オーナーインタビュー

更新2018.01.27

家族をつなぐ2台のメルセデス・ベンツE220(W124)/CLA180(C117)オーナー、安田勝利さんにインタビュー

松村透

こんな若い人がメルセデス・ベンツのオーナー？それも2台も？と思われるかもしれません。

▲左より、安田勝利さん(兄)、めぐみさん(母)、真盛さん(弟)

変な誤解をされてはオーナーさんがあまりに気の毒なので、これは冒頭にお伝えしておいた方がいいでしょう。「2台のメルセデス・ベンツは、安田勝利さん(23才)」が、働いて得た報酬をこつこつ貯めてようやく手に入れたクルマなのです！

しかも、そのメルセデス・ベンツ愛が半端ではありません。それは、メルセデス・ベンツ日本の方が対面したら驚いてしまうレベルではないかと思われるほど。

23才という若さで、なぜこれほどメルセデス・ベンツに惚れ込んでいるのか？それは、安田さんの生い立ちとそのご家族にルーツがあるようです。そこで今回は、弟の真盛さんと、美人ママ・母親のめぐみさんにも取材に同席していただきました。「安田ファミリーのディープすぎるクルマ好きトーク」で見えたものとは…？

── オーナー紹介＆どんな仕事をされているのですか？

▲一人っ子の筆者には羨ましい、仲良しの兄弟。左がオーナーで兄の勝利さん、右は弟の真盛さん

勝利さん：公務員(郵便局員)をしています。毎日、ホンダカブに乗って郵便配達しています。

── メルセデス・ベンツに乗ろうと思ったきっかけを教えてください

▲左：1995年式メルセデス・ベンツE220(W124)/右：2005年式CLA180(C117)

勝利さん：何といっても母親の影響が大きいですね。私がまだ幼いころ、メルセデス・ベンツに乗っていた記憶が残っていて、自分も運転免許を取得したら必ず乗るんだ！と強い決意を抱いていました。

── めぐみさんは、当時乗っていたメルセデス・ベンツのことを覚えていらっしゃいますか？

▲母親のめぐみさんは、かつてメルセデス・ベンツ190E 2.6スポーツライン(W201)に3年ほど乗っていたのだとか

めぐみさん：はい。メルセデス・ベンツ190E 2.6スポーツライン(W201)でした。元々は、ポンティアックファイアーバードトランザムに乗りたくて運転免許を取得したんです。トランザムは、実際に手に入れて乗りましたよ。

その後、知人から1000kmくらいしか走っていない190E 2.6スポーツラインを譲ってもらったんです。子どもたちをチャイルドシートに座らせ、私はアルパインのオーディオを聴きながら運転していました。出掛けるときはいつもクルマでしたよ。クルマに乗っていると、子どもたちも静かにしてくれたんです(笑)。

ちょっとしたタイヤの空気圧の変化も感じ取れますし、いざとなれば自分でタイヤ交換をやります。洗車も人に任せず、自分で行いますし。運転する以上、自分のクルマのコンディションはしっかり把握しておきたい方なんです。

── 勝利さんが現在の愛車を手に入れたきっかけを教えてください

▲1995年式と2005年式。この2台はちょうど20才差。時代の流れを感じさせます

勝利さん：最初に手に入れたのはCLA180の方なんです。若々しさが感じられるスタイリングに惚れました。ボディカラーは黒で、右ハンドル、スポーツパッケージという条件を決めて探していたときに見つけたのが現在の愛車です。インターネットで見つけて、販売店に観に行き、内外装を見てその場で即決し、前金をお支払いしました。あまりの即決ぶりに、店員さんも驚いていました。

── 試乗しないで即決ですか？

▲こつこつとお金を貯めて、即決で購入したというCLA180

勝利さん：はい。メルセデスミー(旧メルセデス・ベンツ・コネクション)の「トライアルクルーズ」でCLAに乗っていたので、クルマの状態を見て即決しました。

── 大のメルセデス・ベンツ好きとして、試乗して印象に残ったクルマはありますか？

▲こうして眺めていると、まったく顔つきが異なることに気づかされます

勝利さん：メルセデス・ベンツG350ディーゼル(G463)です。ハンドルの切れ角や、運転席からの視界の良さに感動しました。一見するとGクラスは大柄なボディサイズですが、運転席に座った瞬間、まるで自分のクルマのようにすぐにシンクロしたかのように馴染んだんです。スタッフの方も「Gクラスオーナーよりも運転が上手いですよ」と絶賛してくれました。AMGモデルにも試乗してみたいのですが、こちらは25才以上という条件があるため、もう少しの辛抱です。

── 次に、E220を手に入れたきっかけを教えてください

勝利さん：以前から、W124型のメルセデス・ベンツが欲しいと思っていたんです。しかし、父親からは「古いクルマは壊れるからやめておけ」といわれ続けていたこともあり、現行モデルのCLA180を手に入れたという経緯があります。

あるパーキングエリアにいたとき、知り合いの方がこのE220に乗って現れたんです。声を掛けると「インターネットオークションに出品するので、クルマを撮影するために乗ってきた」と仰るんです。その方は、私がW124型のメルセデス・ベンツ好きなのを知っていましたから、試乗を勧めてくれたんです。

▲E220は、23年前のクルマとは思えないほど美しいコンディションを保っています。運転席のサイドシルには新車時にはがされるはずの保護ビニールがそのまま残って(！)いることに驚かされます

試乗している最中に「欲しいなら安く譲るよ」と破格の条件を提示してくださったんですね。コンディションが良い個体でしたし、その場で即決しました。完全に衝動買いです。パーキングエリアに戻ってから銀行ATMでお金をおろし、その場で代金をお支払いしました。帰りにオーナーさんをお送りして、E220はそのまま自宅に乗って帰ってしまいました。

現在は、E220はイベント用、CLA180は普段の移動の足として使い分けています。

── 2台のメルセデス・ベンツの好きなところを教えてください

●E220の好きなところ
勝利さん：すべてです。ベタ惚れ状態です。

●CLA180の好きなところ
勝利さん：リアテールのデザインが好きです。特に、夜間、点灯したときの光具合が特に好きです。

── 手に入れて良かった点、苦労している点を教えてください

●良かった点：E220
勝利さん：何よりW124乗りの友人が増えたことです。実はCLAよりも燃費が良くて、街乗りでも11〜13km/L走るんです。頑丈だし、運転席からの視界も良好。スイッチ類も使いやすいです。それから、狭い道でもハンドルがよく切れるので楽です。

●苦労している点：E220
勝利さん：手に入れてからまだ数ヶ月ということもあり、バッテリーを交換したくらいでノントラブルなんです。

●良かった点：CLA180
勝利さん：燃費が良いところ、見た目以上に荷物が積めるところです。燃費は期待以上で、街乗りでエアコンを作動させた状態でも9km/L、条件が良ければ12〜13km/L走ります。これまでのベストは、高速道路で記録したで22.9km/Lです。

●苦労している点：CLA180
勝利さん：ボディカラーが黒なので、磨き傷が目立つこと、E220と比べて後方視界が見えにくいことでしょうか…。

── 予算抜きで、欲しいクルマBEST3を教えてください

●勝利さん：
→3位.CLK GTRロードスター
→2位.R129 SL73 AMG
→1位.W124 ブラバス6.0
→上がりの1台.AMG 300E 6.0 4V ハンマーバージョン(ブルーブラック)

●真盛さん：
→3位.W124 ブラバス6.0(ワインレッド)
→2位.パガーニゾンダ760 ロードスター(希竜)
→1位.フェラーリF40LM
→上がりの1台.ランボルギーニ JOTA SVR

●めぐみさん：
→メルセデス・ベンツE500リミテッド(W124)です！！！

── 皆さん、かなりマニアックなチョイスですが、ご家族でクルマ談義するんですか？

▲代官山TSUTAYAモーニングクルーズにも参加しているそうなので、見掛けたら声を掛けてあげてください！

勝利さん：普段は別々に暮らしていますが、週末になると家族で集まってクルマで出掛けます。その際、母親や弟ともクルマ談義をしますよ。ディープすぎるのか、周囲がついてくれなくなる(ドン引きしている？)こともしばしばです…。

── 今後、電気自動車が普及してきたらどうするんですか？

▲E220のエンジンルーム

勝利さん：E220をEV化してでも乗り続けたいです！

真盛さん：私はクルマの音が好きなので、困りますね…。

めぐみさん：すみません。まったく興味がありません(苦笑)

▲CLA180のエンジンルーム

── 皆さんにとって、愛車はどんな存在ですか？

▲W124の走行距離は、20年間でわずか7.2万キロほど

勝利さん：大切な相棒です。

真盛さん：家族の一員です。

めぐみさん：愛情が湧く存在です。

── 補足：ご家族の皆さんがクルマが好きな安田ファミリーにお会いしてみて

▲E220の車内

取材中もディープなクルマ談義で盛りあがり、筆者も参加して時間を忘れて楽しんでしまいました。兄の勝利さんは大のメルセデス・ベンツファン。弟の真盛さんは「フェラーリは308まで！」と豪語するような、まるでスーパーカー世代のお父さん世代かと思われる発言を連発して驚かされました。そこにめぐみさんが加わることで、ディープなクルマ談義に花を咲かせる光景が何とも楽しそうで、羨ましくもありました。