ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
「ルフトハンザドイツ航空」はドイツ最大の航空会社だ
中込 健太郎
黒い森が待つドイツ、行ってみたいものですよね。皆さんはいらしたことはありますか?夏の音楽祭、秋から春にかけて、クリスマスを挟んでの伝統の暮らしに触れる旅。またその森をクルマで抜ける旅など、憧れるのはドイツですね。そんなときにせっかくなので乗ってみたいのがシックなカラーリングでおなじみのドイツのフラッグ・キャリア「ルフトハンザドイツ航空」ですね。今回はドイツからそんなルフトハンザに関するレポートが届きました。
(編集部追記:当記事は過去配信した記事の改定版です)
ルフトハンザドイツ航空(Lufthansa)はドイツの最大の航空会社です。最近ではヨーロッパでも有数の大きなネットワークを持つ航空会社で、フランクフルトとミュンヘンをハブ空港にして、ヨーロッパの空、またほかの地域とヨーロッパを結ぶ便を多数運行しています。世界一安全性が高いとも言われており、グループ会社のルフトハンザテクニック(Lufthansa Technik)がその整備を一手に担っています。そんなルフトハンザで使用されていた機体は、行き届いた整備で中古市場でも人気が高く、他の航空会社で多数活躍しています。この、いわば「ルフトハンザのお下がりの中古機材」ばかりで運行するLCC(ローコストキャリア)もあるほどだそうです。
ヨーロッパにはエアバスがあり、この機体を優先的に使う航空会社も多い中、ルフトハンザではボーイングの機材も多数使用され、現在発注されているものもたくさんあるようです。そのLCCに関して言えば、ルフトハンザテクニックはLCCなど自社整備部門を持っていない航空会社の整備も請け負っています。このような整備技術の提供や、パイロット養成などを幅広く手掛け、日本のANAも加盟する航空連合「スターアライアンス」スタートメンバーでもあるルフトハンザ。新時代の航空会社像の成功事例としてもルフトハンザは注目されています。
「ルフトハンザ」と言う名前ですが、昔歴史の時間に習った「ハンザ同盟」に由来します。「ハンザ同盟」は中世後期に北ドイツを中心にバルト海沿岸地域の貿易を独占し、ヨーロッパ北部の経済圏を支配した都市同盟です。もともと都市の間を交易してまわる商人の組合的団体のことを指しました。ハンザ同盟の中核を占める北ドイツの都市は神聖ローマ帝国の中で皇帝に直接忠誠を誓う「帝国都市」であり、相互に独立性と平等性を保つ緩やかな同盟でしたが、やがて経済的連合にとどまらず、時には政治的・軍事的連合として機能。しかし同盟の恒久的な中央機構、いわゆる政府のようなものは存在せず、同盟の決定に拘束力も弱かったので、政策などはそれぞれの都市の利害が優先されました。
リューベック、ハンブルク、ブレーメンなどかつてのハンザ同盟の中心都市は「自由ハンザ都市」を称して中世以来の都市の自由をうたっており、21世紀の現在もなおハンザ同盟の遺風を残しています。そんなドイツを中心に産業経済が発展した過程での歴史的な同盟、文化もこういうものに支配された風土で育まれた、いわば今のドイツの素、ドイツの魅力のエッセンスでもあるこの「ハンザ」を取って、「空のハンザ同盟」。それが「ルフトハンザ」その名前の由来なのです。
ドイツの空が呼んでいる!ルフトハンザのことを書いていたら、俄然行きたくなりますね。乗ってみたいもの。皆さんもぜひ機会があればルフトハンザ、乗ってみてはいかがでしょうか?
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]
(編集部追記:当記事は過去配信した記事の改定版です)
ルフトハンザドイツ航空(Lufthansa)はドイツの最大の航空会社です。最近ではヨーロッパでも有数の大きなネットワークを持つ航空会社で、フランクフルトとミュンヘンをハブ空港にして、ヨーロッパの空、またほかの地域とヨーロッパを結ぶ便を多数運行しています。世界一安全性が高いとも言われており、グループ会社のルフトハンザテクニック(Lufthansa Technik)がその整備を一手に担っています。そんなルフトハンザで使用されていた機体は、行き届いた整備で中古市場でも人気が高く、他の航空会社で多数活躍しています。この、いわば「ルフトハンザのお下がりの中古機材」ばかりで運行するLCC(ローコストキャリア)もあるほどだそうです。
ヨーロッパにはエアバスがあり、この機体を優先的に使う航空会社も多い中、ルフトハンザではボーイングの機材も多数使用され、現在発注されているものもたくさんあるようです。そのLCCに関して言えば、ルフトハンザテクニックはLCCなど自社整備部門を持っていない航空会社の整備も請け負っています。このような整備技術の提供や、パイロット養成などを幅広く手掛け、日本のANAも加盟する航空連合「スターアライアンス」スタートメンバーでもあるルフトハンザ。新時代の航空会社像の成功事例としてもルフトハンザは注目されています。
「ルフトハンザ」と言う名前ですが、昔歴史の時間に習った「ハンザ同盟」に由来します。「ハンザ同盟」は中世後期に北ドイツを中心にバルト海沿岸地域の貿易を独占し、ヨーロッパ北部の経済圏を支配した都市同盟です。もともと都市の間を交易してまわる商人の組合的団体のことを指しました。ハンザ同盟の中核を占める北ドイツの都市は神聖ローマ帝国の中で皇帝に直接忠誠を誓う「帝国都市」であり、相互に独立性と平等性を保つ緩やかな同盟でしたが、やがて経済的連合にとどまらず、時には政治的・軍事的連合として機能。しかし同盟の恒久的な中央機構、いわゆる政府のようなものは存在せず、同盟の決定に拘束力も弱かったので、政策などはそれぞれの都市の利害が優先されました。
リューベック、ハンブルク、ブレーメンなどかつてのハンザ同盟の中心都市は「自由ハンザ都市」を称して中世以来の都市の自由をうたっており、21世紀の現在もなおハンザ同盟の遺風を残しています。そんなドイツを中心に産業経済が発展した過程での歴史的な同盟、文化もこういうものに支配された風土で育まれた、いわば今のドイツの素、ドイツの魅力のエッセンスでもあるこの「ハンザ」を取って、「空のハンザ同盟」。それが「ルフトハンザ」その名前の由来なのです。
ドイツの空が呼んでいる!ルフトハンザのことを書いていたら、俄然行きたくなりますね。乗ってみたいもの。皆さんもぜひ機会があればルフトハンザ、乗ってみてはいかがでしょうか?
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]