更新2022.11.29
ドイツ初のグリーン水素輸入ターミナル、ハンブルクに建設へ
外車王SOKEN編集部
米工業ガス大手エアープロダクツと独エネルギー商社ナバナフトは17日、グリーン水素の輸入ターミナルをハンブルク港に設置する計画を発表した。ドイツ初の本格的なグリーン水素ターミナルとなる。2026年の稼働開始を予定している。発表記者会見に参加したハーベック経済・気候相は、「ドイツでの水素経済立ち上げの道標になる。独・欧州の全水素市場にとって強力なシグナルだ」と意義を強調した。
ナバナフトの子会社オイルタンキング・ドイチュラントがハンブルク港に持つ石油貯蔵施設を、グリーンアンモニアをグリーン水素へと変換する施設へと改修する。投資額は当初5億ユーロで、アンモニアの貯蔵容量は5万5,000トン。将来的には投資規模を10億ユーロへと増やす考えだ。
グリーンアンモニアはエアープロダクツがサウジアラビアで製造する。ソーラー発電で水から水素を分離。窒素と反応させてアンモニアを合成する。アンモニアは常温で取り扱いやすいことから輸送に適している。
サウジから輸入したグリーンアンモニアはハンブルク港で水素へと変換され、国内で販売される。水素の年産能力は約10万トン。
ドイツでは現在、天然ガスが年1,000テラワット時(TWh)消費されている。ハーベック氏は30年までに少なくともその10%に当たる100TWhをグリーン水素に置き替えていく考えを表明した。
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