
カーゼニ
更新2018.08.13
ゼニを稼ぎ続け、愛すべき自動車の類を購入し続けるためのコツを考えてみたら

伊達軍曹
大邸宅の施主は「Z様」というIT長者だった

原稿内では「どこのどいつだ?」としらばっくれたのだが、実は、うち1邸の建立主が誰なのかは知っている。
何をしている会社なのかはよく知らぬがいかにも今どきっぽい情報系の企業で、若手ながら役員を務めてらっしゃる方だ。なぜそれを知っているかというと、「建築計画の詳細」みたいなボードに堂々とお名前(かなり珍しい名字とお名前)が書かれていたからだ。それをググったのである。
他人様のプライベートであるゆえ、お名前や建物の場所をここに書くつもりはない。が、仮に「Z様」とさせていただくと、Z様の大豪邸は今かなり出来上がりつつあり、その威容というかなんというかが判明しつつある。
とにかくウルトラ大豪邸だ。以前の原稿で「推定8億円」と書いたような記憶があるが、訂正させていただく。「推定10億円以上」である。土地代は7億円ほどと見たが、上モノだけでも3億円か4億円はかかかっているのではないかと、失礼ながら勝手に想像できるのである。

それほど、すんげえ上モノだ。ゆえに、なかなか出来上がらない。
大衆的な建売住宅などは「そういえばあの空き地だったとこに、柱が立ったな」などと思った1週間後ぐらいにはあらかた出来上がっているイメージがあるが、Z様邸はぜんぜんそうではない。いつとおりがかっても「まだまだ作業中」であり、大勢の大工さんや関連業者の職人さんらが熱心に仕事をしたり、熱心にタバコ休憩などに励んでおられるのだ。
いつ完成するのかはゴッド・オンリー・ノウズというか、Z様と職人さんの棟梁のみが知るところだが、いずれにせよあっぱれである。何をしている会社で何をなさっているのかは調べてもサッパリわからぬが、あれだけのゼニが稼げるというのはそれだけで大正義である。見習いたいところである。
が、こちとら遺憾ながら1文字10円の大衆ライターであるため、Z様のごとき大邸宅を建立するには少なくともあと2回か3回は輪廻転生する必要があるだろうと、冷静に判断している拙者ではある。
「本気」を貫けば、誰でもある程度のゼニは稼げる

しかしながら拙者もフリーランサーとして独立してから約13年間、長屋の賃料や国民年金などをいっさい滞納することなく、そして餓死することもなく、いちおうは小商いを続けることができた人間のひとりではある。
その13年間の所業の中に、少額とはいえゼニを稼ぎ続け、そして愛すべき自動車の類を(主に中古車だが)購入し続けるためのコツというか秘訣のようなものが、いちおうは隠されているはずだ。
無論、拙者などのそれはコツと言ってもぜんぜん大したことのないコツであることは重々承知である。しかしいちおうは各位の「今後の自動車購入生活」に多少はお役に立つ部分もゼロではないと思われるため、恥ずかしながらそれについて今一度考えてみたい。
で、今考えてみた。
結論はアレだ、「本気で書く」ということだろう。
今、こちらCL CARSに寄稿した過去の原稿をいろいろ見直してみたのだが、自分でも驚くほど「馬鹿なこと」しか書いていない。
例えばこれだ。
「後ろのクルマに煽られて腹が立ちそうなときは、『あぁ、この人はウンコが漏れそうなんだな、だから急いでいるんだな』と思え。そうすれば怒りは収まり、結果として安全運転が続行できるだろう」
お読みになった人は「馬鹿な者が、何か馬鹿なことを書いているな」と思ったことだろう。拙者も、客観的にはそう思う。
しかしこれを書いたときの拙者はウルトラ本気であった。正真正銘の本気でウンコ問題について考え、それを本気で書いたのだ。
その結果、まぁ大変馬鹿な内容であることに変わりはないのだが、ある程度の数の読み手に何らかの形で(良くも悪くも)届いたようだ。
そういった「その事柄について本当の本気でそう思う→それを書く」という繰り返しと積み重ねによってのみ、拙者の貧しいながらもいちおうは餓死も滞納もしない社会人生活は成り立っている。
小手先の仕事はすぐにバレてしまうもの

だが毎回「本気」かというと、遺憾ながらそうでもない。
や、「本気でそう思えること」だけを毎回書こうと、もちろん努力はしている。しかしまったくネタが浮かばないまま締め切りの時刻を迎えるということも実際はあるもので、そういった際には、「思ってもいないこと」はさすがに書かないが、「実はちょっとしかそうは思っていないこと」を、素知らぬ顔をして書くこともある。少ないが、確かにあるのだ。
だがそういった場合は、やはりまったく届かないようだ。
や、「悪いほう」だけにはなぜか確実に届き、転載されるサイトでボロっ糞なコメントが付いたりもする。以前、スバルXVのリコール問題に絡む納車タイミングについて書いたものは、本当に何も思い浮かばなかったため苦し紛れに書いたものだが、案の定というかなんというか、転載先で糞味噌に言われていたようだ。
まぁ気持ちはわかる。拙者はいちいち商業サイトに自分の意見を書き込む趣味はないが、もしもそういう趣味を持っていたならば、あの原稿については糞味噌に「コイツ馬鹿なんじゃねえの? ていうか氏んだほうがいいでしょ」ぐらいのことは書いただろう。
いずれにせよ、小商いを続けるコツとは「本気でそう思えること=本当の熱意を持てるもの、熱中できるもの」だけに集中し、そこで自分なりの最大出力をかけることなのだろうと、愚昧ながら思う次第である。
「ではどの業界で本気を出すか?」という問題

が、前述のとおりの10円ライターである自分が10円ライター業界で最大出力を発揮したところで、せいぜい白米と味噌、醤油をつつがなく買えるぐらいのものである。たかが知れているというか、Z様のように大邸宅を建立するまでには絶対に至らないのだ。
大邸宅が建立できる可能性がありそうな自分にとっての分野といえば、嗜んでいる外国為替証拠金取引、俗に言うFXだろう。これで、邸宅代を捻出するしかない。
そう、「嗜んでいる」などと言っているからダメなのだ。趣味程度の小銭しか稼げぬのだ。もっとこうフルコミットして本気を出して初めて、外国為替証拠金取引を通じてのビッグなゼニは、わたしのところへやってくるのだ。そうに違いないのだ。
そこに気がついた拙者は家中のブタさん貯金箱を破壊した。だがそれだけではショボい種銭にしかならなかったため、駅前のプロミスとアイフルおよびその他を回り、合計数百万円の種銭をゲットしてこました。
で、ドル円のショート(売り)にすべてを本気で突っ込んだ。
結果は……まぁ言わずもがなだろう。すべてが灰燼に帰した。
ということで、この後は自己破産手続の件で少々忙しいため、今日のところはこれにて失敬する。御免。
[ライター/伊達軍曹]