ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
ドイツの「Hナンバー」を背負ったクルマ達@ドイツ現地レポ
中込 健太郎
このコーナーではたびたび取り上げていますが、ドイツからHナンバーのクルマたちの写真が来ました。ドイツは古いクルマを大切に乗る文化が根付いています。ドイツの「Hナンバー」という制度は、製造から30年以上経った車両で、かつ大幅な改造がなされていない車両に特別なHナンバーをつけるというものです。H=ヒストリーナンバー/H=Historischの意味で、このナンバーが付与されるとなんと、自動車税や自動車保険が優遇されるのです。モノを大切に扱っている、歴史的な工業製品価値を維持している、また古いクルマはそんなに走らない、という考え方のようです。
ワインレッドのポルシェ911は、930型のカブリオレ。子供の頃に現役時代だったものでヒストリックカーという感じがしませんが、もうそういうクルマなのですね。今の基準からすると軽量で、現在もファンが多く取引価格が高くなっているようですね。もし欲しいのであれば、いいものに出会えたなら、なるべく早めに入手しておくことが肝要かもしれません。いい個体が減っているのも事実だからです。
赤いSLはW113型、初代はガルウィングだったりしましたが、実質的に今の高級スポーツクーペの祖先はこのモデルと言ってもいいかもしれませんね。ヘッドライトの形状からすると、もしかするとアメリカ仕様かもしれません。こういった仕向地向けの仕様の片鱗が見え隠れするのも旧車を見る楽しさの一部かもしれません。
グリーンのクルマは古いローバー。P5かと思ったのですが、ピラーの形状などを見るとこれはP4、さらに古いモデルですね。観音開きのドアで、中型車の代表的車種だったクルマです。搭載エンジンの出力によって細かく仕様は分かれています。
こうしたモデル、今のクルマには無い繊細な線で描かれたフォルム。スタイリッシュでどこかぬくもりを感じるから不思議ですね。こうしたクルマもドイツでは大切に残していこう、制度で優遇している点が日本とは異なりますね。
日本では古くなると自動車税の負担が大きくなるので真逆の考え方といえるでしょう。日本では新車をどんどん乗り換える傾向にありますが、ドイツは10万キロオーバーのクルマでも大切に乗っているのです。闇雲に消費するのではなく、昔のもの、使えるものは大事にする。ドイツをはじめヨーロッパでは比較的こういったことが自然なこととして受け止められているのではないでしょうか。さまざまな意味で本当の先進国だと思うのです。
確かに、新車を作って消費して、戦後それでご飯を食べてきました。我々日本人に取っては自動車産業は「日銭を稼ぐかて」という受け止め方で自動車産業が興ってきたのかもしれません。でもそろそろ、このあたりでゆっくり見つめ直す。そういう行動方針にシフトしていってもよいのではないでしょうか。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]
ワインレッドのポルシェ911は、930型のカブリオレ。子供の頃に現役時代だったものでヒストリックカーという感じがしませんが、もうそういうクルマなのですね。今の基準からすると軽量で、現在もファンが多く取引価格が高くなっているようですね。もし欲しいのであれば、いいものに出会えたなら、なるべく早めに入手しておくことが肝要かもしれません。いい個体が減っているのも事実だからです。
赤いSLはW113型、初代はガルウィングだったりしましたが、実質的に今の高級スポーツクーペの祖先はこのモデルと言ってもいいかもしれませんね。ヘッドライトの形状からすると、もしかするとアメリカ仕様かもしれません。こういった仕向地向けの仕様の片鱗が見え隠れするのも旧車を見る楽しさの一部かもしれません。
グリーンのクルマは古いローバー。P5かと思ったのですが、ピラーの形状などを見るとこれはP4、さらに古いモデルですね。観音開きのドアで、中型車の代表的車種だったクルマです。搭載エンジンの出力によって細かく仕様は分かれています。
こうしたモデル、今のクルマには無い繊細な線で描かれたフォルム。スタイリッシュでどこかぬくもりを感じるから不思議ですね。こうしたクルマもドイツでは大切に残していこう、制度で優遇している点が日本とは異なりますね。
日本では古くなると自動車税の負担が大きくなるので真逆の考え方といえるでしょう。日本では新車をどんどん乗り換える傾向にありますが、ドイツは10万キロオーバーのクルマでも大切に乗っているのです。闇雲に消費するのではなく、昔のもの、使えるものは大事にする。ドイツをはじめヨーロッパでは比較的こういったことが自然なこととして受け止められているのではないでしょうか。さまざまな意味で本当の先進国だと思うのです。
確かに、新車を作って消費して、戦後それでご飯を食べてきました。我々日本人に取っては自動車産業は「日銭を稼ぐかて」という受け止め方で自動車産業が興ってきたのかもしれません。でもそろそろ、このあたりでゆっくり見つめ直す。そういう行動方針にシフトしていってもよいのではないでしょうか。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]