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更新2023.11.22
ワーゲンバスは至高のキッチンカー。間違いなく「クルマの伝道者」である
中込 健太郎
どうせキッチンカーにお金をかけるなら『ホンモノのクルマ選び』をしてほしい
もちろんキッチン機能がついていて、ここが大切ですが「保健所の認可がおりる」クルマでなければならないものの、それにしても、時々売りにでているキッチンカーなどの状態を見ると、かなり過走行なもの、コンディションのシビアなものも少なくありません。「確かにキッチンカーは、キッチン機能が移動出来ればいいのです。それにしてもかなりクルマとしてくたびれたものが多く、入手しようとするとかなり高価。もっと気軽に始めてほしいですし、どうせキッチンカーにお金をかけるなら『ホンモノのクルマ選び』をしてほしいのです」そう話してくださったときの前出の平松さん。キッチンカーを扱うビジネスマンという以上にクルマ好きな一面が見え隠れします。
よく見かける軽自動車の外観を、クラシックなワーゲンやシトロエンのワゴン/バンのように仕立てたものがあり、かわいらしいのですが、かなりいい値段で流通しており、それをさらにキッチンカーに仕立てるとなると、さらに金額的には跳ね上がってしまうもの。それならば、とホンモノのワーゲンバスをキッチンカーに仕立てようと思ったのがはじまりだと平松さんは言います。「いろいろキッチンカーを使ってケータリングをされている方にお話を聞くと、結構おかねかけておられていることがわかりました。でもそれならばワーゲンバスを使って作ってもそんなに変わらないということがわかりました。年季の入ったワーゲンバスはそれ自体も目を引きます。クルマが好きな人もそうでない人も、お腹が空いている人もそうでない人もこのクルマのまわりに集まってきますよ」確かに眺めているだけで笑顔になれるワーゲンバス、この魅力を語る時の平松さんは、ビジネスマンという以上にクルマ好きのそれそのものでした。
ただ間髪入れず平松さんは「以前は、のはなしですが。」と続けました。洋の東西問わず、猫も杓子も、と言った感のある現在のクラシックカー、ヒストリックカーの(相場高騰の)あおり、ワーゲンバスも例外なく受けているのだそうです。前は正直軽自動車をベースにするのと予算的にも変わらなかったそうです。しかし、それからするとちょっと手が出ないレベルになってきているのだというのです。それでも、仕組みが簡単で、クルマとしての故障も案外少ないワーゲンバス。その注目度もさることながら、実際かなりキッチンカーベースとしてもいいチョイスだったという実感があるそうです。
筆者も実際に体験!「キッチンカーはコミュニーケーションツールだ!」
そんなキッチンカーで、実は筆者もコーヒーを入れさせていただく機会を得ました。全長4mそこそこの車内、収まってしまうとなかなか居心地は悪くないものです。そして、この日の車両は電源を開催場所で外部から引き込むタイプのものでしたが、コーヒーをサーブする一通りのものがすべて揃っていて、クルマの中というよりは「カフェの屋台」そのものでした。
そこでお客様をお待ちしていると、面白いことに、女性の方の方がより興味を示してくださいます。「このクルマ、走るんですか?」「壊れませんか?」など、ざっくりと「かわいい!」というような、ステレオタイプな女子の反応以外の反応を多数いただきました。「仕組みも簡単なので、わりと故障はしませんし、すぐに直せるのです」先日、ワーゲンビレッジさんの別のクルマを試乗させていただいたりもしたので、そんな説明を私なりにしてあげた時の、妙に安心したような顔を見ると、本当にこのクルマのことを想い、このクルマに興味を持っているのだなということがわかりました。クルマの楽しさを広めるというときに、ドライバーとして愛車をどうするかという提案はよくありますが、全くクルマと関係ない人が触れる、こうしたクルマも間違いなく「クルマの伝道者」であるのだということを、この体験で実感することになりました。
「大人気、ルノー・カングー!」もっとキッチンカーを気軽に?
そんなワーゲンビレッジさんが今度始めるアクションとして、日本でも大人気「ルノー・カングー」をベースにしたキッチンカーの制作も、提案を開始しました。専業の人もさることながら、ちょっとしたイベントや、フリーマーケットのような機会からキッチンカーではじめてみたいというひとにも参入しやすいひとに、もっとキッチンカーを低コストで提供できないかと開発したものです。完成車の販売ももちろん、持ち込みでも加工可能で、しかも、ボルトオンで、外してしまうことも可能なものになっているというのです。まだ本格リリースはこれからなのですが、早くもかなり反響があるというのです。
クルマが集う、そして食べ物があるとそんな集いも一層楽しいものになるのではないか。ワーゲンビレッジさんの「クルマを通して胃袋を満たす」活動は、まだまだこれから、そんな印象を受けたのでした。
ワーゲンビレッジのホームページ
http://www.vw-village.com/
ワーゲンバスの試乗記(カレントライフ関連記事)
「もっとも愛嬌があって、かなり使えるクルマ。ワーゲンバスに乗りました!」
https://www.gaisha-oh.com/soken/wagen-bus-vw2/
[ライター・カメラ/中込健太郎]