小型なボディであるため、航続距離が短めになるのは仕方ないでしょう。


寸法は全長2519mm×全幅1473mm×全高1501mmと、2台並べてようやく一般的な乗用車1台分の大きさになるといった感じです。


日本は住宅事情の関係でパーキングのスペースが狭い場合がありますが、駐車が苦手な人でも簡単に駐車や車庫入れができそうです。


■『イセッタ』を彷彿とさせるレトロなデザイン



『Microlino』は、丸みを帯びたレトロなデザインが特徴的です。旧車愛好家に今でも人気があり、1950年代に流行ったIsetta(イセッタ)といったバブルカーのデザインからインスピレーションを得ています。


『イセッタ』は側面にドアがなく、正面のドアから乗り込む設計になっていて当時、話題になりました。


道を走っていたり、その場にとまっていたりするだけで雰囲気が和みます。この手のクルマは、おしゃれなバーやカフェの飾りとしても良さそうです。


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■スイスの都市型モビリティのブランド:マイクロ・モビリティ・システムズ



『Microlino』を開発するマイクロ・モビリティ・システムズはウィム・ウーボター氏が1996年に創設し、チューリッヒに拠点を置いています。元々は、折りたたみ式のスクーターを製造していました。


今では電動バイクや電動スクーターのほか、4輪EVも開発。都市向けのマイクロモビリティに取り組んでいます。会社の成り立ちを振り返ると『Microlino』の設計に思わずうなずいてしまいます。「だから、ボディがこんなに小さいんだな」と。


これまでもスイスに自動車メーカーはありましたが、国際的に名が知られたものは少ないかもしれません。


スイスは時計に代表されるように精密加工が得意で工業力は目を見張るものがあります。しかし、北にドイツ、南にイタリア、西にフランスと欧州の自動車大国に囲まれている環境で、スイスの人口は900万人。そこにアメリカや日本のメーカーも参入しているのですから、スイス国内の自動車市場の販売競争が熾烈を極めるのは想像に難くありません。


一方で、サプライチェーンに関しては周辺地域に良質な事業者が多くあるという利点が活かせます。実際に『Microlino』シリーズの大半のコンポーネントは欧州で調達されていて、スイスにほど近いイタリア北部の工業都市トリノで製造されています。


■まとめ


小型EV『Microlino』シリーズは、道幅が狭い日本での利用に向いています。近場の移動のために2台目が欲しい人にも便利でしょう。


分類は軽自動車ですが、雨風がしのげるオートバイというとらえ方もできます。


「バイクに乗っていて北風を受けたり、雨で濡れたりするのがしんどくなってきたが、今クルマを買うのも諸事情で、はばかれる」。そう感じている人にも『Microlino』は丁度よい選択肢かもしれません。


1人や2人といった少人数での移動が多い人や環境意識が高い人の移動手段として、とても効率的です。


また、目立ちたい人のファッションアイテムとしても最高です。特徴的な外観で、人目を引くことは間違いありません。道行く人に「どこのクルマ?」と聞かれたときに「スイス」と答えるのはクールじゃないでしょうか。


[画像/Micro Mobility Systems BMW・ライター/Takuya Nagata]  


 


 

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