ライフスタイル
更新2017.04.22
ディーラーや自動車販売店での悲喜交々な体験を振り返ってみた
松村 透
(画像はイメージです)
で、筆者の場合、ふっと思い出すのは「悲」の割合の方が多いように思います。意外にも、それが反骨精神の原動力にもなっているので、結果オーライなのかな・・・とも思います。
エピソード1:試乗中にリアシートで片ひざをついてセールス氏が居眠り
(画像はイメージです)
いまでもはっきり覚えているのは、ちょうど二十歳のとき。本当に意を決して、ある輸入車ディーラーに赴き、デモカーを試乗させてもらえないかお願いしてみたときのことです。運転免許はあるし、初心者マークも卒業しているということで、近所を試乗させてもらいました。
いまにして思えば、それが筆者にとって自分でドライブした初の輸入車となったわけですが、左ハンドル仕様、しかもMT車。ものすごく緊張したことを鮮明に記憶しています。極限の緊張状態のなかで、エンストせずに発信し、普通に街中を走らせている・・・。ひょっとして自分は天才・・・いや、もしやニュータイプかもしれない(笑ってください)と、一人夢見心地でした。
少し慣れてきたころ、ルームミラーに目をやってみると、リアシートで片ひざをついてセールス氏が居眠りをしている光景が目に飛び込んできました。目が合ったとき、さすがに居住まいを正していましたが(笑)。先方にとっては迷惑この上ない来場者であったであろうことは想像に難くないですが、あのときの悔しさはいまでも忘れられません。「ぜったいにここのメーカーのクルマを買ってやる!」固くそう心に誓いました。
エピソード2:○○○○の悪夢
(画像はイメージです)
もうひとつは10年くらい前のことです。ある輸入車のオフィシャルグッズを探していたところ、インターネット通販では売り切れ。あるショールームに問い合わせてみたら在庫ありということで、取り置きをお願いし、意を決して足を運んでみることにしました。さすがに普段のラフすぎる格好では憚れるので、このためだけにわざわざスーツを着て・・・(アホですね)。
入りにくいオーラがショールーム全体からあふれているような立地と設え。とりあえず何食わぬ顔(のつもり)でなかに入ってみると、有名モデル事務所から派遣されてきたような、スタイル抜群の美女がにこやかに出迎えてくれました。取り置きしていたグッズを買いに来たことを伝えると、やがてセールス氏と思しき男性が現れ、専用スカウターでコンマ5秒で戦闘力(経済力)を計測されたような・・・気が。改めて、取り置きしていたグッズを買いに来たことを伝えると、少しお待ちくださいと奥へ消えていきました。店内には他に誰もいないのに、座ってお待ちくださいとはいわれないんだなあ・・・。結局、10分くらい待たされ、要件を済ますと、もう、そこにいられない(いてはいけない)雰囲気が・・・。先ほどの美女が出口までエスコートして送ってくれました。外は季節外れの雪が舞っている・・・。ああ、筆者はお呼びでないんだなあ(当然ですが)。
このときの悔しさも忘れられません。このときのできごとを密かに「○○○○の悪夢」と呼ぶことにしました。と同時に「ぜったいにここのメーカーのクルマを買ってやる!」再び、固くそう心に誓いました。いまでも、ここのショールームの前を歩くときは「待ってろよ!」と密かに闘志を燃やしています(笑)。さらにいうと、深夜の仕事帰りなどに、ここのショールームの前でしばらくクルマを眺めてから帰路につきます。ああ、20代のころから変わっていない・・・。
ちなみに筆者の知人は、歩いていたときにたまたま眼に留まったとある輸入車のショールームに展示されていたクルマにひとめぼれ。その足でショールームへ直行したものの、あまりの塩対応ぶりに憤慨し、その場でオーダーしてしまったそうです。もちろんキャッシュで・・・。これくらいの甲斐性を持ち合わせていたいものです。
エピソード3:「悲」ばかりでは何なので、「喜」の方も・・・
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「喜」の方はディーラーで体験談ではありません。筆者の愛車の主治医と初めて出逢ったのは10数年前のことでしょうか。共通の知人の紹介で連れて行ってもらったのですが、オヤジさんはぶっきらぼうで、話し掛けても素っ気なくて、一見さんではここの敷居をまたぐのは不可能なんじゃないの?と思わず突っ込みたくなるような、何とも緊張感漂う(?)場所でした。帰り際「またおいでよ。今度は1人で」といってくれたので、近くまで行ったときには何度も通うようになっていっきました。
ぶっきらぼうなのはオヤジさんの気質だと分かってきたのはそれから少しあとのことで、仕事でしんどいことがあると、ふらっと立ち寄って何気ない話しをするだけでもずいぶんと気持ちが軽くなったもんです。いまでも、取材のあとなどに立ち寄らせてもらっています。お酒が出ない、行きつけの飲み屋さんみたいです。結果として、筆者の愛車も面倒を診てもらうことになりました。
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クルマ1台を買うにも、手放すにも、さまざまなドラマがあります。そこには必ず「人」が関わってきます。それは、内燃機関が電気自動車に代わり、もしかしたら空を飛ぶようになっても変わらないように思うのです。