更新2024.12.25
長く乗れる外車とは?安定性の高い外車ランキングと維持のポイント
外車王SOKEN編集部
「外車は日本の風土や使用環境に適応していないため故障が多く、部品も高額になるため修理・維持が大変」というイメージを持つ人は少なくないでしょう。
しかし、近年の外車は日本の環境に適したクルマの開発に力を入れており、技術力も格段に向上しています。仮に故障したとしても、保証が充実しているメーカーも多いため、修理費用を抑えることが可能です。
そこで本記事では、安定して長く乗れる外車を紹介します。外車の維持・メンテナンスのポイントも解説しているため、「長く乗る方法を知りたい」という人も参考にしてみてください。
長く乗れる外車の特徴
安定性が高く、長く乗れる外車の特徴を解説します。
耐久性が高い
「耐久性が高い外車」とは、未然に事故を防ぐ安全技術があり、かつ事故発生時には衝撃が最小限になるよう設計されている頑強なクルマを指します。高強度素材の使用や最先端の運転支援技術の搭載により、安全性能に力を入れているメーカーを選ぶとよいでしょう。
アフターサポート・保証が充実している
外車を長く維持するためには、定期的なメンテナンスや故障時の迅速な修理が欠かせません。
アフターサポートや保証が充実しているメーカーであれば、些細な不具合や故障の際にも気軽に診断や修理を依頼できます。購入時には、保証の範囲や期間をよく確認しましょう。
装備がシンプル
一般的に、クルマの装備が増えるほど部品は多く、構造が複雑になるため、メンテナンスや整備に手間と費用がかかります。反対に、装備がシンプルなクルマは手間も費用も抑えられるため、長く維持しやすくなります。購入時には、標準装備のみのシンプルなモデルを選ぶ視点も必要です。
部品供給が長く続いている
部品の供給量が少ないと、長く乗るうちにメンテナンスや修理がしにくくなる可能性があります。長く乗ることを想定し、「人気が高いモデル」や「部品供給が安定しているメーカー」を選びましょう。
【ボルボ】長く乗れる外車ランキング
ボルボはスウェーデンを代表する自動車メーカーで、とりわけ安全性能の高さに定評があります。
ボルボは全車種で初年度登録日から5年間の新車保証制度があり、期間内であれば距離無制限で無料修理に対応しています。ここでは、特に長く乗りやすい人気モデルを紹介します。
XC60
2009年に登場したXC60は、ボルボ特有の安全支援機能とゆとりある空間を備えたミドルサイズ
SUVです。衝突の危険を検知して自動的にブレーキを作動させる「シティセーフティー」システムはXC60で初採用され、安全性能において新たな基準を確立しました。
このほか、現行のXC60にはパイロット・アシスト(車線維持支援機能)や360°ビューカメラなど、さまざまな安全・運転支援機能が搭載されています。マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドモデルがあり、燃費性能も向上しています。
V60
2010年に登場したV60はステーションワゴンのモデルです。衝突回避・被害軽減ブレーキシステムや360°ビューカメラなど、一通りの安全・運転支援機能はXC60と共通しています。
V60とXC60の違いはボディタイプと価格帯にあります。XC60はSUVのため車高が高くオフロード走行にも優れていますが、V60は街乗りに特化したステーションワゴンです。ボディサイズもV60のほうが小さめで、車高が低い分、駐車スペースにに納めやすくなっています。
価格もV60のほうが100万円程度抑えられるため、アウトドア使用が多い人はXC60を、街乗りが多く価格を抑えたい人はV60を選ぶとよいでしょう。
XC40
2017年に登場したXC40は、XC60より一回り小さめのコンパクトSUVです。2017年と2018年に2年連続で「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、その性能とデザインが高く評価されました。
2019年には先進安全装備がさらに強化され、BLIS™(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)やステアリングアシスト機能が追加されました。これにより、死角確認や車線変更時の安全性が向上しています。XC60とV60同様、衝突回避・被害軽減ブレーキシステムや360°ビューカメラの搭載もあり、コンパクトながらも安全・運転支援機能は充実しています。
XC40にはフル電動のEVモデルとマイルドハイブリッドモデルがあり、EVモデルの一充電走行距離は590km(WLTCモード)を誇ります。
【メルセデス・ベンツ】長く乗れる外車ランキング
メルセデス・ベンツは高級車メーカーのイメージが強くありますが、実はクルマの安全性能に特化した技術を多数開発してきたパイオニア的存在です。
1939年、同社は世界に先駆けてクルマの安全性研究のための専門部門を発足し、自動車業界における安全技術の基礎を作りました。
Gクラス
1979年 に登場したGクラスは、軍用車輌をルーツに持つ本格派クロスカントリーSUVです。
多様なラインナップの中でも特別な存在感を放つモデルで、堅牢なボディ剛性の高さに定評があります。2018年の大幅改良では、高張力鋼板とアルミニウム合金を多用し、剛性を維持しながら約170kgもの軽量化を実現しました。
また、Gクラスの全モデルに「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システムが搭載されており、安全性と快適性を兼ね備えています。
Gクラスには通常モデルのほか、高い走行性能を持つAMGモデルと完全電気のEVモデルがあります。EVモデルには新世代大容量リチウムバッテリーが搭載され、一充電走行距離は530km(WLTCモード)を実現しました。
CLA クーペ
2013年にデビューしたCLA クーペは、都会的なデザインが際立つクーペ型乗用車です。クーペ特有の流麗なルーフラインと艶やかなボディカラー、ジェットエンジンのタービンをイメージしたインテリアが特徴です。
2019年、欧州で自動車の安全性能評価を手がけるEuro NCAPにおいて、CLAは安全性分野で4分野のうち3分野で90%以上となる高スコアを獲得しました。これにより優れた安定性を証明し、スタイリッシュなデザイン性と安全性を確立したモデルとして普及しています。
CLAクーペには複数のモデルがあり、四輪駆動のAMGモデルではより高い走行性能を楽しむことが可能です。
【BMW】中古でも長く乗れる外車ランキング
これまで新車を中心に紹介してきましたが、「手頃な中古車を購入したい」と思う人もいるでしょう。そこで、中古でも長く乗れる外車メーカーとしてBMWを紹介します。
メルセデス・ベンツやボルボ同様、BMWもクルマの安全性能に定評があるメーカーです。中古車市場でも長く愛されているモデルを2つ紹介します。
3シリーズ E46
3シリーズのE46は、1998年〜2006年にかけて製造・販売されていたモデルです。販売終了から20年近く経過した今もなお中古車市場で根強い人気があり、部品の流通やDIYメンテナンスの情報も豊富です。
そのため、ご自身である程度整備できる人、中古で長持ちするBMWがほしい人に適しています。20年前のモデルとはいえ、さまざまな操作がデジタル化され、電子制御システムも搭載されているため、BMWならではの快適な走行を楽しめるでしょう。
5シリーズ F10 LCI(後期型)
5シリーズはBMWブランドを代表する乗用車で、F10はシリーズ史上もっとも成功した第6世代のモデルです。LCIは2013年〜2017年に製造・販売されていた後期型で、ボディタイプにはセダンとワゴンがあります。
F10 LCI(後期型)は、乗用車ながらも広々とした車室、高い走行性能、高い耐久性が大きな特徴です。故障が少ないといわれていることもあり、5年、10年と長く乗る愛用者が多く、中古車市場でも人気があります。スポーツタイプの高級車を手頃に購入したい人や、頑丈で故障が少ないモデルを探している人におすすめです。
長く乗れる外車の維持・メンテナンスのポイント
車に長く乗るための維持・メンテナンスのポイントを具体的に紹介します。
定期点検と日常のケアを怠らない
本記事で紹介した外車は高い安全性能を持ちますが、その性能を長く維持するためには定期点検と日常のケアが欠かせません。メーカーが推奨する点検スケジュールにしたがって、エンジンオイルの交換やブレーキ点検、タイヤの摩耗交換などは必ず行いましょう。
また、高性能な外車ほどタイヤと足回りの日常的なケアが重要です。タイヤの空気圧は最低でも月に1回程度チェックして適正値を保ち、アライメントのズレやサスペンションの不具合はないか、日常的にチェックと調整を行うようにしてください。
純正部品を使用する
外車の部品は独自設計されていることが多いため、基本的に部品交換は純正品を使用してください。互換性の低い部品を使うとパフォーマンスや安全性に影響が出る可能性もあります。
「純正部品は高額」というイメージがあるかもしれませんが、メーカーの保証期間内であれば無償で修理・部品交換できる場合もあります。メーカーのメカニックや営業に確認しながら、クルマの性能を落とさない部品交換を行いましょう。
ソフトウェアアップデートを忘れない
近年の外車はガソリン車であってもプログラムで動作する部分が多く、スマホやパソコンと同じようにソフトウェアアップデートが必要な車種が増えています。
特にハイブリッドモデルやEVの場合、電子制御プラグラムの更新を怠ると走行時のパフォーマンス、ひいては安全性能に大きく影響します。ボディそのものの点検だけではなく、ソフトウェアのアップデートも忘れないように気を付けてください。メーカーによってアップデートのお知らせや更新方法は異なるため、購入時によく確認しておきましょう。
まとめ
メーカーの技術革新や日本市場への適応により、近年は安定して長く乗れる外車が増えています。
安全技術のほか、メーカー保証の有無や期間、部品供給の程度もふまえたうえで、長く乗れそうなクルマを探してみてください。