
ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
水辺には文化は育つ。「父なるライン」の大部分を占めるライン川@ドイツ現地レポ
中込 健太郎
「日本は島国」と言われたりしますね。周囲を海で囲まれ、陸続きで外国と接しないことで、「島国根性」などという言葉も出てきたり。ですから、ヨーロッパの地形というのは日本とはかなり異質ですよね。大陸に多くの国が集まり、戦争を繰り返し、元々は大きな一国だったりしたこともある。なので、言語や文化など、国をまたいで共通なことも少なくない。地形は、風土、文化を形成します。ひいては、その国に暮らす人のマインド、思想なども左右するのではないでしょうか。
そして、水辺には文化は育つといいます。様々な交易の中継地点だったりするので、人々が昔から互いに刺激し合ってきたのでしょうね。実はヨーロッパと日本の最大の違いは、この「河川に港がある」ということなのではないか、そう思うのです。「父なるライン」その流域の大部分を占めるライン川もその一つ。ドイツからはそんなライン川のレポートが届きました。


国際河川ライン川はスイスのトーマ湖に端を発し、時計の見本市なども開かれることでも知られるバーゼルが大型船舶が通航できる、ライン川最上流の港を持つ最終遡行地点。そこからボーデン湖に入ってからドイツ・フランスの国境を北上、ストラスブールを越えたあたりからカールスルーエの少し南でドイツ国内を流れ、ボン、ケルン、デュッセルドルフ、デュイスブルクなど、ドイツの大きな都市を通過し、オランダ国内へと入った後分岐し、ワール川とレク川となりロッテルダム付近で北海に注ぐルートでながれています。全長1,233キロ。そのうちの698キロはドイツ国内を流れます。

ドイツにとっては特に重要な川と言うことができ、前に紹介した流域の街の名前を聞いただけでも、その重要さはわかるでしょう。というか、ライン川のほとりにそうした主要都市が発展していったという方が正しいかもしれません。ドイツ語の名詞には男性名詞と女性名詞があって、河川のほとんどは女性名詞ですが、ライン川など一部の河川は男性名詞というところからも、かなり特別な存在だということが窺い知れます。鉄道が発達する以前のヨーロッパは河川運送が重要な大量輸送手段でした。今でも多数の貨物船が行き交っています。見ていると、当たり前ですが登りは遅く、下りは速く40km/hくらい出ている感じでしょうか。


ヨーロッパの人たちは、国内の環境だけで物事を判断するということはもともとしていなかったということは「ライン川の流れ」を見るだけでも想像に難くありませんね。クルマ作りに対するこだわりや、そのベースとなる思想もこういう国際河川ほとりで生活している人たちが作ったクルマなんだ、と考えるとわりと理解しやすいかもしれませんね。
[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]
そして、水辺には文化は育つといいます。様々な交易の中継地点だったりするので、人々が昔から互いに刺激し合ってきたのでしょうね。実はヨーロッパと日本の最大の違いは、この「河川に港がある」ということなのではないか、そう思うのです。「父なるライン」その流域の大部分を占めるライン川もその一つ。ドイツからはそんなライン川のレポートが届きました。


国際河川ライン川はスイスのトーマ湖に端を発し、時計の見本市なども開かれることでも知られるバーゼルが大型船舶が通航できる、ライン川最上流の港を持つ最終遡行地点。そこからボーデン湖に入ってからドイツ・フランスの国境を北上、ストラスブールを越えたあたりからカールスルーエの少し南でドイツ国内を流れ、ボン、ケルン、デュッセルドルフ、デュイスブルクなど、ドイツの大きな都市を通過し、オランダ国内へと入った後分岐し、ワール川とレク川となりロッテルダム付近で北海に注ぐルートでながれています。全長1,233キロ。そのうちの698キロはドイツ国内を流れます。

ドイツにとっては特に重要な川と言うことができ、前に紹介した流域の街の名前を聞いただけでも、その重要さはわかるでしょう。というか、ライン川のほとりにそうした主要都市が発展していったという方が正しいかもしれません。ドイツ語の名詞には男性名詞と女性名詞があって、河川のほとんどは女性名詞ですが、ライン川など一部の河川は男性名詞というところからも、かなり特別な存在だということが窺い知れます。鉄道が発達する以前のヨーロッパは河川運送が重要な大量輸送手段でした。今でも多数の貨物船が行き交っています。見ていると、当たり前ですが登りは遅く、下りは速く40km/hくらい出ている感じでしょうか。


ヨーロッパの人たちは、国内の環境だけで物事を判断するということはもともとしていなかったということは「ライン川の流れ」を見るだけでも想像に難くありませんね。クルマ作りに対するこだわりや、そのベースとなる思想もこういう国際河川ほとりで生活している人たちが作ったクルマなんだ、と考えるとわりと理解しやすいかもしれませんね。
[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]