更新2022.06.21
ジャガーが故障しやすいのは本当なのか。故障しやすいパーツと覚えておきたい対処法
外車王SOKEN編集部
ジャガーは、1922年にイギリスで創業し、世界耐久選手権(WEC)などのモータースポーツで活躍しているスポーツカーメーカーです。高級感のある内装とスポーティーな走りから、高級スポーツカーメーカーとして高い知名度を誇ります。レースでの実績やスポーツカーの販売をしていることから、耐久性が高いのではないかと思われるジャガーですが、実は故障が多いことでも有名です。今回は、ジャガーによくある故障と故障時の対応方法を解説します。
ジャガーでよくある故障
ジャガーは故障しやすい車として知られていますが、どのような故障があるのでしょうか。ここからは、現在ジャガーが販売している「XJ」「XE」「XF」「XFスポーツブレーク」「Fタイプ」「F-PACE」「E-PACE」によくある故障を解説していきます。
エアサスペンションの劣化
ジャガーの上級車種である「XJ」などに装着されるエアサスペンションは、故障事例が多いパーツです。エアサスペンションは、サスペンションに装着されているエアバッグに空気を重鎮することで、スムーズな乗り心地を実現するパーツです。
エアサスペンションのエアバッグが劣化すると、エアが漏れたり、破損したりします。エアバッグに不具合が起きると、警告灯が点灯して車高が下がり、走行が難しくなるほか、サスペンションまわりのフェンダーやバンパーに傷がついてしまうこともあります。
エアサスペンションに異常が発生したときは、早急に点検をして、被害が大きくなる前に修理に出しましょう。
コンプレッサーの故障
コンプレッサーの不具合は、セダン系の「XJ」「XF」「XK」に多い故障です。コンプレッサーが故障すると、エアコンの効きが悪くなったり、冷たい風が出なくなったりします。コンプレッサーが故障した場合は、コンプレッサーユニットの交換が必要です。エアコンのコンプレッサーユニットの交換には、15万円前後かかります。
オイル漏れ
エンジンオイルの漏れは、「XJ」「XE」「Xタイプ」「Sタイプ」といったセダン系に多いトラブルです。年式が古い車種は、オイルシールの劣化などによってエンジンのヘッドカバーやガスケットといったエンジンパーツの隙間からオイルが漏れやすくなっています。
オイル漏れの症状は、駐車場のオイル染みです。また、走行中に焦げ臭さがある場合もオイルが漏れている可能性があります。オイル漏れの症状があるときは、エンジンを停止してすぐに点検しましょう。オイル漏れを放置すると、エンジンの潤滑・冷却・洗浄・防腐といった役割を果たせなくなり、エンジンが故障してしまいます。
故障しにくいジャガーの特徴
故障や不具合・トラブルが多いジャガーですが、故障しにくい車両もあります。ここからは、故障しにくいジャガーの特徴を解説します。
ワンオーナー車
ワンオーナー車は、新車購入からどのような乗り方をしてきたのか、点検・整備をどこで行ってきたのかといった履歴がわかるため、故障の可能性を確認したうえで購入を検討できます。
また、新車購入の場合、初期の点検をディーラーで実施していることが多く、ジャガーの特性に合った適切なメンテナンスが行われてきたと判断できます。さらに、ワンオーナー車は、初期不良など細かな不具合の改修が済んでいることが多いため、故障しにくいと言えるでしょう。
走行距離が短い
走行距離が短いジャガーは、故障しにくい傾向があります。走行距離が長いほどに車体に負担がかかるため、走行距離が短いジャガーは良好な状態だと判断できます。ただし、走行距離が短くても年式が古い車両は長期間動かしていなかったということのため、注意が必要です。
エンジンやタイヤ、オイルや冷却水などは、ある程度動かすことで最良の状態が維持されます。機械系は、動かしていないとサビによって固着し、動きが鈍くなったり動かなくなったりしてしまうことがあります。また、長期間放置された車両の場合、バッテリーやプラグなど電気系統のトラブルが発生することもあるのです。年式の割に走行距離が短すぎる車両は、購入後にトラブルが続発する可能性があるため、注意してください。
信頼性が高い中古車販売店で購入した
信頼性が高い中古車販売店で購入した車両は、整備やメンテナンスがしっかりと行われた後に納車されるため、故障が少ないと言えるでしょう。また、保証やアフターサービスが充実していることが多いため、万一のときも安心です。保証やアフターサービスが充実し、ジャガーの点検・整備などを得意としている中古車販売店で購入しましょう。
ジャガーの故障リスクを抑える方法
ジャガーは故障しやすいものの、適切なメンテナンスや点検・運転方法を実施していれば、故障率を下げることができます。ジャガーの故障率を下げる方法は次のとおりです。
定期的にメンテナンスをする
1年に1回の法定点検や、2年に1度受けなければならない車検、走行距離に応じたオイル交換や所有年数に応じた定期交換部品などのメンテナンスをすることで、故障率を下げられます。また、定期的なメンテナンスは、不具合やトラブルの早期発見にも繋がります。
エンジンの空ぶかしをしない
エンジンの空ぶかしは、現代の車には必要ありません。1週間に1~2回しか動かさない場合、エンジンオイルが循環していない「ドライスタート」となり、エンジン内部の金属同士が擦れ合って、エンジン内部を傷つけてしまう可能性が高くなります。数日ぶりに動かす場合は、エンジンをかけた後、通常通りに発進し、急加速やアクセルの急操作を避けるようにしましょう。
走行時にサイドブレーキを操作しない
走行中にサイドブレーキを操作すると急激にブレーキがかかってしまいます。また、サイドブレーキの解除がしっかりとできていない場合、ブレーキをかけ続けたまま走行することになるため、フェード現象が発生することもあるのです。
近年、主流になっている電動パーキングブレーキ(EPB)は、走行中にブレーキがかからないように制御されているため、解除忘れによる故障のリスクが低くなっています。緊急時には、電動パーキングブレーキを使った減速が可能です。緊急時の操作方法は、車種によって異なるため、万一の時のために確認しておくとよいでしょう。
少しでも異変を感じたら点検に出す
ジャガーの故障には、前兆があります。走行中の異音や振動などの異変を感じたら、点検に出しましょう。ちょっとした異変のタイミングで修理をしておけば、大事に至らずに済みます。
ジャガーが故障したときの対処法
点検・整備やメンテナンスをしっかりとしていても、走行中に強い衝撃が加わったり、飛散物がぶつかってきたりすると、予期せぬ故障が発生することもあります。ここからは、故障したときの対処方法を解説します。
ディーラーに連絡する
ジャガーが故障したときは、ディーラーに連絡しましょう。ディーラーは、故障時の対処や不具合などのトラブルにも対応できる体制を整えているため、故障時の対処方法を教えてくれます。車を安全な場所に停車させてから連絡をしてください。
外車専門の修理工場に持ち込む
ジャガーが故障したときは、外車専門の修理工場に持ち込むことも視野に入れましょう。外車専門の修理工場であれば、ディーラーよりも割安で修理できる可能性があります。
ただし、外車専門の修理工場を選ぶときは、ジャガーの取り扱いに慣れているか、修理・点検の経験や実績があるかどうかを確認してください。ジャガーもしくはイギリス車の修理を得意とする修理工場に依頼しましょう。
ロードサービスを利用する
走行中の故障や出先での故障時には、ロードサービスを利用しましょう。ロードサービスは、任意で加入する自動車保険の付帯サービスになっていることがほとんどです。ジャガーに乗るときは、自動車保険の内容を見直して、ロードサービスを付帯しておきましょう。
ジャガーが故障したときの修理代の目安
ジャガーが故障したときは、どの程度の修理代がかかるのでしょうか。ここからは、ジャガーの修理代の目安を「エンジン関連」「足まわり関連」「パンク」の3つに分けて説明します。
エンジン関連
ジャガーのエンジン関連が故障した場合、故障した部位によって修理費用が異なります。おおよその費用は、次のとおりです。
【エンジン関連の修理費用の目安】
・オイル漏れ:10万円
・スパークプラグ交換:10,000~15,000円
・ファンベルト交換:4,000円
足まわり関連
ジャガーの足まわり関連の修理は、サスペンションの仕様やブレーキのサイズによって異なります。足まわり関連の修理費用の目安は、次のとおりです。
【足まわり関連の修理費用の目安】
・フロントブレーキパッド交換:5,000円
・フロントブレーキローター交換:10,000円
・リアブレーキパッド交換:5,000円
・リアブレーキローター交換:10,000円
・フロントサスペンション交換:50,000円
・エアサスペンション交換:500,000円
パンク
ジャガーのタイヤがパンクした場合、ディーラーと修理工場で費用が異なります。パンクの修理費用は、ディーラーの方が高く、修理工場の方が安く済む場合がほとんどです。ただし、タイヤのサイド部分が損傷した場合は、パンク修理では対応できないため、タイヤ交換が必要になります。
【パンク修理費用の目安】
・ディーラー:5,000円
・修理工場:3,000円
ジャガーが故障したら早めに修理に出しましょう
ジャガーは、歴史あるスポーツカーメーカーですが、故障が発生する場合があります。故障したときには、早めに修理をして、故障の被害が大きくならないようにしましょう。また、定期的なメンテナンスや点検・整備をしていれば、故障を未然に防ぐことができます。加えて、異変を感じたときに相談できるディーラーや修理工場を見つけておきましょう。
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