
ドライブ
更新2023.11.22
西への旅の途中でひとっ風呂!神戸の湊山温泉は悠久の歴史とともに
中込 健太郎
有馬温泉クラスの名湯に気軽に入れる

よく寄っていたのが歴史と湯量ともに盤石のクオリティ「有馬温泉」です。たちより浴場が二つあって、午前中からオープンするので、少しゆっくりしてから有馬に入り、温泉を頂いてからドライブを続ける。そんなことがよくありました。とてもいいお風呂ですし、金の湯、銀の湯と、二カ所ある源泉も特徴的。「旅をしたな」「有馬に立ち寄ったな」という実感がとても強いのはいい旅の思い出です。有馬温泉クラスの名実ともに名湯に気軽に入れるということに関しては、それはそれでとても価値のあることだと思っております。

しかし、欲をいうと「早朝の時間が勿体無い」という旅程になることが多いのも事実なのです。関西も時間帯に寄っては渋滞が多いエリアも多く、こちらから西へ向かうのも、西から東へ戻るのも、「早朝神戸」で入浴できるといいなと思っていたものです。
廃業から一転、復活した湊山温泉

湊山温泉は神戸市兵庫区湊山町にある小さな温泉施設です。有馬へ登る坂の麓。そんな場所に位置しております。その昔、平清盛も湯治したともいわれ、800年以上もこんこん湧出しているそうです。源泉は基本的に無色、透明で炭酸ガスが細かく泡立っています。ただし、長時間放置するとわずかに茶褐色の沈殿がでてきます。そのロケーション、またふらっと立ち寄れる温泉施設という点でも、寄ってみたいと思っていました。

「間もなく閉鎖されることになりました」というニュースで知ったあとに、伊豆の地ビールを製造している会社が経営に乗り出すことになったことを知りました。以来、一度、今度神戸を訪れることがあったらよってみたいと思っていて、山口へ出かけた際、立ち寄ることができました。

濁ったお湯はさっぱりと、そして暖まり、なかなかいいお湯です。そしてありがたいことに営業は早朝5時から営業でいているのです。上で申し上げた「早朝のひとっ風呂」ができるのです。コレはありがたい。悠久の歴史とともに育まれた温泉は不死鳥(フェニックス=フェニーチェ)のような、朽ちること、絶えることのない温泉で、その部分にもご利益のようなものを感じないではいられませんでした。(イタリアのベネツィアには「フェニーチェ歌劇場」というオペラ劇場がありますね。)
有馬温泉お麓ながら、まったく泉質が違うのも興味深いところ。ぜひ西へ向かう方、訪れてみてはいかがでしょうか?

神戸・湊山温泉のホームページはこちら。
http://www.jin.ne.jp/m-onsen/
[ライター・画像/中込健太郎]
※当記事は過去公開した記事の再編集版です