更新2023.03.25
クルマ&バイク好きのオアシス「Garage, Café and BAR monocoque/ガレージ・カフェ&バー モノコック(青梅市)」
松村 透
「東京都青梅市にクルマやバイク好きの人が楽しめるカフェバーがありますよ」と連絡をいただいたのが2022年の初冬。
「Garage, Café and BAR monocoque(ガレージ・カフェ&バー モノコック/以下、モノコック)」の存在を知ったのは、オーナーインタビューを通じてプライベートでも親交のあるTさんから届いた1通のメッセージがきっかけでした。
▲2022年6月に東京都青梅市にオープンした「Garage, Café and BAR monocoque/ガレージ・カフェ&バー モノコック」
首都圏にはクルマ好きが集う飲食店がいくつかあるけれど、自宅から離れていて、行くとしても1日掛かり。しかし、青梅市であれば片道1時間弱。これは気になる。
2022年6月にオープンしたばかりだというモノコックさん。取材の依頼に快く応じてくださったリョウさんとローズさんに、オープンするまでのいきさつやサービス内容、今後について、じっくりとお話を伺いました。
── まずはおふたりの自己紹介からお願いいたします!
▲997ターボの奥に見える男性がリョウさん。カウンターに立つ女性がローズさん。おふたりの人柄に惹かれて通う人も多い
【リョウさん(以下、リョウ)】トータルカーライフアドバイザーとして、クルマの販売から各種メンテナンス、チューニング、ドライビングの悩み相談まで担当しています。カフェにいらっしゃったお客様がクルマやバイクがお好きな方だと、私が接客をして他のお客様と繋げたりしています。こういった場を作ることができ、さらにお客さま同士が交流を深めている光景を眺めるのが至福のひとときです。
《ローズさん(以下、ローズ)》私は主にカフェ(接客や調理)の担当です。23時に閉店した後、クルマのメンテナンス作業を手伝うこともあります。
── モノコックさんのコンセプトを教えてください
▲カフェとメンテナンススペースの中間にある多目的スペース
【リョウ】クルマとバイクと音楽の融合を目指したガレージとカフェバーです。
── なぜ「モノコック」と名づけたのですか?
▲店舗の外観には大きな看板らしきものは見当たらず。この立て看板が目印
【リョウ】クルマやバイクが好きな方は「モノコックボディ」という言葉は聞いたことがあると思います。この語源をたどると「モノコック構造」というものがあり、卵の殻や貝殻の殻のように、外側の板やパネルに強度を持たせた構造を意味します。つまり「モノコックという、ガレージ&カフェバー」という、強度のある外側パネル(箱)は我々が用意するので、中身はお客さまの趣向に沿って活用してくださいという意味が込められています。
── モノコックさんが提供されているサービスを教えてください
▲店舗に併設されたメンテナンススペース。リフトも完備
【リョウ】カフェに関しては飲食、お酒類のご提供ですね。クルマおよびバイクに関しては新車・中古車販売、メンテナンス、整備、車検……などなどです。個人的には、4輪に関しては費用のあまりかからず、タフな造りのヨーロッパ車をオススメしています。
《ローズ》事前にご予約をいただければ、パーティやオフ会、パブリックビューイングの会場としてもご活用いただくことができますよ!
── モノコックさんをオープンさせることになったきっかけとは?
《ローズ》実はここ(モノコック)の他に「Rosy Note Stage and Diner(東京都小金井市)」というライブハウスを経営しているのですが、かねてからこのライブハウスとは別に、クルマやバイクが好きな人が集まれるガレージ・カフェ&バーのような店舗を作って音楽とクルマとの融合を提唱したいという強い思いがあったのです。
【リョウ】カフェ&バーに加えて、同じ敷地内にクルマやバイクがメンテナンス可能なスペースがあれば、ちょっとした作業ができるだけでなく、リフトアップして下回りの状態を見せられたりできるわけです。なお、重整備はここではなく、別の場所にある工場で行っています。
▲街道沿いから見えるこの光景が気になっていた……というクルマ好きも多いはず
《ローズ》ガレージでトラブルがあってもすぐに駆けつけて助けてあげられるし。
【リョウ】それはさておき(苦笑)、ちょっとした空き時間にライブハウスの打ち合わせもできますし、常に一緒にいるので、無駄な動きや時間が減りましたね。
《ローズ》モノコックとRosy Note Stage and Diner、2人でそれぞれ二足のわらじを履いているので、営業日も不定休とさせていただいています。カフェもライブハウスも土日に集中しますから、うまく振り分けている状況です。そんなわけで、モノコックは休店日でもライブハウスの方に行っているので、実際には休めていません(笑)。
── 場所選びにあたり、こだわったことは?
▲圏央道&青梅駅方面から来た場合、黄色い矢印のところが入り口となります
【リョウ】行動を起こしたのがいまから4年くらい前で、3年前に今の土地を見つけ、2年前に作り出し、1年前に完成してオープンしました。条件は街道沿いであることと、クルマ(最低地上高6cmまでのシャコタンを含む)の出入りがスムーズにできること、あとは……。
《ローズ》接面、道路に対しての接面が広いことですね。
【リョウ】店舗の前に横に10台以上、並列の状態でクルマが停められることも重視しましたね。ここは(車種にもよりますが)14,5台は並べられます。あとは、とにかく駐車スペースをフラットにしたかったんですね。さらに、周囲がすべて道路であること。隣家が隣接していないこと。ということを考慮してここに建てたわけです。
▲奥多摩湖方面から来た場合、黄色い矢印のところが入り口となります。シャコタン(最低地上高6cm)でもok!
《ローズ》ネットで良さそうな場所を見つけて、実際に見に行った数も何百箇所になりましたね。不動産屋さんも60軒くらいまわったと思います。
【リョウ】クルマの通りも昼だけでなく、深夜もチェックしました。あとは、周りに家がどれくらいあるか、どういう土地なのかをネットで延々と調べましたね。
── この場所に店を構えることになった決め手は?
▲2階の小窓。よく見るとすべての色が異なるユニークなサッシ
《ローズ》奥多摩湖にドライブに行く前や帰り道に寄ってもらえたり、ご近所の方が徒歩でいらっしゃることができたり……。周囲に民家がない田舎暮らしだと、ビジネスとしてはちょっと厳しいという思いもあり、さまざまな要素を加味してこの場所を選んだんです。
【リョウ】最終的な決め手になったのは、奥多摩エリアが馴染みのある場所だったということですね。
《ローズ》この人、カッコつけていってるけど、自分が若い頃にバイクで走り回っていたのが奥多摩なんですよ(笑)。
【リョウ】まぁ、なにかにつけて「奥多摩に行くか!」という時代がありましたね(苦笑)。
── 店舗作りにおけるこだわった点を教えてください
▲夜になると雰囲気がガラッと変わります
【リョウ】店舗作りに関していえば、コンセプトから家具選び、施工にいたるまで、可能な限り自分たちで行いました。いわゆる「飲食店作りのプロ」の方は関わっていません。細部までこだわった分、自分たちの希望を叶えてくれる工務店さんが見つからなくて苦労しましたね。
《ローズ》たとえば、カウンターとテーブルの高さがほぼ同じなんです。そして、チェアが回転します(笑)。これでカウンター席とテーブル席に座っている方同士が同じ目線で会話ができます。その他、ライダーズジャケットを着ている方が座りやすいように丸テーブルは高さの調整が可能です。カフェから多目的スペース(997ターボが停まっている場所)、メンテナンススペースまで床面はすべてフラットです。
▲夜になると、店内もグッとムーディーな雰囲気に
【リョウ】カウンターも1枚板に見えるように左官職人に施工を依頼したり、床材も無垢材に見えて実は……といった具合に、予算を抑えつつ、お客さまにとって居心地のよい空間が演出できるよう、可能な限り工夫したつもりです。
《ローズ》天井にプロジェクターを備えつけて、スクリーンに投影すればスポーツバーにもなります。仲間同士でサーキット走行をした帰りに寄ってもらい、走行シーンの映像を投影しながらみんなで反省会もできますよ。あと愛猫「てぃぷ」という名のネコ(ティプトロニクスから命名しました)を飼っているので、多目的スペースに開放して、猫と触れ合っていただくこともできます。この子は「サイベリアン」という種類で、ネコアレルギーの起こりにくい猫種といわれています。
▲「てぃぷ」ちゃんという名のネコちゃん。もしかしたら会えるかも!?
【リョウ】専門家の指導を仰ぎながら、敷地内に「ガーデンファーム」を設けています。見るだけでも楽しめる「ガーデンファーム」では新鮮野菜の収穫が始まり、カフェで提供できるようになりました。
《ローズ》普段はなかなか食べられない、採れたての無農薬野菜をカフェでご提供するとともに、お持ち帰りいただけるよう販売も開始いたします。
▲店舗横に作られたガーデンファーム。ここで穫れた野菜がお店で提供できるようになったとか
── モノコックをオープンしてよかったこと、苦労していることは?
《ローズ》良かったことは……。人の輪が広がっていくのを実感できることが嬉しいし、本当に楽しいです。
▲カウンター席に座り、リョウさんやローズさんとの会話を楽しむもよし。テーブル席から窓越しに愛車を眺めるもよし!
【リョウ】あるご高齢のお二方が、50年ぶりにここで偶然会われました。かつての旧友はすぐ近くの地元に住んでいるのにもかかわらず、交流が途絶えてしまっていましたが、モノコックができたことにより感動的な再会を果たしたのです。また、奥さまに先立たれたお父様のことを息子さんが気遣って「クルマ好きの親父が1人でも来られる場所」ということで連れてきてくださったり。
【リョウ】苦労していることはというと…やはりライブハウス(Rosy Note Stage and Diner)との両立の難しさですね。両方とも土日にお客さまが集中するので、どちらかのお店が休みになってしまいます。不定休にしているのもこのためなんですが、お客さまから「今日、行きたかったのに休みかぁ」といわれたときは申し訳ない気持ちでいっぱいです。
▲クルマ&バイク好きの人同士、実は音楽も好きということが分かり、話が盛りあがることも
── モノコックさんのおすすめのメニューを教えて下さい
《ローズ》オススメ&人気のメニューはステーキランチとオムライスです。ドリンクだと懐かしのクリームソーダですね。男性の方が懐かしんで注文されることが多いですね。
▲イチバン人気のビーフステーキ
《ローズ》昔ながらの喫茶店のクリームソーダです。ウチのはアイスクリームが美味しいんですよ!
▲懐かしのクリームソーダも人気メニューのひとつ
── メニュー開発は専門の方も交えて行ったのですか?
▲オープン以来、アップデートを繰り返してきたというメニュー
【リョウ】2人だけでやっています。
《ローズ》オープンしてから最初の4か月くらいは毎週のようにメニューが変わっていましたね。
【リョウ】特にオープンした直後は週に2回、3回はメニュー変えてました。私が料理を撮影してメニュー表を作って……。
《ローズ》試作メニューを何度も作り、お得意さんに食べていただいて感想を伺ったり。
【リョウ】いまはメニューを固定し、以前は日替わりだったメニューもいつでもお召し上がりいただけます。ランチタイムを設けていないので、どの時間帯でもご注文可能です。昼も夜も金額は同じです。
《ローズ》アルコールをご注文の際も、お通しやテーブルチャージはありません。
── クルマとバイクのお客さんの比率はどちらが多いのですか?
【リョウ】いまはクルマでいらっしゃる方が多いですね。
《ローズ》これからはバイクの季節ですね。整備中や在庫のバイクも展示すれば、バイクのお客様の目にも留まるかもしれないですね。
【リョウ】サイクルスタンドのご用意もありますので、ロードバイクで移動される方のご来店もお待ちしております。
── 一般のお客様の来店もokですか?
【リョウ】もちろんです!どなたでもウェルカムです。
《ローズ》ご近所のおじいちゃんやおばあちゃんが散歩がてらいらっしゃいますよ。あと、ご家族でドライブに来た方がフラッと立ち寄ってくださったり。
【リョウ】常連さんが集まって一見の方が入りにくくなる……そうならないように心掛けています。「クルマが何台も外に並べてあって、私たちみたいな一般のお客は入ったらダメなお店なのかな?」って聞かれるんです。そんなわけないじゃないですか(苦笑)。
── とはいえ「はじめの一歩」はやはり勇気がいります
▲最初にドアを開ける際に、勇気がいることは事実。でも、試してみる価値は十二分にありますよ!
【リョウ】分かります。敢えて看板を出していませんし、変わったクルマがお店の前に停まっていることも多いですからね。どなたでもウェルカムであることに偽りはないので、勇気を出してお店のドアを開けてみてください。
《ローズ》わざわざ足を運んでくださるお客さまに心から満足していただける、カッコイイ場所でありたいと思っています。
── クルマやバイクに関する相談も可能ですか?
▲看板マシン、ナロールックの964カレラ4
【リョウ】2輪および4輪の新車・中古車の販売、購入のご相談から、チューニング、メンテナンス、スポーツ走行のご案内まで。困ったことがあればご相談ください。
── パーティやオフ会のご相談もできますか?
▲プロジェクターとスクリーンを完備。パブリックビューイングも可能
【リョウ】はい!早めにご予約いただけると嬉しいです。
── 駐車スペースは何台くらいまでokですか?
【リョウ】展示車両が4〜5台だとして、あと12~13台は停められますね。
── 不定休ということで、営業日の確認方法を教えてください
《ローズ》お店のInstagramやfacebookに営業日を掲載しているので、そちらをご確認ください。
https://www.instagram.com/monocoque.cafebar/
https://www.facebook.com/monocoquecafebar
── 今後、モノコックさんをどのようなお店に育てていきたいですか?
【リョウ】皆さんの出逢いの場にしたいです。分け隔てなく。
《ローズ》私たちは「モノコック」という、ライブハウスでいう「箱」をご用意したので、お客さまが時間を忘れてゆったりとくつろげる場所になってくれたらいいなと思います。
── 取材後記
モノコックさんの魅力のひとつに「居心地の良さ」が挙げられます。気づけば何時間でも滞在できてしまうのです。窓ガラス越しに愛車を眺め、安心してくつろげます。
また、1人でフラリと来店したお客さんに対して、リョウさんとローズさんは放置しません。話し掛けたり、他のお客さんとの会話にスッと入り込めるようなきっかけを作ったり。
さりげなくも、細やかなフォローアップを欠かさないのです。
モノコックの存在は知っているけれど、なかなか勇気がなくて入ることができなかった……という方も少なくないはず。
でも、安心してください。勇気を出して店内に入り、ローズさんの美味しい料理に舌鼓を打ち、帰宅するころには「また来よう」と、すっかりお気に入りポイントになっているはずです!
── 店舗情報
●Garage, Café and BAR monocoque(ガレージ・カフェ&バー モノコック)
Facebook:https://www.facebook.com/monocoquecafebar
Instagram:https://www.instagram.com/monocoque.cafebar/
営業時間:11:00〜23:00
定休日:不定休(facebook、Instagramに情報あり)
住所:東京都青梅市畑中1-126-1
TEL:0428-84-0644
●Rosy Note Stage and Diner
HP:https://rosynote635.wixsite.com/mysite
Facebook:https://www.facebook.com/rosynotelive
Instagram:https://www.instagram.com/monocoque.cafebar/
営業時間:ライブ・イベントにより異なります
定休日:不定休(予約営業可)
住所:東京都小金市本町6-5-3シャトー小金井B1
TEL:042-203-3277
FAX:042-387-8333