ライフスタイル
更新2020.08.21
車両本体価格29万円のユーノスロードスターを所有して分かったこと
松村 透
納車日はまさかの雷雨で雨漏り(泣)。ユーノスロードスター Vスペシャルの回想録
筆者が所有していたのは「Vスペシャル」というグレード。1.6Lの前期モデルでした。ネオグリーンのボディカラーにベージュ革のシートとカーペットの内装を持つ、まるで英国車を思わせるちょっと輸入車っぽい雰囲気を持つクルマです。
▲筆者が所有していたユーノスロードスターVスペシャル。1.6Lエンジン搭載の前期モデル
このクルマを手に入れたのは、いまから7年前、2011年の春です。
※伊達軍曹氏が最近手に入れたという、ユーノスロードスターのことが綴られた「輸入中古車400勝ブログ」や、ユーノスロードスターが愛車のフナタンさんこと小鮒氏のFacebookページを拝見していると「あぁ、売らなきゃ良かった…」と悔やむことしきりです。
それはさておき。ユーノスロードスターは、筆者が若いときにどうしても手に入れたかった、忘れられない1台なのです。今回は、そんな戯言にお付き合いください。
まだ初心者マークが取れるか取れないかという当時の筆者に、クルマ好きの恩師が、このとき所有していた純白のユーノスロードスターを1泊2日で貸してくれたのです。当時、筆者はクルマを所有できる状況ではなく、父親のクルマを借りて乗っていました。恩師よりユーノスロードスター借りたのは8月の半ば。つまり真夏です。何しろ人生初のオープンカー体験ですから、猛暑と熱帯夜にも臆することなく屋根を開け放ち、2日で400kmくらい走りました。あのときの屋根を開けて走る爽快感と、草木の匂い、エンジン音が近くに感じられた記憶はいまでも忘れることができません。
▲当時手に入れたユーノスロードスター関連本。クルマを買ったらここを弄ろうとか、妄想していました
▲当時のマツダ車のカタログコレクション。いつのまにか、貴重なものになっていました…
それから、何とかしてユーノスロードスターを手に入れられないか?と思い悩む日々が始まりました。当時はまだ学生でしたから、新車を買うなんて夢のまた夢…。それならば中古を探して…とはいきませんでした。人気車のためリセールも良かったのか、新車とそれほど変わらない価格で販売されていました。いずれにしても、アルバイト漬けの貧乏学生に手が出るクルマではないと、泣く泣く諦めるしかありませんでした。
それから月日は流れ、何度か手に入れようと決意してユーノスロードスターを探したりもしました。しかし、これはと思う個体に巡り会えず、時間ばかりが過ぎていったのです。
それからしばらくして、このクルマを手に入れたのは2011年春。つまり東日本大震災、3.11の数週間後でした。「東北の方々が大変なときに、お前は呑気にクルマなんて買っていいのかよ?」と、毎晩ものすごく悩みました。3.11のこともあって悶々とした日々を過ごしていたこともあり、「本当に欲しいモノを、買えるときに、買える範囲で、気持ちを切り替える意味で思い切って手に入れよう」と心に決めました。
▲初めて実車確認したときに撮影したもの。この時点で購入を決めていました。いわゆる衝動買い
▲内装もほぼフルノーマル。ダッシュボード上に置かれたカップホルダーも流行りましたね
それからほどなくして、地元の中古車屋で車両本体価格29万円という、格安のユーノスロードスターを発見しました。それが手に入れたユーノスロードスターです。工場出荷時と同じ、ネオグリーンに全塗装を済ませたばかりで、見た目もほぼノーマル。車検が切れていたので試乗はできなかったのですが、勢いその場で契約してしまいました。これがイバラの道の始まりとも知らずに…。
納車日はなんと雷雨。いきなり雨漏りの洗礼です。クラッチはスムーズに繋がらないし、トランスミッションも、5速から4速にスムーズにシフトダウンできない…。これはあきらかにおかしい。そこで、地元のマツダディーラーに持ち込み、一通り点検してもらうことにしました。そのマツダディーラーは、かつてユーノス店の看板を掲げていたことを覚えていたのです。
▲納車後に地元のマツダディーラーに入院。このあと、まさか目まいがするほどの修理費用が掛かるとは知らず…
点検の結果、クラッチは滑り気味(要交換)、ミッションもオーバーホールが必要(要交換)、エンジンもオイル漏れ(要全バラシ)、ダンパーおよびバッテリー、ラジエーターもアウト(要交換)、そして雨漏り…。「いやあ、これはきちんと直すと相当お金が掛かりますよ」と、自身もユーノスロードスターに乗っていたという、サービスフロント氏が気の毒そうに見積もりを提示してきました。事実、諸々の点検整備項目を合計した金額は、車両本体価格29万円を遥かに上回るものでした。ほぼ20年越しの思いが叶い、ようやく手に入れた念願のユーノスロードスターなのに…。
▲実車確認時のエンジンルーム。ラジエーターは変色し、寿命だといまなら分かります(遅い)
試乗もせずに衝動買いで手に入れた、車両本体価格29万円の1991年式ユーノスロードスター。トラブルはまだまだ続きます。
そのトラブルとは、購入したユーノスロードスターに修復歴ありかも疑惑
トラブルというより、単に確認不足なだけなんですが。クルマの性格上、他のモデルより、修復歴ありの割合が多いのではないかと予想されます。もしそうなったときは、(修復歴有りであることを含めて)大事に乗ろうと決めていました。
幸い、修復歴ありではないだろうという、ディーラーのお墨付きをもらいほっとしたのもつかの間…。現状ではまともに走らない20年落ちのユーノスロードスター。どうやってお金を工面して仕上げていくか?悩ましい日々が始まりました。
「それならば、はじめから程度の良い個体を買えばよかったじゃん。」
そうなんです。その通りなんです。しかし、当初からフルノーマルの極上車を購入することは考えていませんでした。その理由は「当時果たせなかった、自分好みのユーノスロードスターに仕上げてみたい」という願望があったからなのです。そのベースとなる個体を選ぶ際、フルノーマルの極上車に手を加えることにはどうしても抵抗ありました。仮にノーマル戻しをすることしても、元の(オリジナル本来の)雰囲気は取り戻せないように思えたのです。
で…。選んだのが今回の個体というわけです。程度はそこそこで良かったのです(この時点では)。
▼筆者が所有していたユーノスロードスターと初対面のときに撮影
マツダディーラーのサービスフロント氏と相談した結果、まずは、エンジンのオイル漏れとクラッチおよびミッション交換を一気にやってしまおうということになりました。納車早々、いきなりの代車生活です。この交換工賃と部品代で、手に入れたユーノスロードスターの購入金額を軽くオーバーしました(泣)。さすがにクラッチは新品にしましたが、ミッションを新品に交換する予算が捻出できず、泣く泣くディーラーが保有する中古品に載せ換えました。
これで、吹っ切れたというか、もはやタカが外れました(笑)せっかく念願のユーノスロードスターを手に入れたのだから、この際、ネガな部分を徹底的に洗い出して、少しずつでも、可能な限り直してしまおうと決めました。
同時に、宿願でもある「自分好みのユーノスロードスターに仕上げてみよう」計画のスタートです。Vスペシャルの革シートをはじめとする内装は、生産から20年歳月を歴て相当にくたびれていました。
ユーノスロードスター現役当時から憧れだった、ファッションバーの取付けに四苦八苦する
ここからはちょっとマニアックな領域に入ってきます。
このクルマを介して知り合った、ロードスター乗りの友人のあいだでも賛否両論あるロールバー(およびファッションバー)の装着。その理由とは、ロールバーを装着することで、ユーノスロードスター本来の雰囲気を崩してしまうのではないか?という考えです。でも、そんな友人たちと知り合うのはもう少し先の話し。この時点では取り付けることしか頭にありませんでした。
ちなみにファッションバーとは、ロールバーの形をした一種の飾りです。万一、クルマが転倒しても、乗員を保護してくれません。お目当ては、当時から装着してみたかった「T-HOUSE」というショップから発売されていた「キャメルバー(下記画像のもの)」という名のファッションバー。当時、5万円くらいしたと記憶しています。似た形状のバーはいくつもあるのですが、T-HOUSEのキャメルバー以外は考えていませんでした。
▼1度は取り付けてみたかった憧れのT-HOUSE製のキャメルバー(画像はイメージ)。しかし、NB幌には装着できず…(涙)
T-HOUSEのキャメルバーはすでに絶版。中古品を入手するべく、インターネットオークションで探す日々が始まりました。そしてあるとき、出品されていたのです。迷うことなく、即、落札しました。到着後にさっそく取り付けてみたところ、筆者の個体では屋根が閉まらないことが判明。実は筆者のユーノスロードスターは、購入時点で2代目マツダロードスター(NB型)タイプの幌に交換されてたのです。T-HOUSEのファッションバーを取り付けると、幌が干渉して閉まらないことが判明。これはショックでした。自分好みのロードスター計画、いきなり方向転換を余儀なくされました…。
▼悩んだ末、トライアングル型のファッションバーを選択することに。加工品でないとNB幌に干渉することが判明(泣)
その後、悩みに悩んでトライアングル型のファッションバーを取り付けようと決意。ほどなくネットオークションで落札しますが、またもやNB幌に干渉することが分かり、装着を断念。結局、偶然出品されていたNB幌対応に加工済みのトライアングル型ファッションバーを発見。競り合いの末にどうにか落札。無事に取り付けることができました。
諸々の修理と平行して、20年落ちのくたびれたユーノスロードスターを(自分なりに)ビシッと仕上げるべく、試行錯誤の日々が始まりました。
ダッシュボードの交換は予算的に断念せざるを得なかったので(2011年当時で15万円…)、社外品のカバーを装着(これもなかなか固定できず、プロショップの方の力を借りてようやく解決)。タンレザーのシートは保護優先で自宅に保管、COBRA社製のバケットシートを2脚装着。ところどころ破れていたドアの内張りは、ネットオークションで程度良好なモノを入手して交換。2011年当時も新品で売られていた、ビンテージコンソール タン色(ナカマエ製)も予算の関係からネットオークションで落札。
▼ネットオークションで入手したビンテージコンソール タン色(ナカマエ製)
▼カーナビの代わりに取り付けた油温系、水温計、時計(VDO製)
そんな苦労の甲斐(?)あって、内装もなんとなく若いときに仕上げてみたかった(若干の違いはありますが)イメージに仕上がってきました。カーナビはこのクルマの雰囲気を崩すような気がしたので、敢えて取り付けず、代わりに油温系、水温計、時計(VDO製)を装着。
▼初対面時の内装
▼自分としてはほぼ仕上がったかなと思い、記念に撮った内装
雨漏りはディーラーの勧めで、2代目マツダロードスター(NB型)のウェザーストリップに交換。これで無事に解決しました。いちどにお金を掛けられないので、少しずつコツコツと、地道に仕上げていきました。そんなこんなで何枚もの福沢諭吉が飛び立っていきました…。いったいいくらこの個体に費やしたのか、恐ろしくていまだに計算していません(笑)。
車両本体価格29万円のユーノスロードスターでも、やればできる子(YDK)になりました
試行錯誤の末、1年くらい掛かったでしょうか。ようやく自分としては納得がいくところまで仕上げることができました。そのうち「これ、29万で買ったの?見えないね」といってもらえるようになったときは嬉しかったですね…。
この時点で、周囲に面識のあるロードスター乗りの友人・知人がいませんでした。手に入れたときに知り合っていれば、ユーノスロードスターに手を入れる考え方や方向性など、だいぶ異なっていたように思います。
そして、ユーノスロードスターを介して知り合った方たちとの出逢いと、泣く泣く手放すことになった顛末をご紹介いたします。
ほとんど試乗もせずに購入した車両本体価格29万円の1991年式ユーノスロードスター。経年劣化に伴う部品の交換および修理。そして「自分好みのユーノスロードスターに仕上げてみよう」という試み。想定外の出費の数々…。どんどん膨れ上がるクルマエンゲル係数に頭を痛めつつも、何とか形になってきました。
勇気を出して、歴代ロードスター乗りたちの集まりに参加してみた!
こうして、ある程度クルマ(自分なりに)が仕上がってくると、興味の方向も変わってきます。一人で走っていても物足りなくなってきたのです。
▼地元で定期的に開催されている、ロードスター乗りのミーティングの様子
そこであるSNSを通じ、歴代ロードスター乗りたちが、日曜日早朝に空いている都内を走る集まりがあることを知りました。誰も知り合いがいないなかに飛び込んでいくのは不安もありましたが、意を決してひとまず参加することにしました。
筆者が初参加であることを告げると、まとめ役の方が丁寧に集合場所と時間を教えてくれました。
そして、ある日曜日の早朝、指定された集合場所に向かいました。前夜は気持ちが昂ぶってよく眠れず、ほとんど徹夜に近い状態…(笑)。小学校の遠足の前夜じゃないんだからと自分に言い聞かせたのですが、困ったものです。しかし、こんな気持ちになったのも久しぶりです。
集合場所には、初代(NA)をはじめ、2代目(NB)、3代目(NC)各世代のロードスターが集まっていました(この時点ではNDは発表前)。いずれのクルマも、オーナーから大切にされているオーラがひしひしと伝わってきます。不思議と分かりますよね。オーナーから愛されているクルマって。
▼初代(NA)をはじめ、2代目(NB)、3代目(NC)。歴代のロードスターが集結!
当日、参加表明していたメンバーが集まると、当日のコース説明等が行われ、その後、各々が屋根を開け放ち、隊列を組んで明け方の都内を走ります。主催者の方の綿密なコース設定と、隊列の順番(途中、追い越し禁止)、要所要所でのチェックポイント。参加するだけの私は流れに沿うだけですが、これだけの段取りを組むとなると主催者の方は大変です。
参加するまでは、正直、隊列を組んで走っても楽しいのかな?思っていました。しかし、それは間違いでした。
▼隊列を組み、朝日を浴びながら東京ゲートブリッジを走ります
▼丸の内仲通りで一休み。初対面でもロードスター好き同士、自然と会話も弾みます
▼ゴール地点は神宮外苑の銀杏並木。季節の移り変わりも楽しめるツーリングなのです
「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」のキャッチフレーズといえば水野晴郎氏でしたが、この表現を借りるなら「いやぁ、同じクルマの仲間たちと走るのってこんなにいいもんですね」でした。まともに動かないユーノスロードスターが復活したときよりも、この日の方が「無理してロードスターを買って良かった」と心底思えた瞬間でした。
自分のロードスターもそれなりにまとまってきたぞ、という密かな自信もあったのですが、上には上がいることを(良い意味で)見せつけられたのも、いい経験でした。知識も情報も経験も、長年所有している方々にはかないません。このとき得られたものは、後々の財産となりました。
それからというもの。都合がつけばできるだけその集まりに参加しました。当時、新車でユーノスロードスターを手に入れて、いまだにワンオーナーで乗り続けている方、結婚を機にやむを得ず手放し、お子さんが大きくなったタイミングで見事に復活を果たした方。筆者のように、若い頃の憧れを大人になって実現した方…。それぞれのオーナーさんのロードスターとの出逢いも大変興味深いものがありました。
実はこのときの体験が、後々カレントライフのオーナーインタビューの企画へと繋がっていくこととなります(もちろん、当時そんなことは夢にも思いませんでしたが…)。
車両本体価格29万円のユーノスロードスターの晴れ舞台
ある日、この集まりの主催者の方が、筆者のロードスターを撮影してくれるということになりました。かつては筆者と同じ色のユーノスロードスターVスペシャルを所有されていたそうで、自然と話しも盛り上がりました。
▼画像を提供してくださった主催者Yさんの2代目(NB)ロードスターとの2ショット
▼停車位置なども細かく指定するほど、丁寧に撮影していきます
▼もはや、29万円で購入した自分の愛車とは思えないほど美しく撮っていただきました
趣味でさまざまな風景を撮影しているので、筆者の腕前では表現できないような愛車の魅力を引き出してくれます。※今回、この記事を公開することを伝えたら、快く画像の使用許可くれました。Yさん、ありがとうございます!
▼場所を変えて、再度撮影
▼道行くひとに「これ、ガイシャですか?」と訪ねられてびっくり
▼車両本体価格29万円でも、ここまで綺麗に撮れます(カメラマンの腕の問題?)
そして、ユーノスロードスターとの別れ
そんな充実したユーノスロードスターライフを過ごしていたある日、個人的な事情で4人乗りのクルマが必要になったのです。さすがに増車するわけにもいかず…。泣く泣く売却を決断しました。
文字通り、手塩に掛けたユーノスロードスターですから、値段もそうですが、何より大事に乗ってくれる方に見初めてもらいたい・・・。熟慮の末、個人売買を支援してくれるサービスを利用して愛車を売りに出しました。
ほどなくして購入希望の方が現れ、実車を確認するために自宅近くまで来てもらいました。名乗り出てくれた方は、1991年式のクルマとほぼ同世代に生まれたという若者でした。しかも、これが初の愛車となるというではありませんか。ひととおりクルマをチェック後、試乗したいとのことでロードスターのキーを渡しました。
試乗から戻ってきて開口一番、その若者は「これ買います」といってくれました。それは同時に、筆者のロードスターが手元を離れることが決まった瞬間でもありました。そして愛車の引き渡し日。手元にある部品を次のオーナーさんに託しました。残ったのは、ナルディのホーンボタンと若い頃に手に入れたユーノスロードスター関連の雑誌のみ。
理想のユーノスロードスターを造り上げて、それを次の世代のオーナーに託す。寂しくもどこか清々しい気持ちでした。風の噂では、いまでも元気に走っているようです。
その後、現行ロードスターが世に姿を見せた瞬間に立ち会う
実は、現行ロードスターがアンベールされた瞬間、筆者は会場である舞浜アンフィシアターにいました。仕事ではなくいちユーザー(ロードスターのファン)として、です。
▼現行(ND)ロードスターが世界で初めてお披露目される日。会場はものすごい熱気に包まれていました
▼街中でも見掛ける機会も増えました。筆者の先輩も10数年ぶりの愛車として購入したのだとか
▼会場外の駐車場は歴代のロードスターで埋め尽くされていました
新型ロードスターがヴェールを脱いだ瞬間の、会場が震えるかのようなどよめきと歓声はいまでも忘れられません。
このCMを観るたびに、マツダのロードスターに対する熱い想いが込められているような気がしてなりません。現行ロードスターも、名車として語り継がれていくのでしょうか。
名車を創り出すのは自動車メーカーです。しかし、育てるのはユーザー。それをサポートするプロ(主治医)の存在。これらの要素がひとつでも欠けると、後世まで引き継がれるのは難しいことかもしれません。その典型が、トヨタ・ハチロク(AE86)の存在かもしれません。初代ロードスター(NA)や、スカイラインGT-R(R32)も、この領域に入りつつあるように思います。
ユーノスロードスターを手放してから2年ほど経ちましたが、いまでもときどき「もういちど、ロードスター買わないの?」と聞かれることがあります。もし、初代(NA)を買うことがあるとしたら、もうドレスアップすることはせず、レストアしつつノーマル戻しにして乗れたらいいなと思うようになりました。または、現行(ND)ロードスターでしょうか…。またいつか、ロードスターに乗りたい。この想いを持ち続けることも、仕事への励みになります。
車両本体価格29万円のユーノスロードスターを所有して分かったこと。それは、本当に欲しいクルマがあって、手が届くところにあるのなら「手に入れることを諦めてしまったら一生分からない、買ってみて初めて見える世界がある」ということでしょうか。
そのときは大変なことばかりでも、後になれば良い思い出。そして、このユーノスロードスターを通じて知り合った方たちとの交流は、クルマを手放したあとも途絶えることなく続いています。
ホンの僅かな期間でも、ユーノスロードスターという、後世に残る名車を所有できたことは、生涯忘れることはないでしょう。またいつか、必ず…。ロードスター乗りの友人・知人の皆さん、待っていてください。
[ライター/江上透 Special Thanks/山田勇]