更新2022.04.05
ヴァレオのLiDAR、新型「Sクラス」のレベル3自動運転の中核技術に
外車王SOKEN編集部
仏自動車部品大手のヴァレオは3月22日、独メルセデスベンツの新型「Sクラス」が搭載するレベル3の自動運転システム「ドライブ・パイロット」に同社のライダー(LiDAR)技術が使われていると明らかにし、ドライバーは特定の条件下で安全に運転をシステムに任せることができると強調した。使われているのはヴァレオの第2世代のライダー「SCALA2」。自動車用のライダースキャナーを量産できるのは世界で同社が唯一だという。
「SCALA2」は200メートル以上の検知範囲と広い視野角を備える。1秒間に25回のスキャンを繰り返すことで車両の周囲情報を3次元の点群(ポイントクラウド)データとして生成し、対象物が動的か静的かの区別も含めて周囲環境を正確に把握できる。また、実装するソフトウエアは様々な生のデータを有用なデータに変換する。これにより、例えば雨粒にレーザーが当たって引き起こされる「エコー」を除去することでシステムは雨を「透かして見える」ようになり、周囲の雨粒の密度を測定できる。
ドライブ・パイロットは国連・欧州経済委員会(ECE)の「高速道路等における運行時に車両を車線内に維持する機能を有する自動運行装置に関する基準(UN-R157)」を満たしており、高速道路で車が混雑などで走行速度が時速60キロ以下であれば、運転をシステムに任せることができる。ドイツでは道路交通法でレベル3の自動運転がすでに認められている。
[画像/Jaguar Land Rover 提供元/FBC Business Consulting GmbH]