ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
ドイツでは国家戦略。電気自動車(EV)は日本で広がるのか
中込 健太郎
ドイツの電気自動車
ドイツ鉄道(Deutsche bahn ドイチェバーン 通称DB デーベー)で使用されている電気自動車です。たしかに電気自動車は今までの常識で分類すれば電車に近いかもしれません。もちろん時代の要請という面はあるでしょうが、鉄道会社のプロモーションもかねているのかもしれませんね。車種はシトロエンC-ZEROというクルマです。
こちらもドイツ鉄道で使用されているオペルアンペラ。オペルはもともとはシボレーボルトとして誕生したクルマのオペル版で、例に寄ってイギリスではボクスホールアンペラとして販売されているそうです。5ドアのハッチバック型のレンジエクステンダー式電気自動車、いわゆるプラグインハイブリッドカーですね。新しいカテゴリーのクルマであるばかりではなくデザイン的に低重心でマッシヴ、なかなかかっこいいですね。
実は日本のOEM車?
シトロエンなのは「え?」と思った方は鋭いですね。実は我らが日本のi-MiEVのOEM車なのです。日本でもすでにガソリンモデルの製造は終了していますが、i-MiEVは継続販売中です。まだデザインの古さはないですね。
そして、メルセデスとのアライアンスで生まれた設計は、コンパクトカなスペースを巧みに使い、ルーミーな室内空間と一つ上の走りの質を実現。バッテリーを搭載する関係で、このEV版ではさらに低重心化され、高速旋回性も向上して小さいながら、クラスの常識を超えた走りに磨きがかかっています。そのもっとも小さくさらに走行時のエミッションもゼロということで、C-ZEROというネーミングになったのでしょうね。しかしずいぶんマッチしていますね。
ドイツでは国家戦略として位置づけて、電気自動車の普及を促進しているそうです。2020年までに100万台の自動車が電気自動車となっていることを目指し、基本的には再生可能エネルギーの利用を前提とした包括的な取り組みが進んでいるとのこと。もっとヨーロッパ諸国の動静に見習って、日本でも我々の暮らしの中でどのように溶け込ませていくかを考えていかねばならないかもしれませんね。
[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]
※当記事は過去公開した記事の再編集版です